Prologue
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アラバスタでビビちゃんと別れた後、追ってきた海軍を突き離して俺たちは束の間の休息を過ごしていた。しかし今まで一緒にいたビビちゃんがいないこの船は今にも沈みそうな程皆が気落ちしていた。ただ一人、クソマリモを除いて。
しかしこの悲しさもどこへやら、アラバスタでは敵対していた美しのお姉さま、ロビンちゃんの登場により今は穏やかに落ち着いている。
ナミさんの完璧な航海術とロビンちゃんの底知れない知識により次の島は秋島だと分かった。うん、うちの女性陣には頭が上がらねぇな、美しいし、本当に素敵だ。……そうだ、秋島に行くんだから秋に旬な食材でも使ってスイーツでも作ろうか。もちろん、ナミさんとロビンちゃんには特別豪華にするつもりさ。
そう決めてキッチンへと足を動かしたとき。
_______コツ、コツン
「……?雨、じゃあねぇな……」
「あられか……?」
メリー号に何かが当たった。音からして雨じゃねぇと思うが……あられもないだろう。今から向かうのは秋島だから、そこまで気温は低くないはずだ。ならいったいなんだ…?
うっかり、咥えていた煙草を落とすところだった。
空から船が、ガレオン船が、降ってきた。
_____いや、落ちてきたんだ。メリー号よりも何倍もでかい、ソレが。
そのまま海へと勢いよく叩きつけられたガレオン船はメリーを揺らすには十分すぎた。
「何!?これ何!!?ねェ何!!!?」
あぁ、涙を溜めて悲鳴を上げるナミさんも素敵だが、今は彼女たちの安全を確保しねぇと…!未だに降り注ぐガレオン船の破片に目を向ける。
「まだなんか降って来るぞ!気をつけろ!!!」
そう言い、ルフィと共にメリーを守るべく落ちる破片を睨むように見つめていると、何か、破片とは全く別速度で落ちてくるものが目に留まった。
なんだあれ……?明らかに他の破片より落ちる速度が速い。……だんだん近づいてくる。はっきりと見えてくる。……あれ、……おいおい、嘘だろ……!?
「ルフィ!!人だ!!女の子が落ちてくる!!!」
「ひとぉ!?どこだ!?」
「甲板のど真ん中だ!!いいか、ぜってぇに傷つけんじゃねぇぞ!!完璧に受け止めろ!!!」
「おう、任せろ!!」
ルフィはそう言うと俺の言った通り空を見上げながら甲板の中央へ走っていく。そしてお得意の砲弾を跳ね返すとき同様、身体を膨らませて受け止める。……だが、やばい、勢いが良すぎて跳ね返っちまった。
「うぉ、やべぇ!!」
クッソ、レディを傷物になんかできるか……!!!吹っ飛んでいく女の子を追いかけて、海に落ちる寸前で細い手首を捕まえる。力を込めてしまえばぽっきりいってしまいそうだが、ここで力を抜けば彼女は海の中。すまねぇ、我慢してくれ……!
軽々引きあげることができた彼女を抱きとめる、が。
あろうことか、彼女の顔は血だらけだった。
「おいルフィ、てめぇ傷つけんなって言っただろうが!!」
「俺何もしてねぇよ、最初っから血ぃ出てたんだ!」
「はァ!?んじゃなんで、っ!!」
彼女を受け止めたルフィに詰め寄ろうとしたが、目の前にでかい破片が落ちてきた。っあっぶねぇ…!今はこの子を守ることを優先した方がよさそうだな……!
俺は揺れと破片の落下が収まるまで腕の中の彼女を、きつめに抱きしめた。
_____ザザァ、ザザァ__
さっきのことなどなかったように、波は穏やかになっていた。空から落ちて来る破片も収まり、船の中には落ち着きが戻っていた。が、俺はそれどころじゃねぇ。未だに血を流す彼女を早くチョッパーに診せなくては。
ゆっくりと、揺らさないようにウソップと抱き合い震えている我らが船医、チョッパーの元へ彼女を運んだ。
「サンジくん、その子、どうしたの?」
「あぁナミさん。なんつーか…空から落ちてきたんだ、あの船と一緒に」
「血だらけじゃねぇか!」
「おう、少し診てやってくれねぇか」
さすがこの船の船医、間髪入れずに頷いて医務室へ運ぶよう言われた。…改めて見ると、酷い傷だ。鼻血を出して、目の上がパックリと裂けていた。女の子なのに、顔に傷が残っちまったらどうすんだよ…
ベッドに寝かせ、チョッパーが手当てを始める。聞けば、目の上の傷は残らないんだと。内心息をつき安心すれば外からナミさんのを呼ぶ声が。この子のことはチョッパーに任せて医務室を後にした。
05.一難去って、また一難
(船長はこの子、どうすんのかねェ)
しかしこの悲しさもどこへやら、アラバスタでは敵対していた美しのお姉さま、ロビンちゃんの登場により今は穏やかに落ち着いている。
ナミさんの完璧な航海術とロビンちゃんの底知れない知識により次の島は秋島だと分かった。うん、うちの女性陣には頭が上がらねぇな、美しいし、本当に素敵だ。……そうだ、秋島に行くんだから秋に旬な食材でも使ってスイーツでも作ろうか。もちろん、ナミさんとロビンちゃんには特別豪華にするつもりさ。
そう決めてキッチンへと足を動かしたとき。
_______コツ、コツン
「……?雨、じゃあねぇな……」
「あられか……?」
メリー号に何かが当たった。音からして雨じゃねぇと思うが……あられもないだろう。今から向かうのは秋島だから、そこまで気温は低くないはずだ。ならいったいなんだ…?
うっかり、咥えていた煙草を落とすところだった。
空から船が、ガレオン船が、降ってきた。
_____いや、落ちてきたんだ。メリー号よりも何倍もでかい、ソレが。
そのまま海へと勢いよく叩きつけられたガレオン船はメリーを揺らすには十分すぎた。
「何!?これ何!!?ねェ何!!!?」
あぁ、涙を溜めて悲鳴を上げるナミさんも素敵だが、今は彼女たちの安全を確保しねぇと…!未だに降り注ぐガレオン船の破片に目を向ける。
「まだなんか降って来るぞ!気をつけろ!!!」
そう言い、ルフィと共にメリーを守るべく落ちる破片を睨むように見つめていると、何か、破片とは全く別速度で落ちてくるものが目に留まった。
なんだあれ……?明らかに他の破片より落ちる速度が速い。……だんだん近づいてくる。はっきりと見えてくる。……あれ、……おいおい、嘘だろ……!?
「ルフィ!!人だ!!女の子が落ちてくる!!!」
「ひとぉ!?どこだ!?」
「甲板のど真ん中だ!!いいか、ぜってぇに傷つけんじゃねぇぞ!!完璧に受け止めろ!!!」
「おう、任せろ!!」
ルフィはそう言うと俺の言った通り空を見上げながら甲板の中央へ走っていく。そしてお得意の砲弾を跳ね返すとき同様、身体を膨らませて受け止める。……だが、やばい、勢いが良すぎて跳ね返っちまった。
「うぉ、やべぇ!!」
クッソ、レディを傷物になんかできるか……!!!吹っ飛んでいく女の子を追いかけて、海に落ちる寸前で細い手首を捕まえる。力を込めてしまえばぽっきりいってしまいそうだが、ここで力を抜けば彼女は海の中。すまねぇ、我慢してくれ……!
軽々引きあげることができた彼女を抱きとめる、が。
あろうことか、彼女の顔は血だらけだった。
「おいルフィ、てめぇ傷つけんなって言っただろうが!!」
「俺何もしてねぇよ、最初っから血ぃ出てたんだ!」
「はァ!?んじゃなんで、っ!!」
彼女を受け止めたルフィに詰め寄ろうとしたが、目の前にでかい破片が落ちてきた。っあっぶねぇ…!今はこの子を守ることを優先した方がよさそうだな……!
俺は揺れと破片の落下が収まるまで腕の中の彼女を、きつめに抱きしめた。
_____ザザァ、ザザァ__
さっきのことなどなかったように、波は穏やかになっていた。空から落ちて来る破片も収まり、船の中には落ち着きが戻っていた。が、俺はそれどころじゃねぇ。未だに血を流す彼女を早くチョッパーに診せなくては。
ゆっくりと、揺らさないようにウソップと抱き合い震えている我らが船医、チョッパーの元へ彼女を運んだ。
「サンジくん、その子、どうしたの?」
「あぁナミさん。なんつーか…空から落ちてきたんだ、あの船と一緒に」
「血だらけじゃねぇか!」
「おう、少し診てやってくれねぇか」
さすがこの船の船医、間髪入れずに頷いて医務室へ運ぶよう言われた。…改めて見ると、酷い傷だ。鼻血を出して、目の上がパックリと裂けていた。女の子なのに、顔に傷が残っちまったらどうすんだよ…
ベッドに寝かせ、チョッパーが手当てを始める。聞けば、目の上の傷は残らないんだと。内心息をつき安心すれば外からナミさんのを呼ぶ声が。この子のことはチョッパーに任せて医務室を後にした。
05.一難去って、また一難
(船長はこの子、どうすんのかねェ)