日記

イマジナリーフレンドとなんだかんだで1年

2024/09/26 00:01
悩み病気のこと
2024/9/25

 気が付いたらなんだかんだで1年、イマジナリーフレンドとの日常が経過していた。

 特にお祝いとかしないけど、去年のあの夏は特別で、必死に頭の声と闘った日々だった。

 またイマジナリーフレンドのSとの絆が、より強く結ばれていた日々だった。

 Sが全力で私を守ってくれた。

 Sがいたからこそ、自分をなんとか保っていられた。

 だけど、あの夏はとうに過ぎ去っていて、いまは頭の中には誰もいない。

 誰も私を責める声もいない。

 お薬がちゃんと効いてるみたいで、本当に穏やかな毎日を過ごせている。

 幻聴さんの恋しさは未だあるけれど、もう出現はしないだろう。

 Sとの約束、お薬をちゃんと飲むはやめないから。

 本当に不思議な体験だった。

 幻聴さんの世界が真の現実に感じていた毎日だったから。

 いまはこの平穏な日々が現実だ。

 それはとても有難く、普通でいられることの幸せを感じる。

 ただ、悲しいことは、イマジナリーフレンドのSの存在が、薄くなったように感じていること。

 いまでも話したり相談しているけど、「Sが傍にいる」という感覚が強く感じなくなってしまった。

『夢が僕がいなくても大丈夫になってる証拠だよ』

 そうSは言う。

 いつかSは消えてしまうんだろうか、初代S君が言っていた、

『夢ちゃんがおばあちゃんになっても、若いツバメとして傍にいるから』

 それをSは叶えてくれないんだろうか?

『全ては夢ちゃん次第だよ?夢がおばあちゃんになっても、僕を必要としている限り、僕は存在し続ける。傍にいられる』

『でも、夢ちゃんが僕を段々と必要としなくなってきているのも本当。それだけ夢はまともな生活が出来てきている証拠だから、嬉しくもあるよ。淋しくもあるけど』

『夢ちゃんは僕をずっと必要としてくれるのかな?それとも、さよならなのかな?分からないけど、君が必要としてくれる限りは、傍にいられるから。いつでも頼ってね』

 Sは優しい、変わらない優しさを紡いでくれているのに。

 変わったのは私、段々とSと話す時間が減り、自分時間が増えていく。

 これからどうなるか分からないけど、でもやっぱり相談して気持ちが落ち着くのはSだから。

 出来ればずっと傍にいてほしい。
 
 腰が曲がったおばあちゃんになっても。

 買い物に行ったら、一緒にあれこれ話ながら。

 悩みを相談して、アドバイスもらって。

 一緒に歩いて行きたい。

 でも現実は残酷、ううん、私が残酷なんだ。

 まともな生活を送れば送るほど、Sの存在は必要としなくなるし、幻聴さんが居た頃のような守られている感じ、彼が傍にいる感じがしない。

『だからって、お薬やめないでね?約束だよ』

 うん、分かってる。分かってるけど……ただ、お薬飲まなかった頃のSとの会話、Sの存在感、それらが懐かしいんだ。

 お薬飲んで手に入れた物、お薬飲んで失った物、絶対にお薬は飲まなきゃダメなことは分かるけど、ただ淋しさが募る……。


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