ウサビ
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「俺…先輩とは付き合えない」
「…コプチェフと付き合えば?って事」
あんな言い方されるなんて思っていなかった
自惚れているつもりとか無かったはずなのに。
伝わると思ったのに、こんなに
「好きなのに…」
「誰が?」
「…、コプチェフ。随分嫌なタイミングで現れたわね」
「偶然っすよ。それより、その様子だとフラれたんですね、先輩」
「はっ、そんなに顔に出てたかしら?」
「いいえ?顔と言うよりも、一人でフラフラしてる段階で判りますから」
「…年上には敵わないわね」
(あぁもう。
こうやって話してるとこボリスに見られちゃうからダメなんだよ、先輩)
絶対ボリスは勘違いしてる。
俺とお嬢先輩が会話してるのは、先輩が俺からボリスの好みを聞いてるからなんだよ。
ったく、世話の焼けるカップルだなこの先輩たちは。
ボリスってば無意識にお嬢先輩を目で追ってるんだもんな。
やれやれ、今度はボリスの所に行くとしますか。と肩をすくめる。
「お嬢先輩。」
「ん?」
「涙は嬉し涙の為にとっといてください」
「…誰が涙流してるって?泣いて無いわよ、これで挫けるあたしじゃないもの!」
「はぁ…?」
「あたし、何度でも告白しちゃうから!」
「そーっすか。」
「今から行ってくる!」
「今から!?」
ま、
この人は大丈夫だろう。
俺の直感がそう言った。
問題なのは…―
「はぁ…」
―ボリスの方だ――
虚しさのすきま風が胸を通り抜ける。
愛用の銃を磨いても気が晴れない。
なんでお嬢先輩の事断っちまったんだ、と後悔の念が頭を埋める。
これ絶対失敗だって。と自問自答が止まらない。
なんだか涙すら出てきそうになる
そんな情けないことを考えてる間に、誰かが寮の俺の部屋を訪ねてきた。
タイミングの悪さに内心悪態をつきながら来客を迎える
「誰だ――…!?」
「ボリス!」
「お嬢…先輩」
先刻振ってしまったばかりの先輩が目の前にいるなんて
「何の用…ですか」
「まぁた敬語使ってる!やめてよね本当」
「何の用だよ…」
ああ、苛々する。
先輩に対してうじうじしてる自分に、苛々する。
「何度も言わせんじゃ無いわよ。ボリス、好きなの。あたしはあんたが好きよ?」
「…っ」
人の気も知らないでまた告白?
この人には恐怖心ってのが無いのかよ。
「…さっきも言ったろ?コプチェフと付き合えば、って」
「誤解です!ボリス先輩!」
「……コプチェフ?」
「ちょ…何追いついてんのよ!?あんた足早っ!」
「ボリス先輩は、誤解してるっす。」
「はぁ?何を」
「俺がお嬢先輩と話してるのはお嬢先輩がボリス先輩の好みを――へぶっ!」
なんだ、なんでお嬢先輩コプチェフの事殴ったんだ?
辛うじて聞こえた声を思い出す
お嬢先輩はコプチェフに俺のことを聞いてた。
というのはつまり
「俺、が…誤解してたって…か?」
「痛てて……そうっすよ先輩。俺は確かにお嬢先輩と話しますが、それが恋と決まってるわけ無いでしょう?」
「そりゃ…そうだよな…」
「さ。あとは二人でなんとかしてください。後輩の出番は終りです」
「あぁ、…ありがとな、コプチェフ」
「…コプチェフ」
「はい?なんですか、お嬢先輩」
「グッジョブ!」
ぐっと親指を立てて一言頂いた。
いいから早く告白してしまえ。
そう思いながらその場を後にしたコプチェフ。
「ぼ…っ、ボリス…」
「あ、んだよ?」
「えと…その…」
今まで勢いで告白してたもんだから、いざとなると勇気が出ない…。
「その…好き、なんだけど」
「あ、あぁ、その、なんだ。………俺もだよ」
「!」
「最初に告られた時から……ずっと、…ずっと好きなんだ」
「…本、当?」
「だから…俺の彼女になってくれ」
「…っ!喜んで!」
「……泣くなよ…」
「泣いてないわよ!」
あたしを誰だと思ってるの?
名狙撃手の先輩なのよ
狙った獲物は意地でも逃さない!
「ねぇボリス…」
「あ?」
「キスしよ?」
「な…っ……!?」
「ほらぁ、目瞑って」
「………ん。」
唇にあたる軟らかい唇。
俺たちは晴れて恋人同士になった。
続
2009/10/24