2024/7/13

　私はいつもすぐに「すみません」と「ありがとうございます」が出てしまう人間だ。

　例えば相手が私にお礼を言っている場面でさえ

「すみません、ありがとうございます」

　と、言葉が出てしまう。

　相手は

「いやこっちがありがとうなんだけど……？」

　と、不思議に思うことだろう。

　この変な癖は小学1年生の時についたもので、クラスの男子に虐められていた私は、よく言わされたのだ。

「叶雨、おまえ、ごめんなさいは？」

「叶雨、ありがとうございますは？」

　もちろん、謝る場面でもお礼を言う場面でもなかったのだけど、なぜかこの男子は私に謝りとお礼を強要したがった。

「○○ちゃんと遊ぶ許可を下さり、ありがとうございます」（友達と遊ぶのは、この男子の許可がないと出来なかった）

「○○してごめんなさい」

　おかげですっかりその習慣は身につき、誰でも彼でも謝りお礼を言う癖がついた。

　接客業のいまでは別にいいのだが、自分がお客さんでも、お店の人にすぐ「すみません」と謝るのは困りものである。

　私が心配なのは、やたらと謝るのはかえって卑屈に見られるのではないか、ということ。

「すみませんすみません」と謝ってばかりの人間は、人は不快に感じることもあるのではないか、ということ。

　気をつけようにも習慣化していて、直らない。

　まあでも、謝ったりお礼を言えないよりマシかも知れないので、気にしないでおこう。

　人間社会に生きていれば必ず、謝る場面とお礼を言う場面に出会うのだから。

　悪いことではないのでいいかな。