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ヒモ生活の末路【完結】

「もう一回」
「えー!もう、や…っ!」
ぶくぶくぶく…
嫌がる俺を笑顔で湯船に沈める。
チラッと見えた長与(ながよ)の股間は膨らんでた。

こいつに会ったのは中学の頃。
近所の物静かな後輩。
それだけなら大した接点もないので覚えていないはずだが、長与は有名だった。
頭と顔がずば抜けて良かったらだ。
いつも女の子にキャーキャー言われて、何処どこの難関校に行っただの、全国模試一位だの、話題に事欠かない。
対する俺は、落ちこぼれも良いところ。
高卒で働きに出たが、元々の目つきが悪いせいか、有る事無い事いちゃもんつけられてクビになるの繰り返し。
しまいには、付き合っていた彼女のヒモにまで落ちた。
しかしその彼女にも、身に覚えのない浮気がどうとか言われ結局は追い出された。
そして行く家もなく途方に暮れているとこで、偶然こいつに会った。
こいつはその素晴らしい記憶力のせいか、みそっかすみたいな俺のことも覚えており声をかけてきた。
海外の大学を卒業後に帰国した直後で人恋しいとか何とか言われ、一緒に呑んだ。
次の日も是非、また次の日も是非是非…
そうやってズルズルとコイツとの関係は続き、いつの間にか俺はコイツのヒモになっていた。

「ちょっ、な、何?」

長与と暮らして1ヶ月が過ぎたころ。
寝ていたら、何かが腹に当たりぬるっとした。
ギョッとして見ると、仰向けで寝る俺の布団は剥がされその上に長与がいた。
パジャマも捲られ、長与は俺の腹に直接それを擦りつけていた。

「な、長与?」
「…」

嘘だろ?
そう言う意味を込めて呼んだのに、長与はピクリと反応しただけで止まってはくれなかった。

「っ、はっ…なおさん、なおさん…っ!」
「…ぇぇ…」

出しやがった…。
結局俺は暴れる事も出来ず、フリーズしているまま事は終わった。

それを皮切りに、コイツの性欲処理を俺が担当するようになった。
もう感覚もプライドもブレブレの俺、追い出されなきゃ、擦り付けられる位はいいだろと割と簡単に受け入れてしまった。

「じゃ、咥えて下さいよ。」
「えー…。」
「それじゃこっちしてくださいよ。」
「あー……それは…擦り付けて良いから…あ!抜いてやろうか?」
「…」

俺はにっこり笑顔で、シュッシュッと下品にジェスチャーをする。
しかし長与は無表情のまま口を尖らせる。
不満気だ。

「…」
「…」

結局やった。

初回はスパンキング。
我慢、寸止め。窒息。

どうやら長与は人が苦しんでる顔に興奮するらしい。
秀才の性癖ヤバい。

嫌だが、俺が本気で嫌がったり痛がると長与は直ぐに行為をやめてくれた。
気づがれているのか謎だが、「苦しい」ふりだけでも満足してくれる。
長与は金も持ってて俺にいい暮らしさせてくれるし、まぁいいか。と、俺はズルズルとぬるま湯生活を続けている。

「どうせならビール風呂に沈めらたい。」
「そうですか。」

異常プレイの後、長与にビールを注いでもらいながら俺はボヤいた。
長与は俺の言葉を聞いて考える素振りを見せる。
まじで?

「用意してくれんの?」
「んー…、そうですね。ビールを増やすか…それは量子力学的に…いや、まずまず、炭酸が難しいなぁ……炭酸抜きでも良いですか?」
「普通にビール買ってよ。」

やたら真剣に考えるから買ってきてくれると思いきや、斜め上の返答だった。
因みに長与は科学者だ。
有名大学で最年少教授。時々企業とタイアップもしている。

「なおさん、もう少しつまみ追加します?」
「うん。卵焼きがいい。」
「分かりました。」

気も使えるし、料理も美味い。
最初は何故女っ気がないのか、不思議だったがきっとあの性癖だからだろう。

ブーブー
「…」

そんな事を考えていると、俺のスマホがなった。
俺は台所に立つ長与をチラリと見てスマホを開く。

『なおー、明日は遅れないでね。かなも楽しみにしてるって!』
「も、ち、ろー「なおさん。」
「っ!」

こっそりスマホを打っていると、いつの間にか長与が直ぐ後ろにいた。
思わず動揺で体が跳ねそうになるが、一瞬の所で押し止める。

「な、に?」
「出来ましたよ。」
「おう…。サンキュー」

幽霊かよ!
基本的に俺の前ではニコニコしている長与だが、時々今みたいに無表情で考えが読めなくなる。
やはり、天才はどこか常人とは思考が違うのだろう。

「…」
ブーブー
「…」
「…」

俺のスマホがまた振動して、何となく気まずい。
実は別れた元カノが、共通の女友達経由でもう一度会いたいと言ってきたのだ。
長与が俺を好きなわけはないし、俺が元カノと会おうが気にしないだろう。多分。
しかしヒモ人間の習性というのか。
家主に気を使う。

「なおさん。食事中にスマホ煩いです。」
「ごめん。バイブ切る。」

俺はあくせくと、スマホをマナーモードにする。
何故俺はこんな…。
しかしこれも少しの我慢だ。
元カノと別れ際は散々だった。それでもあっちから会いたいなんて、復縁もあるかも知れない。
そしたら長与とはおさらばだ。
だってさ、女の子と二人きりで会って、一緒に暮らしてとか…俺だって男だ。
久々に…女子と…

「エッチしたいなぁ。」
「え⁈なに?」

長与が卵焼きを食べながら漏らした呟きに俺は過剰反応してしまった。
だって、それ!俺が思ってた事‼︎

「…」
「なんだよ?」

ほらまた。
いつものニコニコはどうした⁈
長与は無表情でじっと俺を見つめてくる。
いつも笑顔なのに、長与は時々じっとこちらを見つめてくる。
そんな目で見られると、まるで実験動物にでもなったような心地だ。観察されているみたいな?

「さっき。」
「さっき?」
「溺れるなおさん見ながら抜きましたけど。ご飯食べたら、また抜かせて下さい。」
「うん?…うん。うん、うん。分かった。」

発情期なの?
長与はボソボソと話した。
そもそも「えっち」と「抜く」って違うくないか?
とも思ったが、何かが恐ろしくて深くは追求できなかった。

———-
「なおくーん!」
「かなちゃん!」

水曜日のお昼。オフィス街の公園。
俺は元カノのかなちゃんに会った。
相変わらず女の子って可愛い雰囲気で、良い香りがする。可愛い。

「連絡ありがとう!どうしたの?急に…」
「…あのね、なおくん…」

かなちゃんはそこで言葉を止め、神妙な面持ちになる。

「なおくん、あの時は本当にごめんね…。私、凄く感情的になっちゃって…。きっかけはSNSだったんだけど…」
「SNS?」
「うん。ある日なおくんが浮気してるって、浮気相手とかいう人から連絡が来たの。」
「何それ⁈」

全くの初耳だ。
かなちゃんが言うにはこうだ。
その人は俺といついつどこに行ったとか、何をしたとか事細かに言ってきたらしい。
しかもそれが全て俺の一日の動線と一致しており、かなちゃんも騙されたようだ。
そして俺とかなちゃんは大喧嘩。

「なおくんが出て行った後、冷静になってなおくんに連絡したの…そしたら、ほら」
《もう連絡しないで欲しい。》

かなちゃんが見せたスマホ画面に目が点だ。

送った覚えもない一文を、俺はかなちゃんに送っている。

「その後はなおくん私の事ブロックしちゃうし、連絡も取れなくて…。」
「ぶ、ブロックなんてしてないよ!」
「?…で、でも、あの後何度も連絡したのに、なおくん全然既読にならないから…」

かなちゃんは涙目で聞き返してくる。

「そんな…そんなはず…」
「…」

慌てて自分のスマホを確認すると、確かに俺はかなちゃんをブロックしていた。
もう訳が分からない。

「でもやっぱり、なおくんのその顔見てると、私の勘は正しかったみたいだね。」
「どういうこと?」
「この前、まりに会って話したら、なおくんが私と別れて凄く落ち込んでいたとかきいて。それにすごい違和感で。もしかして、私となおくん、二人とも誰かに騙されてたんじゃないかな?」

おずおずと控えめに、確かめるようにかなちゃんは切り出した。

「なおくんと私が別れて、喜ぶ人とか知らない?」
「…」

そんなの。
誰だよ。
俺の頭はハテナでいっぱいになる。

「私の周りにはそんな人いない。」
「…」
「その…言いにくいんだけど、なおくんが私に連絡しないで。って送った覚えがないなら、このメッセージを誰かがなおくんのスマホで勝手に送って たんじゃないかな?このメッセージもらったの、別れた次の日だけど、誰といたの?」
「…」
「その人、怪しくないかな?」

その日は、路上で放心しているところで長与に会った。
その後はずっと長与と飲んで…。

「…長与…」

俺は小さくその名前を呟いた。

————-
「長与!」

俺は乱暴に玄関を開けるなり、怒号を響かせた。
長与は大きな一軒家に住んでおり、その家中に俺の声が家中に反響した。
基本的に在宅勤務の長与が、きょとんとした顔で階段を降りてきた。

「どうしたんですか?」
「お前!」
「わっ」

俺は降りてきた長与の襟首を掴み、強引に引き寄せる。
長与の意外そうな顔に、さらに腹が立つ。

「何してくれてんの?」
「?」
「とぼけんなよ!かなちゃんに変なメッセージ送ったり、俺のスマホで勝手にメッセージ送ったり…全部お前がやったんだろ‼︎」
「…」

長与は何も言わない。
じっとこちらを見ていた。
またその目かよ!

「あの女に会ったんですか。」
「はぁ⁈あの女って…やっぱり、かなちゃんに変なメッセージ送ったのはお前だろう⁈ふざんな!お前なんか…っっ!」

ビビビビ
その時、急に体に何かが走る。
体に力が入らなくなり、俺は長与の腕の中でだらりと弛緩する。

「なおさんが大きな声出すから、念の為持ってきて良かった。」

長与はぶつくさ言いながら、手に持っていたものをポイっと投げ捨てた。
スタンガンだ。

「なが…ひょ…な…」
「ふふ、可愛い」
「!」

無理に喋ろうとした俺の口から、だらりと涎が落ちた。
それを長与が舐めとる。
鳥肌が立つ。

「〜っ、ふっ、はっはっ…」
「なおさん…。」

体に力が入らないからろくな抵抗もできない。
されるがままだ。
せめてこれ以上涎を垂らさないようにと、まだ呼吸は乱れたままだが無理矢理に口を閉じた。
長与はそんな俺を目を細めて見て、横抱きに抱き直して歩きす。
なんだその顔。にっこにこか?
どこに行く気だ?

「俺がやりました。全部。」

長与はポツリと溢すように話した。

「お…みゃ…な…」

こんな異常な状況なのに、口元だけは綺麗な三日月を描いてて怖い。

「っ!」

やがて長与は自室に入り、俺をベットに転がした。
恐怖で身がすくむ。
あの異常性癖の長与だ。
殺されるかも。

「ぇ、あっ…な、に…」

しばし転がる俺を満足気に見つめた後、長与は徐に俺の服を脱がし始めた。
そして今度は全裸になった俺の左手首と左足首を、右手首と右足首を繋げるように縛り上げた。

「好きなんです…」
「っ」

だから、何がだよ!
人を殺すのが?
人の首を絞めるのが?
人を殴り殺すのが⁈
怖すぎるっ!
怖すぎて、何が好きなのか聞き返す勇気が出てこない。
俺はダラダラと冷や汗流して固まるが、長与は愉悦の表情すら浮かべて俺にのしかかる。

「なおさん」
「…ふゅっ⁈」

長与は長い指を俺の口に差し込むと、俺がえづいた隙をついてキスをしてきた。
ぬるぬると長与の舌が口内を這いずる。

「エッチしたいなぁ…」
「ふ⁈」

…え……えー⁈
長与が艶っぽく俺と鼻先を合わせて漏らした呟きに、俺は目を見開く。
そっち?
いやいやどっち⁈
なんで⁈

「な、にゃ、んで…。お、れ、…おと、こ…」
「ふっ、舌ったらずも可愛い。またやりましょうね。」

…またって…。
長与それだけ言うと、またねっとりとキスをしてくる。
会話も成立してない。
俺はカタカタと震える。
お前、普通に抜けるの?
こんな状況で首とか締めてこないよな?

「んむ、…っ、やっ」

そうやってくちゅくちゅと俺の口内を貪った後、長与は徐に何かを取り出して俺の後ろも触る。

「入れとかないと。なおさんの後ろが裂けたら可哀想。」
「や、め…ぁっあぁー」

ずっずっずず
関節筋を超えると、後はするりとそれは入ってきた。

「だし、明日もやりたいから、今日切れたらきついですよ。」
「うっはぁっ…っ、はぁっ、はぁっ…っ」

入れられたものの圧迫感が苦しく、俺は浅い呼吸を繰り返す。
そうこうしているうちに、また長与が舌を差し込んできた。
顔を両手で押さえてやたら艶かしく、舌が動き回る。
その気がなくても、下っ腹辺りからゾワゾワと妙な感覚が湧いてくる。
そもそも、長与とキスなんてしたことなかったのに。
秀才のくせに下品なキスだ。

「ふっ」

ぷはっと、長い時間俺の口内を荒らしまわった舌が抜かれた。
お互いの口が、透明な糸で繋がっている。卑猥。

「下もそろそろかな〜ぐりぐりー」
「うはぁっ…ぅっ、あっ、な、…っへん…っ‼︎」

長与はふざけた調子で、俺の下に入れたものをぐりぐりと葬る。
いってー!
痛すぎて、腹が立ってきた。

「ふっ、…っ!」
「おー!やっぱりなおさんだ!こんな状況なのに生意気。…本当に、何から何まで、俺の好みです。」

俺は精一杯に長与を睨むが、長与は更に笑顔を深めて俺を見つめる。

「そんななおさんにはこれ!」

じゃじゃ〜ん!
そんなふざけた擬音付きで、長与は何かを取り出した。
ベルトみたいだ。

「これをですね。こうやって…」

クルクルと俺の太腿に巻き付け、きゅっとしめる。キツすぎず、でも滑りもないのでとれもしない。
絶妙な加減だ。

「良いですね〜。手首や首の方が薬の周りは早いのですが、俺の好みはここです。」
「っ!」

うっとりと呟いた後、長与が俺の内腿にキスをする。
気持ち悪いし、そもそも俺は全裸だ。
長与の荒い呼吸が直に当たり肌が栗田立つ。

「ふふふ。」
「はっ、ず、せ…っ、!」
「だめでーす。」
「ふっ、ぐっ、」
「なおさん、これ凄いんですよ。」
「?」

俺は足元の長与を振り払おうと痺れた体に力を込める。それを長与が易々と諫める。
そんな状況が続いた後、長与がポツリと話し出した。

「このリモコン。」
「?」
「どうなると思います?」
「っ‼︎や、…っ、」

長与は手持ちぶたさを紛らわす様に、俺のものを葬る。
悔しいが、気持ち良い。

「まぁ、実践したほうがいいかな?なおさんに為に、自作しました。」

ピッ

「⁈っ、」

長与がボタンを押した瞬間、何かがチクリと太腿に刺さる感覚があった。
痺れても、反射で身体がビクリと強ばる。
注射?
え。ど、毒?
人の苦む顔で勃起する奴だ。
ヤバいものに決まってる。

「ほら、なおさん」
「?…っ、はぁ」

長与はニヤニヤと笑い、指先を俺の太腿に巻かれたベルトを突く。

「太腿から、ゆ〜〜〜くり…」
「っ、」

そして、すすすすっと、指を滑らせ上半身に登ってくる。
触るか触らないか。長与の指に沿って、ゾワゾワと背中にむず痒さが走る。

「そろそろかな?」
「?」

長与の指は俺の下腹の上に来ていた。
そこをぐっと押す。

「ぬぁっ⁈」

その瞬間、パッと脳内で何かが弾けた。
緊張で縮こまっていた血管が一気に開いた様だった。
何か、おかしい。
戸惑う俺をよそに、長与の指はまた俺の上を滑る。
次は下半身に向かって。

「ふふ、」
「…ぁ、あ、…っ!」

おかしい!おかしい、おかしいっ!
長与の指に沿って、ドバドバと血が流れている様だ。
なんで…なんでこんな。

「気持ちいいでしょ?」
「ふっ、」
「えっちだなぁ。」

長与の指はすすっと、嫌らしく俺のものの上を滑る。
わざわざ裏に周り、裏筋に沿ってつつっと。行ったり来たり。
長与の綺麗な指が走る。
俺のものは先ほどまで何ともなかったのに、今はガチガチに硬くなり立ち上がっていた。
反射でガグガグ俺は震えた。

「あっ、や、やめっ…っ!」

そして今度は、長与はくちゅくちゅと俺の先端を握りしめて弄りだした。
ダラダラと先走りがたれ、ぐちゃぐちゃと卑猥な音がする。
俺の体は強い快楽と羞恥心で真っ赤になった。

「おま、…、な、なに、した⁈」
「え?なおさんに、俺が調合した、気持ちよくなるお薬、打ったんです。全自動です。」
「はぁ⁈ばっ、…っ、やっ、な、なん、で⁈」
「はは、愚問ですね〜。言ったじゃないですか。」

長与は至極楽しそうに、犬歯を見せて笑った。

「なおさんが、好きだって。」
「は?…っ、あ⁈」

言いたいことだけ言うと、今度はかがみ込みパクりと俺のものを咥え込んだ。
そんなの、長与がするとは思わなかった。
大体長与との行為で、俺が純粋に快楽を感じる事は少なかった。
久々のダイレクトな刺激。その上怪しい薬まで使われて、気持ち良すぎて腰から溶け落ちそうだ。
いや、というか、俺を好き?
そんな事、言ったか?
最初の、好きとか言うあれ?
え?俺の事?
そんな…。そんな事…。

「ん、なおしゃん…」
「っ⁈…っ、しゃ、しゃべ…っ!やめ、ろ‼︎」

段々と痺れも切れてきた。
しかし身じろいだところで、手首と足首につけられたベルトがギシギシ言うだけだった。

「あっ、…〜〜っ!」

で、でる!

「ぐっ〜っ‼︎」

びくっびくっと断続的に出るものを、長与は吸い上げてごくごくと飲んだ。
まじでか…。

「あっ、やっ、はなっ‼︎〜っなが、よっ!は、はなっして…っっ!」

しかもいったばかりのそこを長与はまだ離さなかった。
しつこく舌先でこねくり回し、逃げる俺の腰を掴まえくつくつと笑う。

「ぁっ、くっそ…っ!〜〜っ‼︎やだっ、また、いぎっっ!〜っ!」

結局、長与がようやく口を離した頃には、俺は既に虫の息だった。

「あははは!本当に、さいっこう、です!」
「…」

そうかい。
こっちは全体力、全精力?吸い上げられて瀕死だ。
バキュームかよ。
もうお前、本当死ねよ。
くそが。
俺は死んだ目で、上機嫌な長与を睨んだ。

「じゃ、なおさん。」

ひとしきり笑った後、長与は再び俺に話しかけてくる。
やっとかって気分だ。
そろそろ解放か。
解放されたらぶん殴って、ここから速攻出て行こう。
もうこんな奴のとこー

「そろそろ本番いきますね。」
「え?…っ⁈」

どう言う事だ?
放心状態だった俺は、ぎょっとして長与を見返す。
長与はその視線に何故か微笑み返してきて、一気に俺を貫いた。
勢いと圧迫感に俺がのけぞるのを、長与が満足げに見つめていた。

「なおさん…やっと一つになれましたね…気持ち良い…。」

長与は満たされた様に、満足気な声をだす。
その下の俺は見るも無残に、脂汗をかいているわけだが。

「やめっ、…っぅわっ、まじか…っっ!んっっ!」
「なおさん、なおさん…っ」

長与はもがく俺の顔を掴み、強引に口付けた。

「っ‼︎」

しかし俺だって当然抵抗する。
長与の舌を噛んだ。
流石に長与が眉を寄せ口を離した。

「…」
「馬鹿野郎。はな…っ‼︎」

ピッ
俺の言葉を待たずに、また長与があのリモコンのボタンを押した。
再び太腿にチクリと刺激が走る。
まだあったのか…。

「あっ、うわっ…っ、くっそ……っふぅ」
「本当に。手のかかる人ですね、」

一旦落ち着いた熱が再び昇ってくる。
かぶりを振る俺を、再び長与が捕まえる。
そしてキス。
身体は熱いし、長与の舌をも熱い。下半身も焼ける様に熱い。
気持ちいい。
熱い。
気持ちいい。
熱い。
気持ちいい。
気持ちいい。

「ぁぁっっ〜〜っ!」
「ふっ」

へろへろとキスの後の涎を垂らす俺に軽いキスを落とし、長与が状態を起こす。

そこからが本当の地獄だった。
もう何も射精もままらない俺を、長与はバスバスと犯した。
俺も変だった。
気持ちよくないはずなのに、気持ち良すぎて脳がすり切れる。

「なおさん、大好き。」
「っっ、〜〜っ!」

長与は止まらず、その日は一日中やられた。
何処かで言っていたとおり、次の日も、更にはまた次の日もやられた。

「なおさん、俺は人の苦む顔じゃなくて、なおさんの、苦しむ顔が好きなんです。」

長与が愉悦の表情で続ける。

「愛してます。」
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