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ヤンデレ後輩に頼るしかない話

「何でかな…。にこちゃんに会った時、先輩に最初に会った時と同じ感覚を覚えた。にこちゃんは…先輩と同じ匂いがしたんだ。」
後ろから功がのし掛かり、何やらカチャカチャ始める。
「ただ一人、俺を興奮させる匂い。」
「!」
(こ、こいつ!本当最低だ!)
功は自身を取り出すと、犬の二子川の足に擦り付ける。
「ハァハァっ、あぁ、にこ先輩…にこ先輩ぃ…っ!」
(犬に何しやがる!動物虐待‼︎)
「ぎゃんっ!ぎゃんっ‼︎」
吠えて暴れるが、机の脚に繋がれているので限界がある。それでも可能な限りで何とか抵抗する。
「良いよぉー、はっ、にこちゃん…抵抗して!嫌がって!ほら〜、にこ先輩、入れちゃうよ?にこ先輩、もっと頑張って〜。もっと抵抗しないと入っちゃうよ?」
「きゃんっ!」
ガタガタと机が揺れる。
功は犬より犬のように息を乱して、ぐりぐりと自身を二子川の足の間に擦り付けてくる。
(に、にこ先輩って呼んでるしっ!胸糞悪いっ)
やはり、功は犬の二子川に二子川本人を重ね合わせているらしい。
「あははは!やっぱりにこちゃんは正解だったな!はぁー…、無理矢理、にこ先輩を襲ってるみたいで…はぁっ、すっごい、興奮する…っ!はぁっ‼︎」
二子川はめちゃくちゃに暴れた。
そんな攻防をする事数分、のしかかる功が息をつめた。二子川がギクリと身体を硬らせる。
(…さっ!)
足に生暖かいものがかかる。
その瞬間、ゾッと悪寒が背筋を走り抜ける。二子川は驚きと不快感で飛び上がった。
「っ‼︎」
その衝撃でパソコンのモニターが倒れ落ち、功の頭に落ちる。直撃だ。
功はうめき、どさりと倒れる。
(し、死んだ?……………やった‼︎……あ、思わず殺して喜んでしまった。)
正直、功が死んでくれるのは嬉しい。
しかし二子川は未だ犬のままだ。カリカリと首輪を引っ掻くが取れそうにない。
(…)
チラリと後ろを見ると、ずらしたボトムスから自身を覗かせた功が、二子川の腰に抱きついて倒れていた。
(こんな動物虐待サイコにくっつかれて、餓死とか…なんとしても回避したい!)
四苦八苦する事数分後、身体にズキズキとした痛みが走る。
(…っ)
その痛みに目をギュッと閉じると、意識が僅かにとんだ。そして次に目を開けた時、妙な感覚がした。
目を擦ろうとして、
(あぁ、犬の姿でそれは無理か…)
と思ったはずが、5本指の手が目に入った。
「おお!戻った!」
規則性が分からないが、どうやら人に戻れた様だ。
「…まっぱかよ…。」
しかし二子川は全裸で首輪、しかもテーブルに繋がれた何とも危うい姿だった。
ただ、幸いにこれで首輪は取れる。
「…うっ」
「っ!」
そう息をついた時だった。功が小さく呻く。
(生きてやがった!くそが死んどけよ!)
「ぐっ!」
思わずもう一発、二子川はグーで功の頭を殴った。
(本当、胸糞悪い…!)
功はまた唸って、黙った。でも多分死んでないだろう。
二子川的に、功には死んで欲しい。しかし流石に殺す勇気はない。
慌てて功の下から這いずり出る。そもそも犬に自分を重ねて興奮する功だ。こんな姿(全裸)で、功の家を彷徨いる事がバレたら速攻で襲われる。
何とかこのまま、功にバレずにこの家を脱出しないと。
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