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無自覚アブノーマル

「本田、そろそろ起きろ。朝ご飯できたぞ。」
「…んぁっ‼︎」
「お前は人の家でよく寝るなぁ…。」
寝癖のついた本田を見て、黒崎は呆れた声を出した。
昨日は金曜日だったので黒崎の家でやって、その後そのまま寝てしまった。
「黒崎さん…激しいんですよー!」
「…嫌になったならやめるか?」
黒崎はこちらに背を向けたまま、朝食の準備をしながら聞いてきた。
「んー…まぁ…まだ大丈夫です!卵も焼いてくれました?」
ちょっと迷うが、昨日の黒崎の赤い顔が頭から離れない。
急な質問に動揺して、結局大丈夫だと答えてしまった。
「…ふっ、そうか。焼いたぞ。」
「…ありがとうございます。黒崎さん卵焼き上手いですよね〜。」
俺の返事を聞くと、黒崎は何処かホッとした顔をしていた。
自分から聞いておいて、変な人。
「本田、ちゃんとお茶も飲めよ。朝は水分だぞ。」
「はいはい。あれ、てか黒崎さん、もう着替えたんですか?」
よくよく見ると、黒崎はもう着替えている。
「?仕事ですか?」
心なしか、いつもよりかっちりしている。まだ私服2回しか見た事ないけど…。
「今日は商品展覧会を見に行く。」
「あー。休みの日も熱心ですね。」
「知識ないと提案で他社には勝てないぞ。」
「ですね…。」
黒崎は若いのに課長職をやっている。
なんでも手際良くこなすイメージがあるが、こうやって影で努力してるんだ。
偉いなぁ…。
「……本田も行くか?」
「え?」
まさか誘われはとは思って無かった。
全くの他人事で聞いていたため、間の抜けた声を出してしまった。
行為以外で誘われるとか意外だ。
いや、そう言う事か…。
「…まさか、黒崎さん!それは、何かあれですか⁈そういうプレイですか?」
「…は?」
「だって、黒崎さんが何の意味もなく俺を誘うわけないじゃないですか⁈後ろになんか入れさせて…ですね⁈流石!どS‼︎」
ちょっと興奮するなそれ。
俺は息を乱して黒崎に迫った。
そんな俺をすわった目で見ていた黒崎は、何故かハァとため息をついた。
「……バイブとローターどっちにする?」
そして聞いてくる。
「どうしよう…。ち、乳首に付けるとか?」
「流石にバレるだろ。馬鹿っ。」
「…え。ですかね?」
ドキドキしながら提案してしたが、黒崎に冷たく一掃された。
ちぇ。単独なら一番いい塩梅で気持ちいいんだけどなぁ。
「本田もすぐへばるからなぁ。変態プレイやってやる代わりに、今夜も付き合ってもらうからな?体力残しとけよ。」
相変わらずのプロテインを飲みながら、黒崎は上から目線だ。
しかし今夜もって…昨日あんだけしたのに…、タフやな。
「黒崎さん性欲の塊ですね〜。俺とやる前はどうしてたんですか?」
「走ったりとか?運動したら多少は治るからな。」
「え!まじですか!」
ふむと考え込む。
今がキツすぎるから、ちょっと走って消耗させた後にやればちょうど良くならないか?
俺はプロテインを飲みながら、経済誌を読む黒崎をじっと見つめて考えた。
「なんだよ。」
こちらの視線に気づいた黒崎が眉を寄せる。
「いえ。あの…俺、最近運動不足で、今夜もやるなら、展示会後ちょっと走ってからやりませんか?」
「いいけど。ちんたら走ってたら置いて行くからな。」
「は〜い。」
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