日記

『コンビニ人間』村田沙耶香

2024/11/07 00:01
小説の話
2024/11/4

『コンビニ人間』村田沙耶香 文藝春秋 を読んでみた。

 主人公の小倉恵子は人とはちょっと違った感性の持ち主で、それゆえに周りとのズレを幼い頃から意識していた。

 そのズレを治そうと、マニュアルがあるコンビニで働き、自分の年代に合う話し方、服装などをコンビニで一緒に働く仲間から学び、人との違いを誤魔化してきた。

 そんな恵子の転機は、コンビニにアルバイトに来た白羽だった。

 白羽はやけに上から目線で被害妄想が激しく、世間や周りを非難しては落ち込む、この男もまたズレた人間だった。

 そんな2人が出会い、互いの世界が交差し始めるのだが。

 恵子は普通になるようにと周りに思われているけれど、そもそも普通とはなんだろうと思ってしまう。

 周りに合わせて怒り、泣き、笑って、それは確かに社会で生活する中で必要なことなのだろうけど、恵子のような人間がいたっていいんじゃないかとも思う。

 もちろん、余りにも違った感性は怖いとも思うけど、あくまで彼女が普通を目指していて、コンビニが彼女の安心出来る場所ならば、いいんじゃないかと思う。

 結婚していなくて独身で、ずっとアルバイトで、男性と付き合ったことなくても、人から言われる筋合いはないと思うし、彼女の人生なので生きやすいようにそっとしてあげて欲しい。

 まあでも、白羽の人となりはひどく、読んでいて不快感があり、ちょっと読了出来るか心配になった作品だった。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可