日記

『ロシア紅茶の謎』有栖川有栖

2024/11/15 00:02
小説の話
2024/11/13~11/14

 火村シリーズの短編集『ロシア紅茶の謎』有栖川有栖 講談社文庫 を読んでみた。

 こちらも雨宮夜雨さんに紹介してもらったものです。夜雨さんありがとうございます!

 短編集ということで、6つある中から紹介しようと思う。

『動物園の暗号』動物の名前の暗号が出てくるお話。私は謎解きは苦手なため解読出来なかったけど、さすが火村先生、解答に辿り着き見事に犯人を当てた。しかし殺された善治、暗号パズルに自分を殺した犯人の名前を入れることになるなんて、死ぬときまで思いもしなかっただろうな。

『屋根裏の散歩者』江戸川乱歩の有名作品と同じタイトルなのは、屋根裏を散歩するのが日課になった被害者の老人が登場した故にだった。怪しくない奴を疑えが探偵ものではつきものだが、まさしく今回はその通りだった。屋根裏で歩き回り、他人の秘密を垣間見ていた老人は、他に趣味や人付き合いがあれば殺されることもなかっただろう。他人の日常生活を盗み見ることは、きっと甘い蜜のような味なのかも知れない。

『赤い稲妻』密室トリックも、必ず密室になるためのトリックがあるのは当たり前なのだが、やっぱり私の頭脳だとわからない。最後の火村の畳みかけるように犯人を追い詰める様は「お見事」と思ってしまった。犯人に反撃をさせないために次々と攻撃する(口撃する)火村先生、カッコイイ。

『ロシア紅茶の謎』トリックは数あれど今回のトリックはなかなか風変わりだった。毒の容器が溶けてしまう物なら、証拠は残らない。ちょっと推理を外し過ぎてシラケた目で見られるアリスが可哀想だった。アリス、がんばれ。



 どうもアリスは間違った推理をよくしてしまうらしく、その度に火村のツッコミが入る。いつかはピタリと当てて、火村を驚かせる日が来るのだろうか。

 私は冴えた頭ではないのでアリス目線で見ていて、火村の推理を「なるほど」と毎回驚きながら見ている。

 推理作家のアリスと犯罪臨床学者の火村のコンビ、回を追うごとにふたりのやり取りが見ていて楽しくなってきた。

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