in JAYA
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ジャヤに着いて数時間、俺たちは町を探索していたロビンの情報により対岸へ向かって船を進め、そこにいるといわれているはみ出し者、”モンブラン・クリケット”に会いに来ていた。
しかし対岸に着いたはいいもののそこには半分崩壊した家に張り付けられてる城のはりぼてだけしかなかった。俺たちは勝手にその島に上がって何か空島への手掛かりがないか探していた。勇敢な海の戦士たるもの、こんなところで怖がってはいられないのだ!
_____と意気込んだのもつかの間、はりぼての家の前に置いてあった絵本がまぁ気持ちよくねェ話で、しかもその主人公がうそつきと来た。その絵本を読み上げ終わったナミに憐みの目を向けられるわ散々だった。ルイもルイでなんか考え込んでる顔してるしよォ、なんだよお前もナミみてェな事言うのか!?
まだ一味に加わって日は浅いものの、こいつの辛辣さと野蛮さは既に把握済みでどんな言葉が飛んできても最低限の傷で済むように構えていると、酷い叫び声と共にザブンと水に何かが沈む音がした。
嘘だろ、あんな潰れたカエルみてェな声出すのは俺かルフィかチョッパーかルイくらいしか…って結構いるな………しかし!俺の目に見える場所にチョッパーとルイがいる、そしてさっきルフィが海面を覗いてたってことは100%海に落ちたのはルフィだぁぁぁ!!
音のした背後を勢いよく振り返った時、人のような影がこれまた水音を立てて上がってきた。ルフィはカナヅチだから絶対あいつじゃねェってことはわかる!誰だ!!
「てめェら誰だ!!!」
ルフィの代わりに海面から姿を現したのは、頭に栗がのっかったオッサンだった。
「おいウソップ、ルフィを拾っとけ!!」
オッサンの頭の栗を呆然と見ている俺とは違って得体の知れない人物の登場にサンジは既に警戒体制へ。ちらりと後ろのナミに視線を投げればルイの傍に駆け寄るのが見え、それを確認してから海へ身を投げた。
ごぼごぼと抵抗なく沈んでいくルフィはそれほど深くにはいってないようで直ぐに捕まえることができた。っつっても、カナヅチのこいつにとっては多分死にそうな程長い時間だと思う。急いで首に腕を掛けて海面へ上昇する。
「何やってたんだ、お前一体…!!」
「ウ…海がら…ゲホ!!泡が出てたからよ、ケホッ…海覗いてたら急に栗が出てきて…!!栗は実はおっさんで…海に引きずり込まれて…」
岸にルフィの体を置いて先程の事態はどうなったのかと見てみれば、ルイの足元でおっさんが倒れているのが映った。……おい、マジか。
「……いくら何でもお前、殺すなよ…」
「殺してねぇ!チョッパー死んでないっつってた!」
いつになく動揺したルイは珍しかった。まぁチョッパーが言うならほんとに死んでねぇんだろうけど…いやしかし、あの強そうなオッサンを一人でやったのか?ゾロもサンジもいるっつーのに。………改めて思った、こいつはとんでもねェ女だ。
サンジが倒れこんだオッサンを担いでさっきルフィが勝手に入ってったあのはりぼての家に入ってくのを見て、俺らもついていこうとしたとき、
「ん?」
パシりと手首を掴まれ振り返れば、ナミが神妙な面持ちで俺を見つめていた。……おいおい、水も滴るいい男って言いたいのか?やめろよ、そんなわかりきったこと言っても1ベリーもでねェぞ?
「ルイが…笑った」
「………は?」
仕方ない、さっきまで海に潜ってたんだ。耳に水が入り込んで聞こえにくくなってんだ。………誰が笑ったって?ルイ?あの鉄仮面の?あいつが笑ったって?
………………………
「はぁぁああ!!?」
驚きすぎた俺の体は声の大きさを抑えることを完全に忘れた。いや、今はそんなことどうでもいい。今問題なのはあのルイが笑ったってことだ。突然空から落ちてきてジャヤに着く5日間はもちろんさっき仲間になった時も、ココに移動してくる時も、にこりとも笑わなかったあいつが笑った………!?おいおい、明日は大嵐だぞこりゃ!!
「う、嘘じゃねェよな…?」
「こんなしょーもない嘘つくわけないでしょ!?この目で確かに見たのよ、あの子が笑ってるところ!」
ナミの顔がもの語ってる、これは嘘じゃないって。俺の頭の中はゾロに負けず劣らずな仏頂面のルイが映しだされている。しかしその顔が”笑顔”に歪むことはない。歪むとしたらサンジの行動に対する軽蔑の視線だとか、目を細めるときの顔だとか。口元が弧を描くなんて微塵もない。それがなんだ、俺が海に潜ってる間にルイが笑ってたっていうじゃねェか!クソゥ、ルフィ助けてる場合じゃなかった…!!!
「惜しいもん見逃したっ…!」
「もったいないわねぇ」
すっげードヤ顔してくるナミを人睨みしてからルイが入っていった家を見つめる。それからその顔を頭に浮かばせて無理矢理に笑顔を作らせる。………………なんとも恐怖しか湧かない顔になったからもうこれ以上想像するのはやめとこう。
「ナミ、ウソップ。さっさとそのゴム連れてあんた達も手伝って」
いつまで経っても俺たちが家に入ってこなかったからだろうか、話題になっている本人がひょっこりと顔を覗かせてこちらを見ている。うん、やっぱ仏頂面。俺の中のルイという女に笑顔が追加される日はいつになるんだろうなァ。
頼んでも絶対に笑ってくれねェのは分かってるから、気長に待つことにした。
20.彼女の口角が少しでも
(上がるのを見る日はあるのか…)
しかし対岸に着いたはいいもののそこには半分崩壊した家に張り付けられてる城のはりぼてだけしかなかった。俺たちは勝手にその島に上がって何か空島への手掛かりがないか探していた。勇敢な海の戦士たるもの、こんなところで怖がってはいられないのだ!
_____と意気込んだのもつかの間、はりぼての家の前に置いてあった絵本がまぁ気持ちよくねェ話で、しかもその主人公がうそつきと来た。その絵本を読み上げ終わったナミに憐みの目を向けられるわ散々だった。ルイもルイでなんか考え込んでる顔してるしよォ、なんだよお前もナミみてェな事言うのか!?
まだ一味に加わって日は浅いものの、こいつの辛辣さと野蛮さは既に把握済みでどんな言葉が飛んできても最低限の傷で済むように構えていると、酷い叫び声と共にザブンと水に何かが沈む音がした。
嘘だろ、あんな潰れたカエルみてェな声出すのは俺かルフィかチョッパーかルイくらいしか…って結構いるな………しかし!俺の目に見える場所にチョッパーとルイがいる、そしてさっきルフィが海面を覗いてたってことは100%海に落ちたのはルフィだぁぁぁ!!
音のした背後を勢いよく振り返った時、人のような影がこれまた水音を立てて上がってきた。ルフィはカナヅチだから絶対あいつじゃねェってことはわかる!誰だ!!
「てめェら誰だ!!!」
ルフィの代わりに海面から姿を現したのは、頭に栗がのっかったオッサンだった。
「おいウソップ、ルフィを拾っとけ!!」
オッサンの頭の栗を呆然と見ている俺とは違って得体の知れない人物の登場にサンジは既に警戒体制へ。ちらりと後ろのナミに視線を投げればルイの傍に駆け寄るのが見え、それを確認してから海へ身を投げた。
ごぼごぼと抵抗なく沈んでいくルフィはそれほど深くにはいってないようで直ぐに捕まえることができた。っつっても、カナヅチのこいつにとっては多分死にそうな程長い時間だと思う。急いで首に腕を掛けて海面へ上昇する。
「何やってたんだ、お前一体…!!」
「ウ…海がら…ゲホ!!泡が出てたからよ、ケホッ…海覗いてたら急に栗が出てきて…!!栗は実はおっさんで…海に引きずり込まれて…」
岸にルフィの体を置いて先程の事態はどうなったのかと見てみれば、ルイの足元でおっさんが倒れているのが映った。……おい、マジか。
「……いくら何でもお前、殺すなよ…」
「殺してねぇ!チョッパー死んでないっつってた!」
いつになく動揺したルイは珍しかった。まぁチョッパーが言うならほんとに死んでねぇんだろうけど…いやしかし、あの強そうなオッサンを一人でやったのか?ゾロもサンジもいるっつーのに。………改めて思った、こいつはとんでもねェ女だ。
サンジが倒れこんだオッサンを担いでさっきルフィが勝手に入ってったあのはりぼての家に入ってくのを見て、俺らもついていこうとしたとき、
「ん?」
パシりと手首を掴まれ振り返れば、ナミが神妙な面持ちで俺を見つめていた。……おいおい、水も滴るいい男って言いたいのか?やめろよ、そんなわかりきったこと言っても1ベリーもでねェぞ?
「ルイが…笑った」
「………は?」
仕方ない、さっきまで海に潜ってたんだ。耳に水が入り込んで聞こえにくくなってんだ。………誰が笑ったって?ルイ?あの鉄仮面の?あいつが笑ったって?
………………………
「はぁぁああ!!?」
驚きすぎた俺の体は声の大きさを抑えることを完全に忘れた。いや、今はそんなことどうでもいい。今問題なのはあのルイが笑ったってことだ。突然空から落ちてきてジャヤに着く5日間はもちろんさっき仲間になった時も、ココに移動してくる時も、にこりとも笑わなかったあいつが笑った………!?おいおい、明日は大嵐だぞこりゃ!!
「う、嘘じゃねェよな…?」
「こんなしょーもない嘘つくわけないでしょ!?この目で確かに見たのよ、あの子が笑ってるところ!」
ナミの顔がもの語ってる、これは嘘じゃないって。俺の頭の中はゾロに負けず劣らずな仏頂面のルイが映しだされている。しかしその顔が”笑顔”に歪むことはない。歪むとしたらサンジの行動に対する軽蔑の視線だとか、目を細めるときの顔だとか。口元が弧を描くなんて微塵もない。それがなんだ、俺が海に潜ってる間にルイが笑ってたっていうじゃねェか!クソゥ、ルフィ助けてる場合じゃなかった…!!!
「惜しいもん見逃したっ…!」
「もったいないわねぇ」
すっげードヤ顔してくるナミを人睨みしてからルイが入っていった家を見つめる。それからその顔を頭に浮かばせて無理矢理に笑顔を作らせる。………………なんとも恐怖しか湧かない顔になったからもうこれ以上想像するのはやめとこう。
「ナミ、ウソップ。さっさとそのゴム連れてあんた達も手伝って」
いつまで経っても俺たちが家に入ってこなかったからだろうか、話題になっている本人がひょっこりと顔を覗かせてこちらを見ている。うん、やっぱ仏頂面。俺の中のルイという女に笑顔が追加される日はいつになるんだろうなァ。
頼んでも絶対に笑ってくれねェのは分かってるから、気長に待つことにした。
20.彼女の口角が少しでも
(上がるのを見る日はあるのか…)