【完結】取引先の上司がストーカーです
「ほら先輩、いい感じに撮れました。」
何故か笑顔で、七緒は撮った写真を見せてくる。
俯き気味に涙目の七緒と、ぽかんと口を開けた間抜けづらの碧。
…え?
…なんか、おかしい…。
「ふふ、先輩、これ、労働組合にセクハラで持ち込んだら、先輩は解雇どころか、社会的に抹殺ですね!」
そして七緒は無邪気な可愛い笑顔で恐ろしい事を言う。写真の中の、涙目の七緒とはえらい違いだ。
「だからー」
ピンポーン
「碧くーん、ちょっと早いけど、来ちゃった。開けてくれる?」
「!」
と、殿村ー!最悪のタイミングだ…。
殿村が玄関からチャイムを鳴らしていた。
どうしよう…。よりによって、殿村…。
反射的にベッドから降りて玄関に続く廊下まで出ていたが、玄関に伸ばした手引っ込めてそこに蹲り頭を抱えてしまった。
「碧くーん!碧くーん!」
ピーンポーン ピーンポーン
「碧くん?まだ寝ているのかな…。」
「はいはーい。今開けますね、殿村さん。」
「え。」
ガチャ
蹲ったまま唖然とする碧の横を七緒がパタパタと通り過ぎ、あっさりと玄関を開けてしまった。
嘘。なんで…?
「おはよう御座います。殿村さん。」
情事の後感を隠そうともせず、七緒が殿村にふわりと微笑んだ。
「………。」
「………。」
殿村は七緒と碧を見て表情を無くして固まり、碧はそれを見て青い顔で固まる。
「ふっ、用がないなら閉めますねー。俺たち今…愛を確かめるとか、そういう最中なので〜。」
誰も動かない様子をくすりと笑って、七緒が軽い調子で扉を閉めようとする。
しかし、その扉を殿村が手を差し込み強引に開く。
「碧くん、これはどういう事かな?」
「え⁈…あ…は、はは、どういう事でしょうね…。」
「…。」
「ひっ、」
殿村は無表情のままツカツカとこちらに近づいてくる。そして強引に碧の体を引き上げ、壁に押し付ける。
ギュムっと顎を掴まれた頬が痛い。
「…碧くん…それなら言ってくれれば良かったのに。」
「へ?」
「碧くんが擦れていない様子だったから合わせてきたけど、」
「ふぶっっ!…にゅっ」
殿村は唐突に何の前触れもなく口付けてきた。あまりの事の展開に無防備だった口内に殿村の舌が滑り込み、ぐちゅりとかき混ぜられる。
「ふっ…。」
「朝からこんな淫行にはしるなんてね。それなら俺がどれだけでも相手するのに。」
にこりと殿村は笑った。
「あ、はは…い、淫行だなんて…。」
「してないの?」
「ははは、淫行って、凄い言い方ですね。響きだけで卑猥というか、そんな言葉よく朝からパッと思いつく…」
「淫行だろがよ。したのか?」
「…。」
へらへらと笑って誤魔化してみるが、すっと笑顔を消した殿村に低い声で言われ閉口した。
実のところ証拠はないけど、状況証拠はある。
…あれ?でもこれって本当にしたの?そもそも、こっちがしたの?七緒がしたの?体に違和感はない。
オロオロと七緒に視線を向けると、追って殿村も七緒に視線を向けた。
何故か笑顔で、七緒は撮った写真を見せてくる。
俯き気味に涙目の七緒と、ぽかんと口を開けた間抜けづらの碧。
…え?
…なんか、おかしい…。
「ふふ、先輩、これ、労働組合にセクハラで持ち込んだら、先輩は解雇どころか、社会的に抹殺ですね!」
そして七緒は無邪気な可愛い笑顔で恐ろしい事を言う。写真の中の、涙目の七緒とはえらい違いだ。
「だからー」
ピンポーン
「碧くーん、ちょっと早いけど、来ちゃった。開けてくれる?」
「!」
と、殿村ー!最悪のタイミングだ…。
殿村が玄関からチャイムを鳴らしていた。
どうしよう…。よりによって、殿村…。
反射的にベッドから降りて玄関に続く廊下まで出ていたが、玄関に伸ばした手引っ込めてそこに蹲り頭を抱えてしまった。
「碧くーん!碧くーん!」
ピーンポーン ピーンポーン
「碧くん?まだ寝ているのかな…。」
「はいはーい。今開けますね、殿村さん。」
「え。」
ガチャ
蹲ったまま唖然とする碧の横を七緒がパタパタと通り過ぎ、あっさりと玄関を開けてしまった。
嘘。なんで…?
「おはよう御座います。殿村さん。」
情事の後感を隠そうともせず、七緒が殿村にふわりと微笑んだ。
「………。」
「………。」
殿村は七緒と碧を見て表情を無くして固まり、碧はそれを見て青い顔で固まる。
「ふっ、用がないなら閉めますねー。俺たち今…愛を確かめるとか、そういう最中なので〜。」
誰も動かない様子をくすりと笑って、七緒が軽い調子で扉を閉めようとする。
しかし、その扉を殿村が手を差し込み強引に開く。
「碧くん、これはどういう事かな?」
「え⁈…あ…は、はは、どういう事でしょうね…。」
「…。」
「ひっ、」
殿村は無表情のままツカツカとこちらに近づいてくる。そして強引に碧の体を引き上げ、壁に押し付ける。
ギュムっと顎を掴まれた頬が痛い。
「…碧くん…それなら言ってくれれば良かったのに。」
「へ?」
「碧くんが擦れていない様子だったから合わせてきたけど、」
「ふぶっっ!…にゅっ」
殿村は唐突に何の前触れもなく口付けてきた。あまりの事の展開に無防備だった口内に殿村の舌が滑り込み、ぐちゅりとかき混ぜられる。
「ふっ…。」
「朝からこんな淫行にはしるなんてね。それなら俺がどれだけでも相手するのに。」
にこりと殿村は笑った。
「あ、はは…い、淫行だなんて…。」
「してないの?」
「ははは、淫行って、凄い言い方ですね。響きだけで卑猥というか、そんな言葉よく朝からパッと思いつく…」
「淫行だろがよ。したのか?」
「…。」
へらへらと笑って誤魔化してみるが、すっと笑顔を消した殿村に低い声で言われ閉口した。
実のところ証拠はないけど、状況証拠はある。
…あれ?でもこれって本当にしたの?そもそも、こっちがしたの?七緒がしたの?体に違和感はない。
オロオロと七緒に視線を向けると、追って殿村も七緒に視線を向けた。