in JAYA
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「着いたわ、地図の場所。ここに例の…誰だっけ?」
「モンブラン・クリケット」
「__その夢を語る男が住んでるのね?」
「「す……すげェ!!!」」
カンカンと板を打ち付ける音が止んだ頃、あたしたちが乗っている船は地図に記してあった目的の場所、東の海岸____モンブラン・クリケットが住んでいるという場所へやってきた。……着いたのはいいけど…なんだろ、ルフィとウソップが凄いっつーのもわかる。
「あれがそいつの家なのか!!?」
「スッゲー金持ちなんじゃねェのか!!?」
…うーわー、見事に信じ切っちゃてる。これがそのモンブランが住んでる家なの?あたしはこの馬鹿2人とは同じように信じらんない、だってこの家はりぼてだし。真正面から見たら本当に豪邸みたいに見えるけど、横から見たら家は半分だけでもう半分はあの豪邸に見える板が貼られている。
モンブランは何がしてぇの?つか家半分どこやったの。台風かなんかで吹っ飛んだっつーならこの世界に来る台風はあたしの知ってる台風の規模をはるかに超えてるけど。
「一体どんな夢を語って町を追われたの?」
「詳しくはわからないけど……このジャヤという島には莫大な黄金が眠っていると言ってるらしいわ」
「黄金!!?」
黄金って、そんなのナミに聞かせたらどうなるか……!なんて心配も遅くて、すでにチョッパーに穴を掘らせていたからもう手遅れ。怒らすと鬼になる以外にお金にも目がないって学習しました。ロビンが言うことはなんかガチっぽいから簡単に信じちゃうんだって、ナミは。ルフィとかウソップもあほだから。
あたしはというと黄金なんて言われても元居た世界は頻繁にそんな言葉使ってなかったし現実味がないんだよね。だからあんまり信じてない。馬鹿じゃないから。
黄金探しなんてやるはずないしやることもないからナミにパシられてるチョッパーの横にしゃがんで経過を眺めることにした。
「あ、ルイ!掘ったら黄金出てくんだって!一緒に掘ろう!!」
「あーうん、汚れるしいいわ」
「そっか、ならお前の分も俺掘るな!」
ナミマジで鬼だな、こんな純粋な奴を利用するなんて。掘れなんていうからこいつ掘ったら出てくるって思ってんじゃん。これで出てこなかったら謝んなきゃいけねぇからな。隣のあたしに土を掛けないように掘り続けるチョッパーがなんか健気で可哀想になってきた。あまりにも可哀想だから段々深くなる穴をずっと見つめといた。
「絵本……ずいぶん年季の入った本ね。”うそつきノーランド”だって」
穴に向けていた視線をナミに移して手に握られている古い本を見る。この世界にも絵本なんてモンあんだなぁ、少し聞きなれた言葉にホッとする。絵本ならあたしだってちいせぇ時に読んでたし。どんなんだろ、少し見てみよっかな。
無我夢中で黄金を掘り続けるチョッパーの元を後にしてナミの近くに行く。でもナミはサンジとなんか話してるみたいで。……ん?なんかこっち見てんだけど何?しかもウソップも見てくるしもうほんとに何。
「……そういえばルイって空から落ちてきたけど、どこの海出身とかはわかるの?」
「は?海?」
「そうそう、俺らはほとんど”東の海(イーストブルー)”出身でよ」
「いーすと、え?何?」
聞いたこともない単語に頭があんまり回んない。いーすとぶるーって何、あたしにもちゃんとわかるように説明してよ。わかんないんですけど。
「もしかしてそういうのもわかんない?」
ヤメロ。あたしが悪いみたいに言うのやめろサンジ。もともとこっちの世界の人間じゃないしなんちゃらブルーなんて初めて聞いたし、そもそもブルーって何、何を意味してるのかすら分かんないわ。
「うん、なにそのなんちゃらブルーって」
「お前まじか!?ブルーっつーのは海のことで、’東’’西’’南’’北’の4つの海に分かれてんだ」
「へぇ、そうなんだ」
ウソップ悪い、説明してくれたのは嬉しいけどあたしが知ってる海は3つしかないからわかんないわ、ほんとすまん。太平洋っつってわかるとも思えない、あたしみたいに「タイヘーヨーって何」ってなるだけなのが目に見えてわかる。
説明をされて尚答えないあたしに4人は不思議そうに見つめていて。…どっかで日本って一番東にある国って聞いたことある。だから”東の海”っつーことになるのか?うん、多分、あってる。こっちの世界での日本が”東の海”ってことだろ、うん。そういうことにしよう。
「……多分、”東の海”、かも……?」
「え、ほんと!?なんだそうなら早く言ってよ、私たちと一緒じゃない!」
「そうだぞルイ!よし、お前の身元もわかったわけだしルフィとゾロにも知らせよーぜ!」
「え、別にそんなに大ごとすることでもなくない?」
「なにいってんだ!ロビン以外は”東の海”から来たんだぞ!知らせたらルフィもゾロもきっと喜ぶよ!!」
あたしが”東の海”って言っただけでこんなにも広められんの?ナミとウソップは凄い嬉しそうにしてるし、チョッパーは止めるあたしを説得しようとしてるし。ルフィはともかくゾロは微塵も喜ぶ素振り見せねぇと思うけど……
「”東の海”にルイちゃんみたいな麗しの少女がいるなんて……なぜ俺は気づかなかったんだ……!自分が憎たらしい!!」
…金髪キモ男はほっといてあたしの限りなく嘘に近い話を他2名に話に行こうとするナミ、ウソップ、チョッパーの3人の思考を別のものに変える為頭を働かせることにした。こんなことになんなら憶測でもの言うんじゃなかった、太平洋ですって素直に言っときゃよかった。
どうしたもんか、こんな嘘を広められたら信用がた落ち間違いなしだし、うんん……
「……あ、なぁ!そんなことよりナミが持ってる本、どんな話なんだ?気になんねぇ?」
「ん?あぁ確かに、この本も気になんなぁ」
サンキュー絵本!お前が助けてくれんのは夜寝付けないガキだけじゃねぇんだな!あたしが縋る思いで腕の中のソレに意識を向けさせようとしたら、4人は簡単に意識を絵本に移した。実際あたしも少し気になってわけだし?ちょうどいいじゃんあわよくばしょーもない嘘も忘れてください。
「とりあえず読んでみましょうか」
サンジはその話をもうすでに知ってるみたいで、ナミのその声にあたしたち3人は耳を傾けた。
18.違うんです
(日本はそこだと思ったんです)