Prologue
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昼間、ビビと別れてから次の島を目指していた時、空からでっっけぇ船と一人の女が落ちてきた。サンジが気づいてくれて何とか助けたけど、そいつは血がドバドバ出てて大変だったらしい。ま、チョッパーに任せたらダイジョブなんだろうけど!
しっかしあとからナミたちが話してたけどよォ、空島があるみてぇじゃねぇか。船と一緒に落ちてきたってことはあいつ、きっとその空島ってとこからきたんだ!目が覚めたら仲間になってもらおう、そんで空島の行き方教えてもらおう!
って、思ってたのに。空から降ってきたあいつ、ルイは空島から来たんじゃねェんだって。よくわかんねーけど落ちてくる前は喧嘩してたって言うしよ、それはそれで強そうだし仲間にしてもいいよな!
「次の島で降りる」
飯を食うところで話を聞いてた時、ルイは真っ先にそういった。しかもそれにナミは何も言わないしよォ、俺の意見はどうなんだ!船長だぞ!
どうにかしてこの強そうなルイを仲間に誘うべく考えているといつの間にかそいつの姿はなくなっていた。こんな時にどこ行ったんだ、サンジのメシももうすぐ出来んのに。
「なぁサンジ、腹減ったからもう飯食おうぜ!」
「ダメだクソゴム。ルイちゃんがいねェうちはぜってェに食うな」
なんだよ、俺すっげー腹減ってんのに。ルイもルイだ、メシができるって時にいなくなってよ。俺の腹が限界だ、探しに行く。どこ行ったか知んねぇけど、まぁ船の上にいるのは確実だしすぐ見つかるだろ!
______スン、
いつも皆が集まっているところに出れば、その音はすぐに聞こえた。どこだ?便所か?
______スン、
もう一度耳を澄ませて聞いてみれば、上から聞こえた。うえ、うえ。メリーの上って、あの見張り台しかねぇよなぁ。うっし、行ってみっか!いつもみたいに腕伸ばしてでもいけんだけど今はなんか上りたい気分だし、腕は伸ばさねぇで網を伝って見張り台へ上った。
顔を出してみると目の前にサンジよりも薄い黄色い髪の毛があったから、すぐルイだってわかった。なんだこいつ、丸まってスンスン言ってよ。なにしてんだ?後ろから見てるからなんもわかんねぇ。声かければいいのか?メシ食いてーから早くしろって言うか。
ルイの肩に手を伸ばした。
「……は、ぅ、」
ルイが少し、声を出した。苦しそうで鼻にかかった声。これなら俺でもわかる、今こいつは泣いてんだって。……でもそっか、泣いてんのか。女が泣いてるときはそっとしとけって、ナミが言ってた気がする。だから俺はルイが動くまでじっと待つことにした。
____________
あたしの歓迎会という名の夜飯が終わって少し。ダイニングにはあたしとサンジだけが残っていた。皆が食い終わった皿を片付けている最中だ。最初あたしが洗うって言ったんだけど女の手は長い時間水に浸けてはいけないということで譲ってもらえなかった。だから渋々サンジが洗い終わった皿を拭いている。手が触れないようにめちゃくちゃ意識しながら。
「ルイちゃんも外で騒いでていいんだぜ?」
「借りは返すっつっただろ」
それに、また飯中みたいな雰囲気に飛び込みたいとは思わない。先程心に刺さったモノのせいで穴が開いたそこから未だになんかが垂れ流れてるみたいで気持ち悪い。ぶっちゃけ、あんたもいなくてよかったよサンジ。
「それにあんな騒いだことねーし」
「へぇ、意外」
「和気あいあい、とか慣れてないもんで」
和気あいあいなんて程遠い生活してたし、そんな雰囲気とっくの昔に忘れてる。
「目、大丈夫?」
「うん、別に」
「距離感掴めねェだろうしキツかったらいいなよ」
「だから、問題ねぇって」
チョッパーみたいにしつこいサンジに、眉間に皺が寄ってくる。話の話題がないならわざわざ振ってこなくていい、無言の方がずっと楽。こちらからは話しかけないようにキュッキュ、黙々と皿を磨き続けた。
「本当にジャヤで降りるんだ?」
「世話になる義理もねーしな」
絶えない話題に素っ気ない声で答える。初対面のこいつらに世話になるなんて図々しすぎんだろ。それくらいわきまえてる。
「そんな難しいこと考えなくてもいいと思うけどねェ」
コックのその言葉を無視して、皿を拭き続けた。
07.着いてしまえば
(赤の他人なんだから)
しっかしあとからナミたちが話してたけどよォ、空島があるみてぇじゃねぇか。船と一緒に落ちてきたってことはあいつ、きっとその空島ってとこからきたんだ!目が覚めたら仲間になってもらおう、そんで空島の行き方教えてもらおう!
って、思ってたのに。空から降ってきたあいつ、ルイは空島から来たんじゃねェんだって。よくわかんねーけど落ちてくる前は喧嘩してたって言うしよ、それはそれで強そうだし仲間にしてもいいよな!
「次の島で降りる」
飯を食うところで話を聞いてた時、ルイは真っ先にそういった。しかもそれにナミは何も言わないしよォ、俺の意見はどうなんだ!船長だぞ!
どうにかしてこの強そうなルイを仲間に誘うべく考えているといつの間にかそいつの姿はなくなっていた。こんな時にどこ行ったんだ、サンジのメシももうすぐ出来んのに。
「なぁサンジ、腹減ったからもう飯食おうぜ!」
「ダメだクソゴム。ルイちゃんがいねェうちはぜってェに食うな」
なんだよ、俺すっげー腹減ってんのに。ルイもルイだ、メシができるって時にいなくなってよ。俺の腹が限界だ、探しに行く。どこ行ったか知んねぇけど、まぁ船の上にいるのは確実だしすぐ見つかるだろ!
______スン、
いつも皆が集まっているところに出れば、その音はすぐに聞こえた。どこだ?便所か?
______スン、
もう一度耳を澄ませて聞いてみれば、上から聞こえた。うえ、うえ。メリーの上って、あの見張り台しかねぇよなぁ。うっし、行ってみっか!いつもみたいに腕伸ばしてでもいけんだけど今はなんか上りたい気分だし、腕は伸ばさねぇで網を伝って見張り台へ上った。
顔を出してみると目の前にサンジよりも薄い黄色い髪の毛があったから、すぐルイだってわかった。なんだこいつ、丸まってスンスン言ってよ。なにしてんだ?後ろから見てるからなんもわかんねぇ。声かければいいのか?メシ食いてーから早くしろって言うか。
ルイの肩に手を伸ばした。
「……は、ぅ、」
ルイが少し、声を出した。苦しそうで鼻にかかった声。これなら俺でもわかる、今こいつは泣いてんだって。……でもそっか、泣いてんのか。女が泣いてるときはそっとしとけって、ナミが言ってた気がする。だから俺はルイが動くまでじっと待つことにした。
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あたしの歓迎会という名の夜飯が終わって少し。ダイニングにはあたしとサンジだけが残っていた。皆が食い終わった皿を片付けている最中だ。最初あたしが洗うって言ったんだけど女の手は長い時間水に浸けてはいけないということで譲ってもらえなかった。だから渋々サンジが洗い終わった皿を拭いている。手が触れないようにめちゃくちゃ意識しながら。
「ルイちゃんも外で騒いでていいんだぜ?」
「借りは返すっつっただろ」
それに、また飯中みたいな雰囲気に飛び込みたいとは思わない。先程心に刺さったモノのせいで穴が開いたそこから未だになんかが垂れ流れてるみたいで気持ち悪い。ぶっちゃけ、あんたもいなくてよかったよサンジ。
「それにあんな騒いだことねーし」
「へぇ、意外」
「和気あいあい、とか慣れてないもんで」
和気あいあいなんて程遠い生活してたし、そんな雰囲気とっくの昔に忘れてる。
「目、大丈夫?」
「うん、別に」
「距離感掴めねェだろうしキツかったらいいなよ」
「だから、問題ねぇって」
チョッパーみたいにしつこいサンジに、眉間に皺が寄ってくる。話の話題がないならわざわざ振ってこなくていい、無言の方がずっと楽。こちらからは話しかけないようにキュッキュ、黙々と皿を磨き続けた。
「本当にジャヤで降りるんだ?」
「世話になる義理もねーしな」
絶えない話題に素っ気ない声で答える。初対面のこいつらに世話になるなんて図々しすぎんだろ。それくらいわきまえてる。
「そんな難しいこと考えなくてもいいと思うけどねェ」
コックのその言葉を無視して、皿を拭き続けた。
07.着いてしまえば
(赤の他人なんだから)