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逃亡、不可

「ど…あの…そ、それは…」
「針なら」
「えっ…っ!」
「ここだな。」
「…っ⁈ちょっ、ぁっ…〜っ!」

「ここだな」と言って、徐に屈んだ鬼頭は久世の乳首を摘んでぐりぐりと引っ張った。
反射で身をひけば引くだけ痛い。
……あと、若干、変に気持ち良いのが怖い。

「やめっ、て、くださっ〜〜っ!ぅう!」
「ふっ、お前、乳首弱いな。」
「ふっ…っ!あっ…‼︎」

鬼頭の手を引き剥がそうと引っ張るが、全く剥がれそうにない。
鬼頭は久世の反応に気を良くして、更にぐりぐりとそこを攻めた。

「や…っ、ふっ、やめろっ!」
「あ゛?誰に向かってそんな口を聞いているんだ。」
「…あっ!」

反応したものを隠そうと背を丸めると、目ざとく鬼頭に見つかり股間を踏まれた。
本当、踏むの好きだな…。

「うっ、ううっ〜っ!あ゛、やだっ、だ…っ‼︎ふっ〜〜っ‼︎」
「おら、一回いかせてやる。」
「んっ!〜っ!嫌だ嫌だ嫌だ…っ!」

こんなので出したくない。
抵抗するが、相手は足と手を使っている。結局敵わず鬼頭の良いように弄ばれる。

「いけ。」
「〜〜〜っ!!」

嫌らしく歪んだ笑みを浮かべた鬼頭が、支配的に命令してくる。
同時にひときわ強く、ぐりっと乳首を引っ張られ呆気なく出してしまった。

「ははっ、お前は本当にしょうのない奴だな。」
「…はぁっはぁっ…っもっ、なんなんですか‼︎」
「ピアスを付けるかって事だ。」
「え……え?ち、乳首に?なんで…」
「先程の口の利き方と言い、お前の自覚が足りないからだ。」

恐ろしい事をさらりと言われた。
付けるわけねーだろ!

「無理ですよ…そんな…」
「それなら焼ごてだな。」
「…えぇ…そ…そんなの…もっとないでしょ……」

何だこの鬼畜二択。
焼ごてって…根性焼きのレベルじゃない。
発想が悪魔過ぎる。
…いや、こいつ悪魔か。

「…そうか。それなら仕方ないな。」
「…」

鬼頭が勿体ぶってニヤつく。
なんだかもっと窮地に追い込まれた雰囲気…。
鬼頭の次の言葉を慎重に待った。

「もう少し先でもいいと思ったが、契約を結ぶか。」
「契約?」
「俺と契約を結ぶ事で許してやろう。」

直感で分かる。これが一番最悪な選択肢だ。大体鬼頭との契約は悪魔との契約を意味するから、良いはずはない。
あぁ、もう…どうしたら良いのだ。
ダラダラと冷汗が垂れる。
何か、何かどうにか…!

「結ぶ事で今後お前のー」
「鬼頭さん!すみません!」

念のため謝罪を挟むと、久世は勢いよく鬼頭に抱きつきキスをした。
押し倒す勢いでいったが、鬼頭はびくともしなかった。そのため歯がぶつかってカチンと鈍い音がした。ちょっと痛い…。

「…ふっ、…あっ、」

当初は自分がリードしていたキスが、気づけば鬼頭に押される。
頭を抑えられ、くちゅりと舌が絡んでくる。
息遣いで、鬼頭の興奮が分かった。
キスの方が好きなのか。変なの。

「…はっ、鬼頭様、針も焼ごても無理ですが…あの…ちゃんと、えと…た…態度で示します…!」

キスの合間の近距離で、鬼頭の目を見つめて祈るように宣言した。
鬼頭はそんな久世を、考えるようにじっと見つめる。

「だから…勘弁して下さい…。」

まだ鬼頭はじっと久世を見つめたままで何も言わない。
沈黙に耐えきれず、誤魔化す様に久世はまた鬼頭にキスをした。
そのまま首筋に唇を落とすと、顎を引かれてまた口にキスをさせられる。

「そうだな。茶番でも素直なのは良いな。今日のところはお前の誠意を見てやろう。」
「はい。ありがとうございます。」

茶番と言われて内心ギクリとするが、素直に頷く。

そうだそうだ。メモに追加しないと。
『・羽を出して、飛ぶことが出来る。飛ぶ姿は何故か人に見えない。』
…あーーーー、誰かに撃ち落とされればいいのにな、この人。
乳首を開発してやる。と、謎な上から発言をかましてくる鬼頭にイラつきながは、久世はそう願った。
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