トリコ
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なんだこの人、めっちゃ綺麗な顔してるなあ
というのが第一印象だった。
「…おーい」
「はい?」
「俺 が美しくて見惚れちまうのは分かるけど、見すぎじゃね?」
「あ、…すいませんお客様」
彼女はお嬢。
よくあるソフトクリーム屋の店員で、彼氏募集中の平凡なティーンエイジャーである。
「お待たせしました、ご注文のキューティクルベリーギガミックスソフトです」
「お、デコレーションが可愛らしい、っつーか美しいな」
いやいや貴方の方が美しいよ。
なんてツッコミを入れそうになるも堪える。
高さ30センチを超える当店自慢のソフトクリームには惜しげも無くフルーツのデコレーションが盛られていて、味は勿論だが見た目にもかなり自信がある1品なのである。
「ン、美味い」
「ありがとうございます、そちら当店の一番人気でして」
目の前の眩しい光景に圧倒され愛想笑いをするお嬢。
やっとこさ営業スマイルに慣れてきた、と本人は自負しているが
「…やり直し」
「はい?」
「今の笑顔、感情がこもってねぇだろ?そーいうのは美 しくねぇからやり直し」
「は…はぁ…?」
「ちゃんと笑ってみ?お前、結構可愛い顔してんだし」
可愛いなどと中々言われ慣れないので正直戸惑う。しかもこんな顔面偏差値の高い人からなどと。
しかし初対面の相手にずかずかと物言うあたりは、なんというか所謂イケメンの枠から外れているような気がして少し安心感すらある。
「笑顔をやり直す…とは?」
「そ。笑ってみ?」
「…えーと」
最近は笑顔なんて意識して作る営業スマイルしかしていない。
と言うのはさすがに言い過ぎだが、仕事中に中々にっこりと微笑むのはちょっと難しいものがある。
「…こんなかんじ、ですか?」
「なんか違うくね?」
「じゃあ…こんな」
「ちょいダメ」
「これなら…!」
「さっきより悪くなってる!」
流石にちょいと無礼なのではないか。
こうもダメ出しされると流石に笑えないのである。
「私を馬鹿にしてますか?」
「してねーし」
「美人なお兄さんにダメダメ言われると流石に凹むんですが…」
「でもよぉ」
「…いいじゃないですか別に、私なんて笑っても大したこと無いでしょうし」
「それは聞き捨てなんねーし!」
「えー?」
何だこの人本当に。と思った。
「お嬢ぜってー笑ったらもっとカワイーし」
「ん!?なんで名前知ってるんですか?」
「名札ついてんじゃん」
「あ。」
やや天然ムーブをかましたところに更に顔を覗き込まれて焦る。
これは口説かれてるのだろうか。
「つか照れた顔も可愛くね?」
「や…やめ」
「なぁなぁ」
「もうっ、何なんですか?」
「アイス溶けちまいそう」
「当たり前ですよ!こんなとこで立ち話してるんですから、誰かさんのせい、で?」
「ン?」
「私だけ名が知られてるの不公平なのでは」
「そいやそーだな、俺はサニー!」
「サニーさん、ですか」
「これで顔見知りだな?お嬢」
名前通りに明るくて眩しい人。
「なんか、嬉しいです」
「そか?」
「だってこんな風に話してくれるお客さんってだけで珍しいのに…それがこんな美人なお兄さんだなんて」
「!!」
話している途中で肩を掴まれて慌てて顔を上げると、嬉しそうにキラキラしてる彼の目と目が合う。
「ほら!やっぱりカワイーじゃん!」
「かわ…っ?」
「メチャ自然に笑うとか反則だし」
「えっ、え?」
「良 わ、お前良 」
ぽんぽんと肩を叩かれ、満足げに離される。
「今のは一体…」
「こっちの話!つか今度改めて口説きに来っから待っててほしーし」
「ファ!?」
返事を待たれることもなく、いつの間にか完食されたソフトクリームの包み紙を丁寧に捨てて彼は帰ってゆくのであった。
(眩しい太陽の様な人)
(嵐みたいに去ってった)
スマイリーハッピーサニー!
終
というのが第一印象だった。
「…おーい」
「はい?」
「
「あ、…すいませんお客様」
彼女はお嬢。
よくあるソフトクリーム屋の店員で、彼氏募集中の平凡なティーンエイジャーである。
「お待たせしました、ご注文のキューティクルベリーギガミックスソフトです」
「お、デコレーションが可愛らしい、っつーか美しいな」
いやいや貴方の方が美しいよ。
なんてツッコミを入れそうになるも堪える。
高さ30センチを超える当店自慢のソフトクリームには惜しげも無くフルーツのデコレーションが盛られていて、味は勿論だが見た目にもかなり自信がある1品なのである。
「ン、美味い」
「ありがとうございます、そちら当店の一番人気でして」
目の前の眩しい光景に圧倒され愛想笑いをするお嬢。
やっとこさ営業スマイルに慣れてきた、と本人は自負しているが
「…やり直し」
「はい?」
「今の笑顔、感情がこもってねぇだろ?そーいうのは
「は…はぁ…?」
「ちゃんと笑ってみ?お前、結構可愛い顔してんだし」
可愛いなどと中々言われ慣れないので正直戸惑う。しかもこんな顔面偏差値の高い人からなどと。
しかし初対面の相手にずかずかと物言うあたりは、なんというか所謂イケメンの枠から外れているような気がして少し安心感すらある。
「笑顔をやり直す…とは?」
「そ。笑ってみ?」
「…えーと」
最近は笑顔なんて意識して作る営業スマイルしかしていない。
と言うのはさすがに言い過ぎだが、仕事中に中々にっこりと微笑むのはちょっと難しいものがある。
「…こんなかんじ、ですか?」
「なんか違うくね?」
「じゃあ…こんな」
「ちょいダメ」
「これなら…!」
「さっきより悪くなってる!」
流石にちょいと無礼なのではないか。
こうもダメ出しされると流石に笑えないのである。
「私を馬鹿にしてますか?」
「してねーし」
「美人なお兄さんにダメダメ言われると流石に凹むんですが…」
「でもよぉ」
「…いいじゃないですか別に、私なんて笑っても大したこと無いでしょうし」
「それは聞き捨てなんねーし!」
「えー?」
何だこの人本当に。と思った。
「お嬢ぜってー笑ったらもっとカワイーし」
「ん!?なんで名前知ってるんですか?」
「名札ついてんじゃん」
「あ。」
やや天然ムーブをかましたところに更に顔を覗き込まれて焦る。
これは口説かれてるのだろうか。
「つか照れた顔も可愛くね?」
「や…やめ」
「なぁなぁ」
「もうっ、何なんですか?」
「アイス溶けちまいそう」
「当たり前ですよ!こんなとこで立ち話してるんですから、誰かさんのせい、で?」
「ン?」
「私だけ名が知られてるの不公平なのでは」
「そいやそーだな、俺はサニー!」
「サニーさん、ですか」
「これで顔見知りだな?お嬢」
名前通りに明るくて眩しい人。
「なんか、嬉しいです」
「そか?」
「だってこんな風に話してくれるお客さんってだけで珍しいのに…それがこんな美人なお兄さんだなんて」
「!!」
話している途中で肩を掴まれて慌てて顔を上げると、嬉しそうにキラキラしてる彼の目と目が合う。
「ほら!やっぱりカワイーじゃん!」
「かわ…っ?」
「メチャ自然に笑うとか反則だし」
「えっ、え?」
「
ぽんぽんと肩を叩かれ、満足げに離される。
「今のは一体…」
「こっちの話!つか今度改めて口説きに来っから待っててほしーし」
「ファ!?」
返事を待たれることもなく、いつの間にか完食されたソフトクリームの包み紙を丁寧に捨てて彼は帰ってゆくのであった。
(眩しい太陽の様な人)
(嵐みたいに去ってった)
スマイリーハッピーサニー!
終