ウサビ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ボリス!」
「…なんですか、お嬢さん」
「敬語は止めなさいって言ってるじゃん」
「だってさ、一応お嬢は先輩だし」
「先輩である以前に年下なんだから、タメで良いの」
「…ってか、何の用?」
「え?あぁ、うん」
「付き合ってくれない?」
「………は?」
「だから、あたしの彼氏になってくれない?」
「え。何で」
「ボリスが好きだから。」
「…………。」
「…流石に無言は嫌~」
「え…、は?付き合え…って言われてもなぁ…」
「やなの?」
「嫌ってか、俺先輩の事よく知らねぇし…」
「はぁ!?何で知らないのよ!あんたあたしの部下になってから半年も経ってるのに!」
「部下ったって、狙撃訓練の時に顔合わせるだけじゃないすか!」
「そりゃ…そうだけどさ」
お嬢先輩が唐突に告ってきた。
なんで俺なんだよ。
先輩の事は先輩としか見て無かったから、改まって女として見ろって言われたって…。
それに、先輩は俺よりもコプチェフと仲が良い。
何時も訓練が終ったらコプチェフと楽しげに話してた先輩を何度も見た。
―――
「……俺、どーしたら良いと思う?」
「なにが?」
「お嬢先輩に告られた」
「!!」
「どーした?コプチェフ」
「そう言うのは…ボリスの好きにしたら良いんじゃないかな?」
「まぁ、そーだよな」
「………。」
「なんだよ?」
「いや、別に?」
なんだよ…急に黙って。
やっぱお嬢先輩とコプチェフは仲が良いんだな。
少なからず、コプチェフもお嬢先輩が好きだったのかも。
だったら……。
―――
「お嬢先輩」
「あ、ボリス!」
「この前告られた返事、しに来た。」
「…本当!」
「あぁ、俺、お嬢先輩とは付き合えない」
「え?…なん…で?」
「先輩は、もっと自分を大事にしてくれる奴と付き合うべきだと思う」
「どういう意味?」
「…コプチェフと付き合えば?って事」
「…………。」
「…だから、」
繋げる前に言葉が詰まる
次の言葉を選ぼうとしたが
「ぅ…っ」
「先輩?」
「ふっ、…く」
「な…!?何泣いてるんですか!?」
「ぼっ、ボリスの馬鹿!あたしはボリスが好きなのに!」
「は!?」
「ボリスが大好きなのに!」
「待っ…!」
「もういい、」
「え……」
「あたし帰る…」
彼女の涙に口をつぐんでいる間に
直ぐに走り去ってしまった。
お嬢先輩…泣いてた。
俺は、俺は…間違った事は言ってないと思う。
けど、なんでこんなに胸が痛いんだ
なんで、こんなに辛いんだ
―――
「あんな言い方ないでしょ…」
と独り言を漏らす。
「…諦めたくは、ないな」
続
2009/10/21