日記
『世界から猫が消えたなら』川村元気
2024/11/02 00:00小説の話
2024/11/1
本が届いたので、さっそく読んでみた。
『世界から猫が消えたなら』
川村元気 マガジンハウス
前に話題になってた本で今回気になって買った本。
あらすじは、郵便配達をしている主人公が医者から余命半年、または1週間と診断される。そんな主人公に、自分そっくりの悪魔が現れて「寿命は明日」だけど「世界からひとつ何かを消せば、寿命が1日延びる」と言われて、主人公は世界からひとつずつ物を消し始めていく……。
タイトルを最初に読んで「猫は消さないで!」とまず思った。
そして私の場合、多少の希死念慮というか積極的に死ぬ努力はしないけど、「いますぐ死んでもいい」という願望(?)があるので、こういった余命半年とか余命ちょっとしかないという主人公は羨ましい。
なぜ足掻こうとするのか、ちょっと気持ちが分からないのだけど、主人公はあくまで悪魔が提案する物しか消せないというのがミソだな、と。
こちら側から「スイカの種を消せ」「家のホコリやカビを消せ」は出来ないらしい。
主人公は悪魔が提案する物を消していくんだけど、最初の電話は不便だなと思った。
いまやスマホがないと生活出来ない人がたくさんいる中で、電話がなくなると連絡が取れなくなり、待ち合わせはもちろん、緊急の用事やメールのやり取りも出来ない。
でもその一方で、スマホに取られている時間はたくさんあり、電話がなくなることによる恩恵もまたあるのだと思う。
自分の命と引き換えに消されていく物、当たり前にある物が消えていくこと。
本書の中にある「何かを得るためには、何かを失なわなければね」という言葉は、誰かが何かを得たら誰かが何かを失うことも然り。
死を意識した人間が考える最後にしておきたいこと、心残り。
それらを振り返れば見えてくる、自分にとって大切なこと、伝えたいこと、会いたい人。
死というものは、普段忙しない日常の中では見えても見ようとしない物事まで、隅々まで考え悩むことになる。
主人公が最後に辿り着いた会わなければいけない人、伝えなければいけない大切なことに気付けてよかったと思う。
猫のキャベツが可愛らしく、悪魔も陽気で、嫌いな人物は出てこなくて読みやすく、すいすいと読めた作品だった。
本が届いたので、さっそく読んでみた。
『世界から猫が消えたなら』
川村元気 マガジンハウス
前に話題になってた本で今回気になって買った本。
あらすじは、郵便配達をしている主人公が医者から余命半年、または1週間と診断される。そんな主人公に、自分そっくりの悪魔が現れて「寿命は明日」だけど「世界からひとつ何かを消せば、寿命が1日延びる」と言われて、主人公は世界からひとつずつ物を消し始めていく……。
タイトルを最初に読んで「猫は消さないで!」とまず思った。
そして私の場合、多少の希死念慮というか積極的に死ぬ努力はしないけど、「いますぐ死んでもいい」という願望(?)があるので、こういった余命半年とか余命ちょっとしかないという主人公は羨ましい。
なぜ足掻こうとするのか、ちょっと気持ちが分からないのだけど、主人公はあくまで悪魔が提案する物しか消せないというのがミソだな、と。
こちら側から「スイカの種を消せ」「家のホコリやカビを消せ」は出来ないらしい。
主人公は悪魔が提案する物を消していくんだけど、最初の電話は不便だなと思った。
いまやスマホがないと生活出来ない人がたくさんいる中で、電話がなくなると連絡が取れなくなり、待ち合わせはもちろん、緊急の用事やメールのやり取りも出来ない。
でもその一方で、スマホに取られている時間はたくさんあり、電話がなくなることによる恩恵もまたあるのだと思う。
自分の命と引き換えに消されていく物、当たり前にある物が消えていくこと。
本書の中にある「何かを得るためには、何かを失なわなければね」という言葉は、誰かが何かを得たら誰かが何かを失うことも然り。
死を意識した人間が考える最後にしておきたいこと、心残り。
それらを振り返れば見えてくる、自分にとって大切なこと、伝えたいこと、会いたい人。
死というものは、普段忙しない日常の中では見えても見ようとしない物事まで、隅々まで考え悩むことになる。
主人公が最後に辿り着いた会わなければいけない人、伝えなければいけない大切なことに気付けてよかったと思う。
猫のキャベツが可愛らしく、悪魔も陽気で、嫌いな人物は出てこなくて読みやすく、すいすいと読めた作品だった。