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無自覚アブノーマル

(凄く良い案に思えたけど、いやきっと良い案なんだけど…) 
「…ふっ、…んっはぁっ、はぁっ、」
本田は黒崎に跨ったまま震えた。
ぺたんと足をついてしまったため、深く咥え込んでしまった。
「腰止めるな」
それを黒崎が咎める様に腰を揺する。
「っ、…ぁっ、」
(こんなはずでは…)
ぐりっとまた良いところに当たり、仰反る。
軽く達してしまった。
それを見て、ベットに座る黒崎が口の端を上げる。
「ほら、止まってるって。」
「あっ、あっ、あぁっ、今っ、…っやめっ」
腰を掴まれ、ぐりぐりと奥をせめられる。
「おら、いってないで、しっかり動けよ。俺が出すまで終わらないからな。」
黒崎は本田が付けている首輪から伸びるリードを引いて急かす。
「ふっ、」
黒崎は想像以上だった。
あの時、2割と言っていた意味が分かった。
確かに、あれは黒崎の本性からしたらほんのお遊びみたいな行為だったのだろう。
本田のものにはプラグさされており、出すに出せない。
その上両手は一括りにされている。
「…っ、あ、も、もう…」
「こら。手はどうするんだっけ?」
「っ」
衝動的に尿道に刺さるUプラグを抜こうとすると、言葉で制されて唇を噛む。
本田の手は一括りになっているが、前で縛られているので触ろうと思えば自身に触れる。
歯痒い。
黒崎はこういうのも好きらしい。
完全に縛るのも好きみたいだが、出来るのに出来ない、楽になれるのになれない。その狭間で消耗する様を愉しそうに見ている。
「ははっ、別に良いんだぞ。その代わり、勝手に抜いたら乳首にローター付けるから。」
「ふぎゅっっ‼︎」
愉しげに笑いリードを引いて本田を引き寄せると、本田の乳首を甘噛みする。
「あっ、ごめっなさいっっ!〜〜っ!やめてっ、ちくっ乳首、ダメっ…っ!やだっ!…っそこでいくのやだっっ〜〜〜っ!」
ぎゅっと本田の足先が丸まり力が入る。中イキしてしまった。
情けない事に胸の感動が人一倍高い。深谷のせいだ。
しかも乳首の刺激で行くのが一番屈辱的だ。
屈辱的で一番興奮する。
だから嫌だ。
「ふっ、ここが1番気持ち良さそうだし、弄ると具合が良くなるよな。」
「あっ、」
「ほらっ、早く出したいんだろ?」
「にゅっ、…っやめてっ…っ」
「ふっ、」
ニヤニヤと笑う黒崎は一向に止めそうにない。
カリカリと乳首を噛まれて、芯を持つと潰す様に舐められる。
「わかっつ、動く…っ、動きますっっ!」
「はやく。」
「ふっ、」
カクカクとした動作で本田は動く。
黒崎に近距離でじっと見つめられて恥ずかしい。
「はは、乳首、片方だけ真っ赤。」
「ふゅっ!〜〜〜っ!」
指先でカリカリと乳首を弄れる。
恥ずかしいところを見られる羞恥心が、さらに劣情を掻き立て快感が増す。
「…はっ、黒崎さっ、…んっ」
「…っ、ふ、」
これ以上は辛いが黒崎は余裕そうだ。
本田は駄目押しのキスをした。
しかし意外に効果はあったようだ。
黒崎のものが明らかに反応して、鼻から抜ける甘い息を漏らした。
黒崎はサドっ気あるくせに、何故か甘えられると興奮するらしい。
腰はぎこちない動きのまま、啄む様に口周りにキスをする。
「…っ、……はっ」
黒崎の眉がよって、詰めるような息を漏らした。やっと出たらしい。
「はぁっ、本田…」
今度は首輪ではなく、優しく背中を引かれる。
「恭弥…」
先程の意地の悪い態度から一転、最愛の恋人へ向ける様な甘い声で名前を呼ばれた。
黒崎の大きな手で、本田の額に張り付く髪をかいてくる。
「良く頑張ったな。」
「ふっ」
そして例の如く、ご褒美みたいな優しいキス。
黒崎も謎だが、自分も謎だ。
なじられる位、このご褒美が気持ちいい。
身体ではなくて、気持ちが快感を拾ってぶるりと震えてしまう。
そして黒崎のものが入ったまま、前にささるプラグが抜かれた。
そのまま黒崎に押し倒され、正常位となる。
「…っ、ぁっ、〜〜〜!」
早々に、ぐりっと適切に奥を刺激され、溜め込んでいたものが一気に出てくる。
「はぁっ、…っあっ、まって、今、…っ、いっ」
待てと言うのに、出したばかりのはずの黒崎は既に臨戦態勢だ。
激しく動き、かぷかぷと鎖骨に噛み付き舌を這わす。
噛まれたところから、ゾクゾクとした快感が這い上がってくる。
そうだった。これもかなり想定外だった事だ。
確かに黒崎は性欲が強い言ったが、強いどころじゃない。
過ぎるほどに絶倫だ。
「…っ、くろ、黒崎さっ、…〜〜っ!」
煩いと言う様に、今度は肩を強めに噛まれる。
(あー、やばいやばいやばいやばい)
気持ち良過ぎる。
自分の変な癖のせいか、実は痛みは快感にすり替わってしまう。
頭では痛いのは嫌だと思うのに、もっと強く噛んで欲しい。
力無くも黒崎を押し返すと、その腕を逆に掴まれてしまった。
「邪魔。」
「ぁっ、〜っ!」
結局その手は頭上に押さえ込まれ、抵抗する術がなくなってしまった。
黒崎は腕を引かれて見えた本田の首筋に舌なめずりをして、またかぷりと噛み付いた。
首筋を噛まれると、急所である為か妙な焦燥感が走り更に興奮してしまう。
またガクガクと達してしまった。
「やめ…っ!」
「やめない。」
「〜〜っ‼︎」
弱いのにまた乳首を噛まれた。
流石にきつくなってきた。
(やっぱり、黒崎とセフレなんて…間違っていた?こいつバケモンやん!)
少し後悔してきた。
上司とこんな、解消しようかな…。
「本田、ふっ、いきっぱなしだな。」
「ふぁっ、〜〜〜っ‼︎」
「苦しい?」
「んゅっっ!」
コクコクと勢いよく頷いた。
それを見て、黒崎は口の端を上げて笑った。
「あー……興奮するな?」
「ぁっ、…っ!」
(なんでやねん!)
黒崎は噛み締める様に言うと、本田の首元に顔を埋めて相変わらず激しく動く。
「〜〜〜っ!…っんっ、…あっ、やめっ、…っ‼︎ひろ、ひろきさんっ!」
「…」
苦し紛れに名前を呼ぶと、黒崎が急に動きを止める。
恐る恐る黒崎を見ると、驚いた顔で目を丸くしていた。
宏輝(ひろき)、それは黒崎の下の名前だ。急に名前を呼ばれたら、ビックリして止まるかと思ったが、やはりその通りだった。
(良かったやっぱり止まった…。)
本田はこの隙にと呼吸を整えた。
そして「もうこの行為もセフレも辞めたい」そう言おうとした時だった。
「……ふっ、ふふ、ははは、何だそれ。」
「?」
黒崎は下を向き笑っていた。
(どうしたんだ?)
顔は見えないが声は嬉しそうで、本田の頭にハテナが浮かぶ。
「はは…」
「!」
笑いながら顔を上げた黒崎の顔は赤かった。
よくよく見たら耳まで真っ赤だ。
歯に噛んで笑っていて、いつもの凛とした様から想像もできない程人間味に溢れている。
きゅん
「…」
そしてその顔を見た瞬間、不覚にもきゅんとした。
馬鹿みたいで自分で自分に戸惑う。
「し、知ってますよ。…名前くらい…」
「…ふっ」
顔を背けた本田を笑い、黒崎は本田にキスを落とした。
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