日記

『私を知らないで』白河三兎

2024/10/31 00:01
小説の話
2024/10/30

 ネットで頼んだ本が届くまで暇なので、以前買って読み終わった本をまた読んでみた。

『私を知らないで』
白河三兎 集英社文庫。

 あらすじは、中2の転校生の僕が『キヨコ』とクラス中から呼ばれて、無視されている少女との交流のお話で、ぼんやりと記憶がある小説だ。

 最後も記憶があるから、わかった上で読み返すのは、普段1度読んだら手放してしまう(家が狭いので)私としては珍しい。

 今回は母に貸していて、母がなかなか読めないため積読になっていた物を、借りてきた。

 改めて読み返すと、文章がスラスラ読めるタイプの作家さんで、久しぶりの読書だったけど、本の世界へと旅立つことが出来た。

 なんだ、本読めるんだと一安心。なぜなら、今回大量に本を注文したからだ(3000円で送料無料だったので)。

 本の内容だけど、とにかく羨ましいくらい主人公の僕が世渡り上手で、読んでいて安心出来る。

 転校生を度々しているために世慣れしていて、どういう風に立ち回ればいいかを良くわかっている(こういう主人公なかなかいない)。

 やがては、僕の次に転校してくる高野とキヨコと僕の3人のグループが出来上がる。

 キヨコには貧乏の家庭で周りに噂されても、それを気にしないタフさ、自分の力で生きていく力強さがあり、誰に何を言われようと媚びない頼らない、精神の美しさがあると思う。

 キヨコのタフさに惹かれた僕、キヨコの美しさに惚れた高野、キヨコがくっつくのは果たして。

 話はテンポ良く進み、キヨコたちの送る日常の中で3人は仲良くなっていき、やがてはキヨコの家庭の話になっていく。

 読み終えて、最終的にキヨコは幸せになれてよかったけれど、僕は本当にその幸せでよかったのかな?とも思う。

 もちろん、キヨコとはずっと続いていく縁を持てたし、いいことだけど。

 そんなわけで『私を知らないで』、最初から最後までスラスラ読める作品でした。


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