半熟英雄
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たまごを扱えるから、って兵士として雇われた。
位置はマルティスの部下にあたる場所。
「はぁ…」
「お嬢ちゃん、どうしたの?」
「ルーナエさん…」
「悩みごと?」
「はい。…あの、聞いて良いですか?」
「なにを?」
「マルティスさんって…彼女居るんですか?」
「居ない…と思うわ」
「じゃあ、好きな人とか居るんでしょうか…」
「それは分からないけど、お嬢ちゃんはどう思ってる?」
「カトリイヌさんとか…美人だから………」
「う~ん、大丈夫よ!…多分。」
「で…ですが…」
「本人に確認するのが一番よ?違うかしら?」
「確かに…」
そう言う訳で、カトリ・デ・オマール内のマルティスの部屋に足を運んだ。
こんこん、
小気味の良い音を立ててドアを叩く。
「だれだ?」
「お嬢です…」
「…っ!?ちょ…っと待ってろよ!絶対開けんなよ!?」
「は…、はぁ…」
案外すぐにドアは開いた。
「お待たせ。入れよ?」
「いえ…此所で」
「入れって!」
「わ…っ」
半ば無理やり部屋に入れられた。緊張する。
こうして居るとやはり実感する。やっぱりマルティスが好きなんだと。
「マルティスさん…」
「おぉ、なんだ?」
「好き…」
「え」
「…な人居ますか?」
「なん、…まあ、居るけど」
殴られたような衝撃が頭を駆ける。
ショックの大きさに目が眩む。
でも、もしかしたら私を好きって言うとか
「えっと…そうなんですね、失礼します!」
そんな訳無い無い。とその場の空気から逃げたくて、ドアに寄る。
「待てよ!」
「えっ!?」
「話聞けって、な?」
「ぅ…、はい」
両手首を掴まれて、壁と背中が密着中。
ついでにマルティスの顔が近い。ひたすら近い。
「お前は…、」
「わた、私…?」
「どうなんだよ、好きな奴…居るのか?」
「それは…はい」
「…誰だよ」
「え?」
「誰だよ!?誰が好きなんだ?」
「きゃ…」
壁についてた背中が、今は床と密着中。
押し倒されたと気付くのに時間はかからなかった。
「マルティス…さん?」
「…」
「っ、ぅぅ…」
力の差故に、退けられるわけが無い。
恐怖で目が潤む。
「う…っ、ぐすっ」
「お…おい…」
「、ッわたしが、好きなのは、…マルティスさんなんですが…ッ」
「え…」
「…、そうじゃなきゃ…あんな質問しません…」
「お嬢っ」
「や…っ」
大きな手のひらが目の前に迫る。
殴られる、かと思ったのも束の間。
「なんでもっと早く言わねぇんだよ…」
「え…?」
わしわし頭を撫でられた。
「マルティス…さん?」
「痛かっただろ?、押し倒して…悪かった」
「いえ…その…」
「ん?」
「お返事は…頂けませんか?」
「ぁ…、その…まぁ、何だ…改まると恥ずいな」
サングラス越しに目を伏せる様子につられて彼女の頬も染まる。
「俺も、お嬢が好きだぜ」
「マルティスさん…!」
紅いのは彼の髪?
できたてカップルの頬の色!
「…へへ」
「どーした?」
「…これっ…夢ですか?」
「現実だぜ?夢みたいに浮かれちまうけどな」
「照れちゃいますよ…、っていうか先程はなぜすぐに部屋に入れてくれなかったんですか?」
「アレは…、…好きな子が、お嬢が訪ねてきたら焦るに決まってんだろ…」
「な…っ」
「言わすなよなー!恥ずいってのに…」
終
加筆修正2021/09/21