ヤンデレ後輩に頼るしかない話
※静流視点
「あれ、珍しいね。功がまだこんな時間まで起きてるの。仕事?」
深夜2時、キッチンで会った功に静流は驚きの声をあげた。
功はにこ先輩関連に時間かけすぎ。
そのせいで最近は仕事はバタついている。しかしそれにしても、要領が異様に良いので、こんな時間まで起きているのはかなり珍しい。
「ははは、そっちは?柚木は?」
「寝た。…てか、やっぱり怪しいな。お前唇に血がついてるぞ。の割に機嫌良いなー」
「ふふ、そお?」
「?」
功は何処か印象がいつもより明るいうえに、珍しくにこにことしている。
ずっと側にいたから分かる。
自分を含め、功が他人へ向ける笑顔は嘘だ。
うまく言い得てられないが、自分が思うに、功は余り他人に興味もないし
他人に感情を動かさない。
そんな奴がこんな風に笑う相手はただ1人。
(遂に見つかったか?不味いな…)
もう少しにこ先輩には頑張ってもらわないと。
あの犬がにこ先輩だとゆずくんにバレた場合、どうなるだろう。
今程、ゆずくんを引き留めることは出来なくなるだろう。
それは困る。
「にこ先輩が来てさ!」
「え⁈病院から?」
とりあえず、功に合わせる。
ゆずくんの問題とは別に、にこ先輩の事を隠していた事が功に露呈する事も不味い。
功にとっては、笑って済ませられない問題だろう。
功の出方を慎重にみる。
「うーん、そう言ってるけど、どうかな?全裸で部屋に倒れてて、裸足だか心配になってみたけど、足の裏は傷もなくて。寧ろ全然汚れてなかったからな。」
「ふーん…」
病院から来たと言う話になっているのか。
静流は考える素振りで間を持たせた。
「……」
「………?こ…っ‼︎」
気がつくと功がじっとこちらを見ていた。その事を聞こうとすると、急に頭を掴まれ顔を覗き込まれる。
功に表情はなかった。
身長はそう変わらないが、無理に引かれた頭皮と髪が痛い。
「静流、にこ先輩の事、何か知っているだろ。」
「…」
「言えよ。」
功は真顔のままそう述べると、その大きな瞳でじっと静流を見る。
(観察されてる…)
功は他人の気持ちにどうこう共感出来ない。しない。
だから代わりに、観察しているようだ。
他人がどう考えて動いて、何をして欲しいのか、じっと観察している。
そんな功に、嘘は十中八九バレる。
「ハァ?意味分かんないー。つか、手を退けろ。こんなの、やり過ぎだ。痛いんだけど。」
だから、自分の感情をすり替える。
嘘を隠そうとするとバレるが、怒りとか
「ふっ、てか、なに?そんなに余裕ないの?」
嘲たりとか。別の気分で自分を上書きする。
「…」
するとそれなりに読みにくくなる様だ。
功は無言のまま表情も変えず、静流をじっと観察した。
「……」
「……」
気を抜くと汗をかきそうだし、思考がコントロール出来なかなりそうだ。
「…あはははは、嘘!ごめんな静流!流石にやり過ぎたな!」
これ以上やっても無駄だと判断したのだろう。
功はその手をパッと離し、笑顔を見せた。
「功はにこ先輩の話となると暴走するするよね〜」
静流は髪をかき上げて整えながら、何でもなかった様に答えた。
「うん。コントロールできなくて苛々するな。」
「まぁ…」
功を裏切らず、上手くにこ先輩を利用しなければ。
「にこ先輩の意識ってもう戻りそうなの?」
「んー、治療はうまくいっている。」
「ふーん。じゃぁ、本当に病院から抜けてきたのかも知れないよな。」
「…まぁ、全裸なのも変だけど、にこ先輩が父親のところに真っ先に向かわなかったのは変だな。」
「…」
功は気づいている様で、確証はないと言うところのようだ。
「にこ先輩のモニターは?病院から出てきたなら、モニターににこ先輩は写っていないだろう?」
「映らなくなったんだよねー。」
「そうか。」
暫し二人の間に沈黙が流れる。
「…静流はにこちゃんをどう思う?」
(あーきた。)
嘘をつくと、後々バレた時に困る。
しかしバラすとゆずくんを縛れない。
静流は暫く思考を回らし、意を決して口を開いた。
「あれ、珍しいね。功がまだこんな時間まで起きてるの。仕事?」
深夜2時、キッチンで会った功に静流は驚きの声をあげた。
功はにこ先輩関連に時間かけすぎ。
そのせいで最近は仕事はバタついている。しかしそれにしても、要領が異様に良いので、こんな時間まで起きているのはかなり珍しい。
「ははは、そっちは?柚木は?」
「寝た。…てか、やっぱり怪しいな。お前唇に血がついてるぞ。の割に機嫌良いなー」
「ふふ、そお?」
「?」
功は何処か印象がいつもより明るいうえに、珍しくにこにことしている。
ずっと側にいたから分かる。
自分を含め、功が他人へ向ける笑顔は嘘だ。
うまく言い得てられないが、自分が思うに、功は余り他人に興味もないし
他人に感情を動かさない。
そんな奴がこんな風に笑う相手はただ1人。
(遂に見つかったか?不味いな…)
もう少しにこ先輩には頑張ってもらわないと。
あの犬がにこ先輩だとゆずくんにバレた場合、どうなるだろう。
今程、ゆずくんを引き留めることは出来なくなるだろう。
それは困る。
「にこ先輩が来てさ!」
「え⁈病院から?」
とりあえず、功に合わせる。
ゆずくんの問題とは別に、にこ先輩の事を隠していた事が功に露呈する事も不味い。
功にとっては、笑って済ませられない問題だろう。
功の出方を慎重にみる。
「うーん、そう言ってるけど、どうかな?全裸で部屋に倒れてて、裸足だか心配になってみたけど、足の裏は傷もなくて。寧ろ全然汚れてなかったからな。」
「ふーん…」
病院から来たと言う話になっているのか。
静流は考える素振りで間を持たせた。
「……」
「………?こ…っ‼︎」
気がつくと功がじっとこちらを見ていた。その事を聞こうとすると、急に頭を掴まれ顔を覗き込まれる。
功に表情はなかった。
身長はそう変わらないが、無理に引かれた頭皮と髪が痛い。
「静流、にこ先輩の事、何か知っているだろ。」
「…」
「言えよ。」
功は真顔のままそう述べると、その大きな瞳でじっと静流を見る。
(観察されてる…)
功は他人の気持ちにどうこう共感出来ない。しない。
だから代わりに、観察しているようだ。
他人がどう考えて動いて、何をして欲しいのか、じっと観察している。
そんな功に、嘘は十中八九バレる。
「ハァ?意味分かんないー。つか、手を退けろ。こんなの、やり過ぎだ。痛いんだけど。」
だから、自分の感情をすり替える。
嘘を隠そうとするとバレるが、怒りとか
「ふっ、てか、なに?そんなに余裕ないの?」
嘲たりとか。別の気分で自分を上書きする。
「…」
するとそれなりに読みにくくなる様だ。
功は無言のまま表情も変えず、静流をじっと観察した。
「……」
「……」
気を抜くと汗をかきそうだし、思考がコントロール出来なかなりそうだ。
「…あはははは、嘘!ごめんな静流!流石にやり過ぎたな!」
これ以上やっても無駄だと判断したのだろう。
功はその手をパッと離し、笑顔を見せた。
「功はにこ先輩の話となると暴走するするよね〜」
静流は髪をかき上げて整えながら、何でもなかった様に答えた。
「うん。コントロールできなくて苛々するな。」
「まぁ…」
功を裏切らず、上手くにこ先輩を利用しなければ。
「にこ先輩の意識ってもう戻りそうなの?」
「んー、治療はうまくいっている。」
「ふーん。じゃぁ、本当に病院から抜けてきたのかも知れないよな。」
「…まぁ、全裸なのも変だけど、にこ先輩が父親のところに真っ先に向かわなかったのは変だな。」
「…」
功は気づいている様で、確証はないと言うところのようだ。
「にこ先輩のモニターは?病院から出てきたなら、モニターににこ先輩は写っていないだろう?」
「映らなくなったんだよねー。」
「そうか。」
暫し二人の間に沈黙が流れる。
「…静流はにこちゃんをどう思う?」
(あーきた。)
嘘をつくと、後々バレた時に困る。
しかしバラすとゆずくんを縛れない。
静流は暫く思考を回らし、意を決して口を開いた。