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無自覚アブノーマル

※深谷視点

「触んなっ!」
本田を家に連れ込んだ日の夜。
スッキリして、さぁ寝よう!って時になって、ベットで本田を抱き寄せると腕を撥ね付けられた。
まぁ、気持ちは後からでも堕とす自信あるから良いんだけど、好きな子に毎回こんな風に扱われると、割と不快。
なんか…こう…本田からもっと「お願いしますっ」て求められたい。
セックスもやると感じまくってるくせに、毎度最初は嫌々だし。
どうするかな。
「本田、下着ごとズボン脱いで?」
「はぁ⁈お前バカ⁈普通に嫌なんだけど…。」
再びその反応にイラッとする。
そもそも本田は《普通》である為に自分に従っている。しかし自分に従う程に《普通》から外れて行く。
その歪みが怖い。
だから正直焦りも感じている。
(早く、もっと…もっと…俺のところに落ちろよ。)
「本田〜」
きゃんきゃん吠える本田の腕を絡めとり、後ろから押さえ込んだ。
「《お散歩》、またする?」
そう囁くと、本田がびくりとして抵抗をやめた。

———
「あははは!可愛い可愛い‼︎足は閉じるなよ!」
「うっ、うぅ…っんっ」
本田を床に座らせ自慰をさせ、それをベットに腰掛け見下ろす。
本田は最近は、前だけだと上手くいけないようだ。自分の体に戸惑う本田がまた可愛い。
「はは、顔から火が出そうな位真っ赤!ねぇ、恥ずかしいの?どう本田?恥ずかしい?」
「…ふっ、うるせっ、…あっ、」
「あははは!虐められるの本田は好きなくせに‼︎」
ぐっと本田の顔が悔しげに歪み、更に顔は赤くなる。
赤くなってるのは羞恥心だけが原因じゃないだろ?
「本田、恥ずかしいな!こんなに明るい部屋で人に見られながら自分のぬくなんてな。むしろ恥ずかしく無かったらやばいなっ!可愛いけど‼︎」
罵倒すると、どマゾな本田は更に息を荒げる。そろそろ限界なんだろう。足先にぐっと力が入る。
(この辺りかな?)
「はいっ、ストーップ‼︎」
「あっ⁈」
本田の手を掴み、強制的に行為を終わらせる。
もう後一歩で出せそうだったのだろう、本田は無意識に残念な声を上げた。その声を聞き、深谷はニッと笑う。
「終わり♡」
「…っ」
「さっ、寝よっか?」
「…。」
本田は何か言いたげだが、ぐっと言葉を飲み込んだ。
そのまま一緒に横になり、部屋の電気を消した。
「…」
「…」
大体本田はすぐに寝る。寝付きが良い。
それなのに、今夜は中々寝れないようだ。
こちらに背を向けて寝る本田の背中を見て、深谷はニマニマとこっそり笑う。
「本田」
「…何だよ。」
そして再び、後ろから本田に抱きついた。
「俺と仲良くしたい?」
耳元に口を寄せて、劣情を誘うように囁く。
「…な、何言ってんだ。」
「ふふふふ」
本田の言葉に勢いがないのは明白だ。
「虚勢だなぁ」
「…ぁっ!」
ぐりっと、本田の後ろに完勃ちの深谷自身を押し付ける。
本田がオロオロと迷っているのが気配で分かった。
(可愛い〜っ)
「…」
でも何も言わない。言えないのかも知れない。
「…あっそ。本田がそういう感じならいい。」
「…ぁ」
パッと本田から手を離す。
本田はチラリとこちらを振り返る。
名残惜しそうな視線に舌舐めずりしてしまう。
「じゃ、おやすみ〜。」
「…。」
でももう甘やかさない。
深谷は、その後ももぞもぞと落ち着かない本田を見て笑みを漏らした。

———
それからは本田には、ひたすら我慢ばかりさせた。
目を話した隙に勝手に粗相をしないように、貞操帯も付けさせた。
「…はっ…あっ♡っ、んっ…」
それで一週間ちょっと経った頃にはこんなだ。
これは中々正解だったかもしれない。
薄い部屋着の本田を前に座らせ、後ろからシャツの中に手を滑り込ませる。
毎度この時点で暴れるのに、今日は暴れず大人しい。寧ろ、息を乱して期待に震えている。
「本田、前の外して欲しい?本田がお願いっていうなら、いっぱい気持ちよくしてあげるよ?」
「んっ、馬鹿っ、変態やろっ、外せっ‼︎」
「…」
なんか…ちょっと違う。
深谷から、それまでの笑顔が引いていく。
「本田」
「あっ…っ、ぎゅっ、〜っ!」
本田を押し倒すとズボンをずらして一気に突き入れた。
「なに?こんなっ、ふ、中はぎゅうぎゅうだし、っ、顔も入れただけでもうだらしないじゃん!」
「いやっ、あっ♡あっ、ぬゅっ、そんなっちがっ♡」
「うるせーな!どうせ無駄なんだから!もう俺に歯向かうなよ‼︎」
「うぅ〜〜〜っ!‼︎」
本田のものにはまだがっちり貞操帯がハマっており、かなり辛そうだ。
だが中でもイケる本田は出さずに達しているようだ。そもそもどマゾだから、貞操帯とか実は好きだろ?
ガツガツと攻めまくる。
いつもよりぎゅうぎゅうと本田の中は締めきて、こちらも快感が凄い。
「あ゛っまっ、まって…っ、いだ…っ〜〜‼︎いだ…い」
「あぁ?出さずにいく俺の雌な癖に、何言ってんだ!」
「ぅっ」
「ほら、またいくんだろ?」
「うぅっっ!ふっ、あっ♡ちがっ、」
「大人しくイカされてろよっ!…っおら、いけって!」
「っ〜〜〜っ‼︎」
本田は立て続けに大きく震えた。
その瞬間に合わせ、塞ぐように口付ける。
ちょっと飛びかけた本田はとろんとした目をしており、それを見て思わずふっと笑ってしまった。
「あぁ、ごめんごめん…」
惚けた本田の顔に少し気分がよくなり、謝りながら緩い律動に切り替える。
「ど、どって…とっ……さいっ…」
「ははは!本田ってば快感に弱いよな」
「んぎっ♡‼︎」
言いながら本田の乳首に噛み付くと、明らかに快感を感じて本田が跳ねる。
「ふふ、本田、とって欲しい?」
「ぅ、…っ、ん、うんっ‼︎」
噛んで舐めて噛んで舐めて。
繰り返す度に、本田ばビクビク震える。
それを楽しむだけ楽しんだ後は、相変わらずの緩い律動のまま、上体を起こして本田を見下ろした。
「どうしよっかな〜?」
「ぅう゛…あっ、お、お願い…おねがっ〜〜っ‼︎」
涙目で必死に「お願いお願い」と縋ってくる本田を、暫し見下ろす。
(あぁ…最高…本当に…最高…‼︎)
深谷は悦に浸った。
今の本田を見ていると、好きな人を征服する快感を確かに感じられた。
「ふふふ、」
本田の中に相変わらず自身を収めたまま、勿体ぶって本田を戒めているものを解いていく。
「じゃっ、また、愛し合おう…なっ‼︎」
「はぐっ〜〜〜っ‼︎」
語尾に合わせて、一際深くさす。
本田が仰け反り、噴水の様にその先から精を噴き出す。
「あ゛、ま、…まって♡…あっ!〜〜っ!ふぐっ、…っ、やば…♡」
「ふふふ。本田、早く頭おかしくなろ?」
「んんっ!…っ〜〜‼︎」
ずっと震えっぱなしの本田を激しく攻める。
「おかしくなって、俺のとこ堕ちてこいよ。」
本田の頭を押さえ込み、耳を舐めながら言い聞かせた。
「どうせ、本田の一分一秒も、全部、存在する時間全て、俺のもので、俺と過ごす為にあるんだから。」
「ふっっっ!ちょ、やぁっっ!〜〜っ!」
「もう諦めちゃおうよ。本田がどうなっても、俺は本田だけ見て、本田だけを愛するから。ね。俺のものに、早く、俺だけのものになろう?」
「あ゛〜〜〜〜〜っっ‼︎」
ごぷりと、音がしそうな勢いで本田がまた達した。

————-
(………)
あの後は、本田が気絶するまでやった。その後は、意識がない本田の体を拭いて後処理も行った。
(…)
チラリと、横で寝る本田を見る。
涙の跡がついた顔を見ると、満たされた様で、何かが確実に足りていない焦燥感を感じた。
行為中は満たされた気がしたのに。
今は何故か凄く寂しい。
「……本田…好きだよ。」
深谷の声に、反応はない。
「…」
自嘲気味に笑い、寝ようとした時だった。
「…ぅ、さむっ、」
「?…!」
本田が何か言った後、急に抱きついてきた。
「んん…あったか……」
そしてまたむにゃむにゃ呟いて、ぐーぐーと眠りに落ちた。
突然の事に目を丸くして固まった深谷だったが、徐々に口元が緩む。
本田は深谷の腕の中で丸まり、寝息をたてる。
何故か頬が赤くなる自分が不思議だったが、嬉しくてたまらない深谷だった。

おしまい。
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