【完結】取引先の上司がストーカーです
※殿村視点
「…。」
楓は職場の休憩室の隅で一人、スマホを見つめる。
碧に連絡したい。
しかしまた連絡して、どうするんだ?自制出来ずに酷い事をした。
会うとまたやってしまいそうな自分が怖い。
「結局、同じ穴のムジナか。」
ポツリとつぶやき、自嘲気味に笑った。
結局、父と同じ事をしていた。
碧がどうしたいかなんて明白だった。自分じゃない、普通に女と付き合いたいんだ。ならば、そうさせてやるべきだ。
負の連鎖は断ち切るべきだ。
自分がどうしたいとか、自分が辛いとか、そう言う問題じゃない。相手を尊重すべきなのだ。
しかし情けなくも気持ちの切り替えは痛みを伴うもので、自席に戻っても仕事が手に付かずぼんやりしていた。
「殿村課長、外線が入っています。」
そうダラダラしてしまっている時、不意に部下に声をかけられた。
「はい。どちらからかな?」
「あの、お母様からです。」
「…分かった。ありがとう。繋いでくれ。」
会うのは勿論、声も何年も聞いていない。
部下の手前断る事も出来ず、楓は十数年ぶりの電話に出た。
「…。」
楓は職場の休憩室の隅で一人、スマホを見つめる。
碧に連絡したい。
しかしまた連絡して、どうするんだ?自制出来ずに酷い事をした。
会うとまたやってしまいそうな自分が怖い。
「結局、同じ穴のムジナか。」
ポツリとつぶやき、自嘲気味に笑った。
結局、父と同じ事をしていた。
碧がどうしたいかなんて明白だった。自分じゃない、普通に女と付き合いたいんだ。ならば、そうさせてやるべきだ。
負の連鎖は断ち切るべきだ。
自分がどうしたいとか、自分が辛いとか、そう言う問題じゃない。相手を尊重すべきなのだ。
しかし情けなくも気持ちの切り替えは痛みを伴うもので、自席に戻っても仕事が手に付かずぼんやりしていた。
「殿村課長、外線が入っています。」
そうダラダラしてしまっている時、不意に部下に声をかけられた。
「はい。どちらからかな?」
「あの、お母様からです。」
「…分かった。ありがとう。繋いでくれ。」
会うのは勿論、声も何年も聞いていない。
部下の手前断る事も出来ず、楓は十数年ぶりの電話に出た。