【完結】取引先の上司がストーカーです
※殿村視点
「あっ、…っぐ、ふっっ!まっ、…っ、ううっ」
自分の下で碧が苦しげに顔を歪めて大きく痙攣する。
それでも止まらず動いた。程なくして、碧が動かなくなる。
落ちた…。
一度碧から自身を抜き、洗面所からお湯で濡らしたタオルを持ってくる。
「…」
碧の体を拭こうとした手が止まる。
なんだ…これ。
自分は何をしているんだ。
碧の右手につけた鎖が、チャリっと小さくなる。不自由が辛くて逃げ出した自分が碧に付けた枷。
こんなの、間違っている。
「殿村さん」
碧を碧の家に繋いで出社した午後、オフィスのエントランスで声をかけれた。振り返ると七緒がいた。
「殿村さん、滝川さんが欠勤なんですが、知りませんか?」
「そんな事、何故私に聞くのかな。」
「…そうですか。心当たりがありませんか。」
七緒が嘘くさい笑顔で近づいてくる。
「てめぇ以外に誰が知ってるだよ。」
「…。」
近距離で、七緒は小声ながらも強く吠えた。もう笑顔はなく。顔に似合わず、地を這うような低い声だった。
碧を好きだとか言っていたが、そこまで軽いものではなかったのか。
「…そんなに気になるなら、行けばいいだろ。」
家に帰った時に碧にいて欲しい。しかし、碧には自分から逃げて欲しい。
相反する思考が渦巻き、思わず言ってしまった。
「はぁ?」
楓の言葉に七緒は顔を歪めせた。
殿村は不思議と、碧の為に怒る七緒を見て安心していた。
「…頼みたい…。」
だってそんなに碧の事を思っている七緒ならば、碧を助けてくれる。今の碧くんに気を使って、優しくするだろう。
七緒は一瞬殿村の言葉に目を見開き驚いた顔をした。しかしその後は、呆れた様にため息をついた。
「本当、あんたら手のかかるおっさんだよ。」
楓はそれ以上何も言えず、無言のまま七緒に碧の家の鍵を渡した。
「あっ、…っぐ、ふっっ!まっ、…っ、ううっ」
自分の下で碧が苦しげに顔を歪めて大きく痙攣する。
それでも止まらず動いた。程なくして、碧が動かなくなる。
落ちた…。
一度碧から自身を抜き、洗面所からお湯で濡らしたタオルを持ってくる。
「…」
碧の体を拭こうとした手が止まる。
なんだ…これ。
自分は何をしているんだ。
碧の右手につけた鎖が、チャリっと小さくなる。不自由が辛くて逃げ出した自分が碧に付けた枷。
こんなの、間違っている。
「殿村さん」
碧を碧の家に繋いで出社した午後、オフィスのエントランスで声をかけれた。振り返ると七緒がいた。
「殿村さん、滝川さんが欠勤なんですが、知りませんか?」
「そんな事、何故私に聞くのかな。」
「…そうですか。心当たりがありませんか。」
七緒が嘘くさい笑顔で近づいてくる。
「てめぇ以外に誰が知ってるだよ。」
「…。」
近距離で、七緒は小声ながらも強く吠えた。もう笑顔はなく。顔に似合わず、地を這うような低い声だった。
碧を好きだとか言っていたが、そこまで軽いものではなかったのか。
「…そんなに気になるなら、行けばいいだろ。」
家に帰った時に碧にいて欲しい。しかし、碧には自分から逃げて欲しい。
相反する思考が渦巻き、思わず言ってしまった。
「はぁ?」
楓の言葉に七緒は顔を歪めせた。
殿村は不思議と、碧の為に怒る七緒を見て安心していた。
「…頼みたい…。」
だってそんなに碧の事を思っている七緒ならば、碧を助けてくれる。今の碧くんに気を使って、優しくするだろう。
七緒は一瞬殿村の言葉に目を見開き驚いた顔をした。しかしその後は、呆れた様にため息をついた。
「本当、あんたら手のかかるおっさんだよ。」
楓はそれ以上何も言えず、無言のまま七緒に碧の家の鍵を渡した。