in JAYA
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「っっはぁ~~~…………」
ルフィ達に一方的な別れを告げて少し、ほんっっの少しだけ後悔というか寂しいというかよくわからない感情を抱きながらジャヤという、あたしが元居た世界となんら変わらない場所で働き口を探していた。酒屋が多いから手当たり次第に入ってるけど服装のせいなのか見た目のせいなのか、断られるというか追い返されてばかり。そして時には「いくらだ?」なんてクソみてぇな誘いをしてくる輩もいて、ほんと、ぶっ飛ばしてやろうかと思った。前より短気じゃなくなっててあたし偉くね?
しかし参った。どこも雇ってくれないとなると金が稼げなくてまともに生活もできない、死ぬってことじゃん。あー、うん、あたしがいらないってことはわかってんだよわかってんだけど、今死んだらここまで送ってくれたあいつらに申し訳が立たねぇ。だから少しでも、あたしだってここに居んだって爪痕を残せるように。
「お!!お…お客様っ!!お客様困ります!!勝手に入って頂いては…」
「あ?」
「と…当’トロピカルホテル’は只今ベラミー御一行様の貸し切りとなっておりますので…」
「ホテル?」
顔を上げるとなんか今までの町並みとはガラっと変わった雰囲気の、こじゃれた部屋がたくさん並んでいた。目の前の動きが忙しないオッサンが言った通りいつの間にかホテルらしき場所に入ってしまっていたらしい。
異様に静かだと思ったら誰だっけ、’べラミー’とかいう奴が貸し切ってるっつってたな。…ホテル?今まで酒屋しか声かけてなかったけどこのホテルはもしかしたら働かせてくれるかもしんない。
「なぁ、あたし今仕事探してんだけど……」
「おい次は誰だよ」
「サ、サーキース様……っ!」
ホテルのコンシェルジュであろう声を掛けてきた男に働かせてくれと頼もうとしたとき、その背後で髪の長いルフィやゾロよりもはるかに背の高い男が出てきた。おかげでコンシェルジュはビビってあたしの言葉なんて聞こえちゃいねぇ。気取りロン毛野郎、人の就活邪魔すんなよ。
「あ?なんだ女じゃねぇか。どうした、抱かれにでも来たか?生憎ここはラブホじゃねぇんだよ、ごめんな?」
ロン毛は人の話なんて聞かず段々近づいてくる。いつの間にかコンシェルジュは消えていて、この場にはあたしとこいつのみ。なんか遠くのホテル内でニヤニヤとこちらを見つめる目が複数。多分だけどこのロン毛の仲間。揃いも揃ってしょうもねぇことしてんなよ、あたしより年上だろーが。
不快な言葉と視線に不機嫌さMAXに睨みをきかせていればロン毛の腕があたしの肩に回ってきて、そして耳元に口を近づけてくっさいセリフを吐いた。
「何なら俺が抱いてやろうか?」
ぞわわわっ。全身に鳥肌が立って胃がひっくり返りそう。何を言ってんだこいつは。自分に酔いしれんのも大概にしろ。
吐き気が収まらないあたしは気づけば胸倉を引っ掴んで頭突きをかましていて、
「きっしぇ事言ってんじゃねぇよ気取りロン毛野郎。あたしを抱きたきゃその髪切ってからにしろ」
ゴヅン、とあまり音にならない鈍い音が鳴り響いたけど、痛みはあんまり感じなかった。多分アドレナリンって言うのが出てるからかもしんない。チョッパーが言ってた気がする、アドレナリンが出てるときは怪我してても痛覚が鈍ってるから気づかないって。うろ覚えだけど。
初めてこんな気持ち悪い経験をして、捨て台詞を吐いてからそそくさとその場から離れた。もう絡まれたくないし、もし今あのホテルで就職できてもあいつらにサービス業とかマジで無理。なんかギャーギャー言ってるけど無視。喧嘩は上等だけど無駄にしたくない。怪我しても、もう無償で直してくれる医者はいない。
……まぁ、外れもつきもんだし気を取り直して就活再開しますか。
あれから数時間(くらい)。あたしは未だに就職先を見つけれないでいた。いや、いやあたしは悪くない。この島に酒屋しかないのが悪い。酒屋以外の店なんて思い出したくないランキングに乗るくらいの出来事が起こったあのホテルぐらいだぞ。だからこんなヤンキーっぽい奴しかいねぇのか……なんか納得。
でも諦めん。意地でも探してやる、絶対。
気を取り直してもう一度就活に励んでいるころ。ルフィやゾロ、ナミがあんなことになってるなんてあたしは知らなかった。
13.初めての就活
(面接とか言われたらどうしよう)
ルフィ達に一方的な別れを告げて少し、ほんっっの少しだけ後悔というか寂しいというかよくわからない感情を抱きながらジャヤという、あたしが元居た世界となんら変わらない場所で働き口を探していた。酒屋が多いから手当たり次第に入ってるけど服装のせいなのか見た目のせいなのか、断られるというか追い返されてばかり。そして時には「いくらだ?」なんてクソみてぇな誘いをしてくる輩もいて、ほんと、ぶっ飛ばしてやろうかと思った。前より短気じゃなくなっててあたし偉くね?
しかし参った。どこも雇ってくれないとなると金が稼げなくてまともに生活もできない、死ぬってことじゃん。あー、うん、あたしがいらないってことはわかってんだよわかってんだけど、今死んだらここまで送ってくれたあいつらに申し訳が立たねぇ。だから少しでも、あたしだってここに居んだって爪痕を残せるように。
「お!!お…お客様っ!!お客様困ります!!勝手に入って頂いては…」
「あ?」
「と…当’トロピカルホテル’は只今ベラミー御一行様の貸し切りとなっておりますので…」
「ホテル?」
顔を上げるとなんか今までの町並みとはガラっと変わった雰囲気の、こじゃれた部屋がたくさん並んでいた。目の前の動きが忙しないオッサンが言った通りいつの間にかホテルらしき場所に入ってしまっていたらしい。
異様に静かだと思ったら誰だっけ、’べラミー’とかいう奴が貸し切ってるっつってたな。…ホテル?今まで酒屋しか声かけてなかったけどこのホテルはもしかしたら働かせてくれるかもしんない。
「なぁ、あたし今仕事探してんだけど……」
「おい次は誰だよ」
「サ、サーキース様……っ!」
ホテルのコンシェルジュであろう声を掛けてきた男に働かせてくれと頼もうとしたとき、その背後で髪の長いルフィやゾロよりもはるかに背の高い男が出てきた。おかげでコンシェルジュはビビってあたしの言葉なんて聞こえちゃいねぇ。気取りロン毛野郎、人の就活邪魔すんなよ。
「あ?なんだ女じゃねぇか。どうした、抱かれにでも来たか?生憎ここはラブホじゃねぇんだよ、ごめんな?」
ロン毛は人の話なんて聞かず段々近づいてくる。いつの間にかコンシェルジュは消えていて、この場にはあたしとこいつのみ。なんか遠くのホテル内でニヤニヤとこちらを見つめる目が複数。多分だけどこのロン毛の仲間。揃いも揃ってしょうもねぇことしてんなよ、あたしより年上だろーが。
不快な言葉と視線に不機嫌さMAXに睨みをきかせていればロン毛の腕があたしの肩に回ってきて、そして耳元に口を近づけてくっさいセリフを吐いた。
「何なら俺が抱いてやろうか?」
ぞわわわっ。全身に鳥肌が立って胃がひっくり返りそう。何を言ってんだこいつは。自分に酔いしれんのも大概にしろ。
吐き気が収まらないあたしは気づけば胸倉を引っ掴んで頭突きをかましていて、
「きっしぇ事言ってんじゃねぇよ気取りロン毛野郎。あたしを抱きたきゃその髪切ってからにしろ」
ゴヅン、とあまり音にならない鈍い音が鳴り響いたけど、痛みはあんまり感じなかった。多分アドレナリンって言うのが出てるからかもしんない。チョッパーが言ってた気がする、アドレナリンが出てるときは怪我してても痛覚が鈍ってるから気づかないって。うろ覚えだけど。
初めてこんな気持ち悪い経験をして、捨て台詞を吐いてからそそくさとその場から離れた。もう絡まれたくないし、もし今あのホテルで就職できてもあいつらにサービス業とかマジで無理。なんかギャーギャー言ってるけど無視。喧嘩は上等だけど無駄にしたくない。怪我しても、もう無償で直してくれる医者はいない。
……まぁ、外れもつきもんだし気を取り直して就活再開しますか。
あれから数時間(くらい)。あたしは未だに就職先を見つけれないでいた。いや、いやあたしは悪くない。この島に酒屋しかないのが悪い。酒屋以外の店なんて思い出したくないランキングに乗るくらいの出来事が起こったあのホテルぐらいだぞ。だからこんなヤンキーっぽい奴しかいねぇのか……なんか納得。
でも諦めん。意地でも探してやる、絶対。
気を取り直してもう一度就活に励んでいるころ。ルフィやゾロ、ナミがあんなことになってるなんてあたしは知らなかった。
13.初めての就活
(面接とか言われたらどうしよう)