Prologue
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この海賊共の雰囲気が嫌で見張り台へ逃げた後、ダサいことに少しだけ泣いた。自業自得だってのに何人のせいにしてんだか。気を取り直して両頬を叩き、甲板へ降りようと立ち上がった。
「よォ」
「ぎゃあぁ!!」
突然、背後から声がして思い切り振り返ったら、そこにいたのは麦わら帽子をかぶったルフィ。こいつの顔を確認して、名前まで出てきて、頭は冷静なはずなのに驚いている身体は言うことを聞かず、そのまま後ずさった。
見張り台はそこまで手摺が高くなく、腰の少し下くらいまで。だから後ずさりすぎた身体は手摺にぶつかり、バランスを崩して見張り台からずり落ちた。
あたしって今日、めっちゃ落ちるじゃん。だんだん遠くなる見張り台にもうちょっと手摺を高くしてくれればいいのに、と恨めしい思いをぶつけながら浮遊感を味わっている途中。
伸びてきた腕が腹に巻き付いて浮遊感が無くなった。
「おめぇ今日はよく落ちるなァ」
「……あたしもそれ思った」
伸びてきたのはルフィの腕だった。ウソップがダイニングに集まってた時言ってたけど、ルフィはゴムゴムの実っていうのを食べて身体がゴム人間になってんだって。この世界にはそういう悪魔の実ってのが存在してソレを食べた人は超人的な能力の代わりに海に嫌われてカナヅチになるんだと。なんか複雑なんだよなこの世界。
とまぁそんなこんなで甲板に叩きつけられる未来をルフィに救ってもらい、ゆっくり足から下ろしてもらった。
「…サンキュ」
「おう、気にすんな!」
「つか、お前なんでいんの?飯もう出来てんだろ?」
あたしより数段身長の高いルフィを見つめて問いかける。こいつ腹減った腹減ったうるさかったしてっきりもう先に食ってるもんだと思ってた。あー、胃袋もゴムだから食ってもいっぱいになんないんかな。サンジも大変だな、船長が無限の胃袋なんだから。
「そのことだけどよ、サンジがルイがいねぇと食わせねぇとかいうから呼びに来たんだ!」
「呼びに来たって、よく場所分かったな」
「だってお前、泣いてたじゃねぇか」
こいつが人を探すなんてできんのかと疑ってあたしを見つけれたことに感嘆の声を上げた時、まさか、こいつの口から爆弾発言ポロリ。…嘘だろ、もしかして聞いてたのかよ。だからあんときすぐ後ろにいたのか、なんか合点がいったわ。
……しかし、よりによって口が堅そうにないルフィにダサいところを見られた。多分、ダイニング戻ったら言う、確実に言う。口止めに肉でも渡せばいいんか。
「腹でもいてぇのか?それとも腹空きすぎて泣いてたのか?」
「泣いてねぇ」
「スンスン鼻鳴らしてたろ?」
「鳴らしてねぇ」
幸いにもあたしが泣いていた理由とは全く別方向に勘違いしてくれてたからしらばっくれることにした。多分馬鹿だから信じてくれるだろ。
「あたしは泣いてもねぇし鼻鳴らしてもねぇ。完っ全にお前の思い違いだ。だから戻っても言いふらしたりすんなよ、絶対だ」
「おう、わかった!」
こいつの分かったが信じられないのはきっとあたしだけじゃない。まだまだ不安は残るがもし口が滑ったとしてもこの船にずっと居座るわけじゃないし、いい、か。最悪小舟借りて逃げ出す。
無事甲板に下り、ルフィの口止めも完了したわけだし、大人しく戻るか。あの雰囲気に戻ると思うと嫌だけど、そろそろ腹が限界だし。先を行くルフィの後ろについてダイニングに戻った。
「やっと主役が戻ってきたわね」
「ルイちゃん、冷めねぇうちに食べてくれ」
入るなりふわんといい香りが鼻を掠める。限界だった腹はついにぎゅるりと主張を始めた。いや、仕方ない。目の前のこのうまそうな料理を前に鳴らない腹なんてない、と思う。
「こっちよ、チンピラさん」
ナミともう一人の女、ミステリアスっつーの?そんな雰囲気をかもし出しているロビンに手招きをされた。呼ばれ方はあんまり気にしてないし、前の世界でもそういう類に入ってたから違和感はない。
呼ばれた通り傍にいけば男のテーブルとは離れてて少し小さめのテーブルにあたしを含めた3人は席に着いた。
「なんで離れてんの?」
「あいつらと一緒になんて食えないわよ、汚いしすぐなくなるんだから」
「あら、そうなの?楽しみね」
「?、ロビン、あんたここの仲間だろ?」
「私もついさっき、仲間に入れてもらったの」
「’も’ってなんだ。あたしは仲間じゃねぇ」
「あら、時間の問題だと思うけど」
なんだ、ロビンはさっき仲間になったんだ。……さっきって、そんな簡単にすぐ仲間にするんだこの船。船長が船長だから、なんかわかる気がする。
しかも何あたしも仲間になったみたいな言い方してんだか。あたしがこの船にいる理由なんてないし、この世界に存在する必要もない。あたしが必要とされることはないんだよ、どこにも。……あー辛気臭。ルフィに口止めした意味ないじゃん。
頭によぎった考えを振り払うように、目の前に広がる料理へフォークを突き立てた。
06.ぶすり、
(にぎやかな声は、すぐにあたしの心にも突き刺さった)
「よォ」
「ぎゃあぁ!!」
突然、背後から声がして思い切り振り返ったら、そこにいたのは麦わら帽子をかぶったルフィ。こいつの顔を確認して、名前まで出てきて、頭は冷静なはずなのに驚いている身体は言うことを聞かず、そのまま後ずさった。
見張り台はそこまで手摺が高くなく、腰の少し下くらいまで。だから後ずさりすぎた身体は手摺にぶつかり、バランスを崩して見張り台からずり落ちた。
あたしって今日、めっちゃ落ちるじゃん。だんだん遠くなる見張り台にもうちょっと手摺を高くしてくれればいいのに、と恨めしい思いをぶつけながら浮遊感を味わっている途中。
伸びてきた腕が腹に巻き付いて浮遊感が無くなった。
「おめぇ今日はよく落ちるなァ」
「……あたしもそれ思った」
伸びてきたのはルフィの腕だった。ウソップがダイニングに集まってた時言ってたけど、ルフィはゴムゴムの実っていうのを食べて身体がゴム人間になってんだって。この世界にはそういう悪魔の実ってのが存在してソレを食べた人は超人的な能力の代わりに海に嫌われてカナヅチになるんだと。なんか複雑なんだよなこの世界。
とまぁそんなこんなで甲板に叩きつけられる未来をルフィに救ってもらい、ゆっくり足から下ろしてもらった。
「…サンキュ」
「おう、気にすんな!」
「つか、お前なんでいんの?飯もう出来てんだろ?」
あたしより数段身長の高いルフィを見つめて問いかける。こいつ腹減った腹減ったうるさかったしてっきりもう先に食ってるもんだと思ってた。あー、胃袋もゴムだから食ってもいっぱいになんないんかな。サンジも大変だな、船長が無限の胃袋なんだから。
「そのことだけどよ、サンジがルイがいねぇと食わせねぇとかいうから呼びに来たんだ!」
「呼びに来たって、よく場所分かったな」
「だってお前、泣いてたじゃねぇか」
こいつが人を探すなんてできんのかと疑ってあたしを見つけれたことに感嘆の声を上げた時、まさか、こいつの口から爆弾発言ポロリ。…嘘だろ、もしかして聞いてたのかよ。だからあんときすぐ後ろにいたのか、なんか合点がいったわ。
……しかし、よりによって口が堅そうにないルフィにダサいところを見られた。多分、ダイニング戻ったら言う、確実に言う。口止めに肉でも渡せばいいんか。
「腹でもいてぇのか?それとも腹空きすぎて泣いてたのか?」
「泣いてねぇ」
「スンスン鼻鳴らしてたろ?」
「鳴らしてねぇ」
幸いにもあたしが泣いていた理由とは全く別方向に勘違いしてくれてたからしらばっくれることにした。多分馬鹿だから信じてくれるだろ。
「あたしは泣いてもねぇし鼻鳴らしてもねぇ。完っ全にお前の思い違いだ。だから戻っても言いふらしたりすんなよ、絶対だ」
「おう、わかった!」
こいつの分かったが信じられないのはきっとあたしだけじゃない。まだまだ不安は残るがもし口が滑ったとしてもこの船にずっと居座るわけじゃないし、いい、か。最悪小舟借りて逃げ出す。
無事甲板に下り、ルフィの口止めも完了したわけだし、大人しく戻るか。あの雰囲気に戻ると思うと嫌だけど、そろそろ腹が限界だし。先を行くルフィの後ろについてダイニングに戻った。
「やっと主役が戻ってきたわね」
「ルイちゃん、冷めねぇうちに食べてくれ」
入るなりふわんといい香りが鼻を掠める。限界だった腹はついにぎゅるりと主張を始めた。いや、仕方ない。目の前のこのうまそうな料理を前に鳴らない腹なんてない、と思う。
「こっちよ、チンピラさん」
ナミともう一人の女、ミステリアスっつーの?そんな雰囲気をかもし出しているロビンに手招きをされた。呼ばれ方はあんまり気にしてないし、前の世界でもそういう類に入ってたから違和感はない。
呼ばれた通り傍にいけば男のテーブルとは離れてて少し小さめのテーブルにあたしを含めた3人は席に着いた。
「なんで離れてんの?」
「あいつらと一緒になんて食えないわよ、汚いしすぐなくなるんだから」
「あら、そうなの?楽しみね」
「?、ロビン、あんたここの仲間だろ?」
「私もついさっき、仲間に入れてもらったの」
「’も’ってなんだ。あたしは仲間じゃねぇ」
「あら、時間の問題だと思うけど」
なんだ、ロビンはさっき仲間になったんだ。……さっきって、そんな簡単にすぐ仲間にするんだこの船。船長が船長だから、なんかわかる気がする。
しかも何あたしも仲間になったみたいな言い方してんだか。あたしがこの船にいる理由なんてないし、この世界に存在する必要もない。あたしが必要とされることはないんだよ、どこにも。……あー辛気臭。ルフィに口止めした意味ないじゃん。
頭によぎった考えを振り払うように、目の前に広がる料理へフォークを突き立てた。
06.ぶすり、
(にぎやかな声は、すぐにあたしの心にも突き刺さった)