日記

『猫を処方いたします。』石田祥

2024/11/02 00:02
小説の話
2024/11/1

 表紙に惹かれて買った『猫を処方いたします。』石田祥 PHP文芸文庫を読んでみた。

 京都の古くて汚い雑居ビルの5階に、そのメンタルクリニックはある。

 京都喋りのノリの軽いニケ先生が処方するのは、なんと猫。

 みんな戸惑いながらも、処方された猫たちを服薬していく内に、猫に癒され気持ちに変化が訪れる。

 やっぱり猫は可愛くて人を癒してくれる、最高のお供だなと思った。

 会社に疲れて、人に疲れて、日々の忙しさに疲れて訪ねた、タイプも違ういろいろな登場人物。

 みんな猫と関わり、世話をしていく内に、心の悩みが溶けていく。

 処分されるはずだった犬が、老人ホームで老人たちの癒しになって活躍している話を思い出した。

 人間はふわふわの犬や猫を撫で、話し掛けることで、心のモヤモヤが軽くなるのかも知れない。

 もちろんメンタルクリニックに行って猫を処方されたらびっくりするけど、5日、10日間だけの処方なら、初めて飼う人には良いのかも知れない。

 最後にニケ先生と看護師の千歳さんのことが分かり、そのためにここのクリニックは開いているんだなあと、納得した。

 猫と人とのほっこり話で、読みやすい作品だった。

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