逃亡、不可
・赤い目に睨まれると身体を乗っ取られ、操られる。
・人間の欲望が好物(趣向品?)で、それを食べる為に人に紛れ生活している。
・欲望を食べる時、その味?で相手の要求が分かる。
とりあえず、ここまで分かった。
これが自称・悪魔とかいう鬼頭の生態だ。
でもこうやって1つ1つ地道に調べていけば、絶対に弱点があるはずだ。
絶対に暴き出して、この地獄から逃げ出すのだ。
——-
「…うっ、あ゛、ーーーっ!…あっ、やめ、い、ぎましたっ!いぎっ、まっ…っ‼︎」
鬼頭の家はいかにも鬼頭の家って雰囲気。
グレーカラーで統一され必要最低限のものが置かれた部屋のベッドで、今日も今日とて鬼頭に掘られる。
本日はバックです。
既にいったと自己申告するが、鬼頭がそれでやめてくれるはずもない。
へたりとベッドに身体が落ちたのに、尚も腰は離されず今度は押さえつける様に出し入れされる。
寝バック。女の子ともしたことないのに…。いや、普通は出来しないか。
「あ゛っ、も、むりっ、あぐっ…っ!」
「…っ…ふーっ」
「…あ゛ぅっ」
最後、一際奥にねじ込まれて、やっと終わったらしい。
ずぼりと抜かれて、その抜ける感覚でまた少し出た。
こちらを気遣う気持ちなんてあったものじゃない。
や、やっと、終わった…。今日は何回だ?
ふと視線を横に向けると、使用済みのコンドームが5つ無造作に転がっていた。
…どうやら5回のようです。いや、今の合わせて6回か。
名実共に、本当の化物だろ。
「久世」
「…は、ぃ…」
「…きついか?」
え?
珍しく優しくこちらを労る様な口調だった。
そうか。自称・悪魔と言えど、やはり数年、仕事を通して一緒に過ごした仲だ。
少しの情はあるのか。
へたり込んでいた体を起こし、鬼頭を振り返った。
「…あ、」
そして赤い目と目が合った。
「甘えんな。ペットの癖に。」
「!」
カクカクと身体が勝手に動く。いや、動かされる。
気持ち的にはそんなところには絶対行きたくないのに、ベッドに座る鬼頭の足の間に跪く。
そして、またカクカクとした動きで鬼頭のものを口に含まされた。
拒否する感情が確実にあるのに、身体は自ら動く。奇妙で苦痛が伴う感覚だ。
「ゔっ、ぉ゛ぇっ…っ、ふっ‼︎」
「はは、汚ねぇ声出すなよ。」
嫌悪感で吐きそうだ。生理的に吐きそうなのに、普通だったら頭を引いて咳き込むのに、それも許されずひたすら舐める。
そんな久世をみて、鬼頭は酷く楽しげな声で笑った。
じわりと涙がため、懇願の意を込めて鬼頭を見上げた。
「…っ‼︎」
すると鬼頭のものは一際大きくなった。
この人、そっちの人だ。見たまま、イメージ通りの性癖。サドかよ。しね。
「はっ、本当、躾に手間がかかる、なっ…‼︎」
「う゛え゛っっ、ふっ…っ!」
鬼頭は涙目でえずく久世を労るどころか、叱り付け強引に腰を動かした。
メモに追加しないと。
『・人間をペットと呼ぷ。人権は与えない。』
最初は悪魔とか言い出すから、センスない冗談か痛い妄想かと内心馬鹿にしていた。
しかし何にしろ、こいつは悪魔だ。
————-
悪魔がいるなら天使とかいるのかな?
いたら助けてくれないのかな…。
「久世さんっ!」
「うおっ、びっくりした!ごんか。」
そんな事を会社の自販機前で考えていたら、後輩のごんに肩をたたかれた。
「?大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫。大丈夫。どした?」
ごんはへらへらといつも笑っている、大型犬みたいで可愛い後輩だ。
夜遊び仲間だ。
「溜まりました〜。また合コンしたいです!」
「…あー」
なんか言っている事が色々おかしいので、解説しよう。
ごんは下衆だ。
合コンを一晩の相手を探す場所だと思っている。幸いごんは見た目が良いので、女の子はそれについて悪く言わない。しかし主催者としては毎度ヒヤヒヤする。
だって、ごんの思想って凄く失礼だ。
まぁ、でも、自分も女の子と触れ合いたいし、いっかー。
ごんのこういう、何というのか、人を人と思わぬところ、鬼頭を彷彿とさせるよな。
「分かったよ。ちょっと探してみる。」
「わーい!なる早でお願いしますね!」
「お前なぁ…。あんまり酷いと、夏目にチクるからな。」
「え!だ、ダメですよ!それだけは絶対ダメですからね‼︎」
夏目とはごんの上司だ。
ごんは夏目に異様に弱い。
夏目の前だと明らかに良い子ぶっていて、ちょっと笑ってしまう。
「あ、あと、鬼頭さんが久世さんの事探してましたよ。」
「え⁈」
「あ、噂をすれば…鬼頭さーん!」
「‼︎」
「久世さん居ましたよー!」
オロオロとする久世に気づかず、ごんは鬼頭を呼び寄せた。
鬼頭が偉そうにゆったりとした足取りで近寄ってくる。
ジャングルとかの肉食獣の様にゆったりとした足取りだ。
「久世、こんなところに居たのか。」
「そりゃ、休憩くらいはとりますからね。」
う。
ペットも休みますからね!
っという嫌味を込めて言ってみたが、睨み付けられて閉口する。
発言権もなしか。
「久世、今日の夕方、客先から直帰せずに一度オフィスに戻れよ。それか俺の家に直帰」
「…それは、その…なんで。」
なんでって、何するか分かっているが、意味は分からない。
昨日もしたのに、今日もまさかするのか?
鬼頭はバケモンでも、こっちは違う。流石にきつい。
あと今日は金曜日だ。
土曜日になったからって解放される保証はない。
休日まであんな事したくない。休みの日くらいお前の事忘れさせてくれ!
「嫌なのか?」
「……お付き合いさせて頂きます。…でも、自宅には…帰りたいです…。今日中に。」
「お前の態度次第だな。」
「…。」
最悪だ。
「ん?どんな会話ですか?」
「!」
まさか。
ばっと振り向くと、目を丸くして驚きの声を上げるごんがいた。
まさか、まだ居たのか?え、話、聞こえた?
ま、まぁ、あんなの、聞こえたところで、正常な人間なら上司の酒に付き合わされるくらいに思うだろう。
だよな?
「ペットにした。」
「!」
おろおろした後、バレるはずもないとホッと息をついたのも束の間、あろう事が鬼頭は久世の肩を組み意味不明な発言をする。
顔が引きつる。
おいふざけんな。なにを言ってるの?この人。
ごんにまで軽蔑の目で見られてしまう。ごんは普通の、ちょっと下衆い良い子なのに。
「えー!まじすか⁈いいなー!」
「…え?」
『いいな』?
よく見ると、ごんの目はキラキラとしている。何というか、羨望の眼差し。
真っ直ぐと、まるで戦隊ヒーローを見る子供の目のよう。
「良いだろう。」
「流石、鬼頭さん!パネェっす!どうやったんですか?」
「まぁ、それは今度教えてやろう。仕事外では調教に忙しいからな。」
「調教w!いいな、いいな‼︎」
自慢気な鬼頭と、尊敬の眼差しのごん。
そんな二人を久世はポカンと見つめた。
・人間の欲望が好物(趣向品?)で、それを食べる為に人に紛れ生活している。
・欲望を食べる時、その味?で相手の要求が分かる。
とりあえず、ここまで分かった。
これが自称・悪魔とかいう鬼頭の生態だ。
でもこうやって1つ1つ地道に調べていけば、絶対に弱点があるはずだ。
絶対に暴き出して、この地獄から逃げ出すのだ。
——-
「…うっ、あ゛、ーーーっ!…あっ、やめ、い、ぎましたっ!いぎっ、まっ…っ‼︎」
鬼頭の家はいかにも鬼頭の家って雰囲気。
グレーカラーで統一され必要最低限のものが置かれた部屋のベッドで、今日も今日とて鬼頭に掘られる。
本日はバックです。
既にいったと自己申告するが、鬼頭がそれでやめてくれるはずもない。
へたりとベッドに身体が落ちたのに、尚も腰は離されず今度は押さえつける様に出し入れされる。
寝バック。女の子ともしたことないのに…。いや、普通は出来しないか。
「あ゛っ、も、むりっ、あぐっ…っ!」
「…っ…ふーっ」
「…あ゛ぅっ」
最後、一際奥にねじ込まれて、やっと終わったらしい。
ずぼりと抜かれて、その抜ける感覚でまた少し出た。
こちらを気遣う気持ちなんてあったものじゃない。
や、やっと、終わった…。今日は何回だ?
ふと視線を横に向けると、使用済みのコンドームが5つ無造作に転がっていた。
…どうやら5回のようです。いや、今の合わせて6回か。
名実共に、本当の化物だろ。
「久世」
「…は、ぃ…」
「…きついか?」
え?
珍しく優しくこちらを労る様な口調だった。
そうか。自称・悪魔と言えど、やはり数年、仕事を通して一緒に過ごした仲だ。
少しの情はあるのか。
へたり込んでいた体を起こし、鬼頭を振り返った。
「…あ、」
そして赤い目と目が合った。
「甘えんな。ペットの癖に。」
「!」
カクカクと身体が勝手に動く。いや、動かされる。
気持ち的にはそんなところには絶対行きたくないのに、ベッドに座る鬼頭の足の間に跪く。
そして、またカクカクとした動きで鬼頭のものを口に含まされた。
拒否する感情が確実にあるのに、身体は自ら動く。奇妙で苦痛が伴う感覚だ。
「ゔっ、ぉ゛ぇっ…っ、ふっ‼︎」
「はは、汚ねぇ声出すなよ。」
嫌悪感で吐きそうだ。生理的に吐きそうなのに、普通だったら頭を引いて咳き込むのに、それも許されずひたすら舐める。
そんな久世をみて、鬼頭は酷く楽しげな声で笑った。
じわりと涙がため、懇願の意を込めて鬼頭を見上げた。
「…っ‼︎」
すると鬼頭のものは一際大きくなった。
この人、そっちの人だ。見たまま、イメージ通りの性癖。サドかよ。しね。
「はっ、本当、躾に手間がかかる、なっ…‼︎」
「う゛え゛っっ、ふっ…っ!」
鬼頭は涙目でえずく久世を労るどころか、叱り付け強引に腰を動かした。
メモに追加しないと。
『・人間をペットと呼ぷ。人権は与えない。』
最初は悪魔とか言い出すから、センスない冗談か痛い妄想かと内心馬鹿にしていた。
しかし何にしろ、こいつは悪魔だ。
————-
悪魔がいるなら天使とかいるのかな?
いたら助けてくれないのかな…。
「久世さんっ!」
「うおっ、びっくりした!ごんか。」
そんな事を会社の自販機前で考えていたら、後輩のごんに肩をたたかれた。
「?大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫。大丈夫。どした?」
ごんはへらへらといつも笑っている、大型犬みたいで可愛い後輩だ。
夜遊び仲間だ。
「溜まりました〜。また合コンしたいです!」
「…あー」
なんか言っている事が色々おかしいので、解説しよう。
ごんは下衆だ。
合コンを一晩の相手を探す場所だと思っている。幸いごんは見た目が良いので、女の子はそれについて悪く言わない。しかし主催者としては毎度ヒヤヒヤする。
だって、ごんの思想って凄く失礼だ。
まぁ、でも、自分も女の子と触れ合いたいし、いっかー。
ごんのこういう、何というのか、人を人と思わぬところ、鬼頭を彷彿とさせるよな。
「分かったよ。ちょっと探してみる。」
「わーい!なる早でお願いしますね!」
「お前なぁ…。あんまり酷いと、夏目にチクるからな。」
「え!だ、ダメですよ!それだけは絶対ダメですからね‼︎」
夏目とはごんの上司だ。
ごんは夏目に異様に弱い。
夏目の前だと明らかに良い子ぶっていて、ちょっと笑ってしまう。
「あ、あと、鬼頭さんが久世さんの事探してましたよ。」
「え⁈」
「あ、噂をすれば…鬼頭さーん!」
「‼︎」
「久世さん居ましたよー!」
オロオロとする久世に気づかず、ごんは鬼頭を呼び寄せた。
鬼頭が偉そうにゆったりとした足取りで近寄ってくる。
ジャングルとかの肉食獣の様にゆったりとした足取りだ。
「久世、こんなところに居たのか。」
「そりゃ、休憩くらいはとりますからね。」
う。
ペットも休みますからね!
っという嫌味を込めて言ってみたが、睨み付けられて閉口する。
発言権もなしか。
「久世、今日の夕方、客先から直帰せずに一度オフィスに戻れよ。それか俺の家に直帰」
「…それは、その…なんで。」
なんでって、何するか分かっているが、意味は分からない。
昨日もしたのに、今日もまさかするのか?
鬼頭はバケモンでも、こっちは違う。流石にきつい。
あと今日は金曜日だ。
土曜日になったからって解放される保証はない。
休日まであんな事したくない。休みの日くらいお前の事忘れさせてくれ!
「嫌なのか?」
「……お付き合いさせて頂きます。…でも、自宅には…帰りたいです…。今日中に。」
「お前の態度次第だな。」
「…。」
最悪だ。
「ん?どんな会話ですか?」
「!」
まさか。
ばっと振り向くと、目を丸くして驚きの声を上げるごんがいた。
まさか、まだ居たのか?え、話、聞こえた?
ま、まぁ、あんなの、聞こえたところで、正常な人間なら上司の酒に付き合わされるくらいに思うだろう。
だよな?
「ペットにした。」
「!」
おろおろした後、バレるはずもないとホッと息をついたのも束の間、あろう事が鬼頭は久世の肩を組み意味不明な発言をする。
顔が引きつる。
おいふざけんな。なにを言ってるの?この人。
ごんにまで軽蔑の目で見られてしまう。ごんは普通の、ちょっと下衆い良い子なのに。
「えー!まじすか⁈いいなー!」
「…え?」
『いいな』?
よく見ると、ごんの目はキラキラとしている。何というか、羨望の眼差し。
真っ直ぐと、まるで戦隊ヒーローを見る子供の目のよう。
「良いだろう。」
「流石、鬼頭さん!パネェっす!どうやったんですか?」
「まぁ、それは今度教えてやろう。仕事外では調教に忙しいからな。」
「調教w!いいな、いいな‼︎」
自慢気な鬼頭と、尊敬の眼差しのごん。
そんな二人を久世はポカンと見つめた。