日記

ペットショップオブホラーズ

2023/08/03 00:05
マンガの話
 子供の頃、何回も読んだ秋乃末莉先生の作品。

 妖しくて綺麗な中国人の青年、D伯爵(カウント・ディー)と刑事レオンのコンビで活躍する第1シリーズが大好きです。

 そんなペットショップを舞台に広げられる、摩訶不思議で幻想的なこの作品を、紹介していきたいと思います。

 あらすじとネタバレありの感想で書いていきます。

 ではどうぞ。




 アメリカにある中華街。

 そこには中国人が営む小さなペットショップがある。

 そのペットショップでは古今東西、ありとあらゆる動物が手に入るという。

 希少種から滅びた品種、さらには想像上の生き物まで。

 そんな不思議なペットショップにお客は、自らが望むペットを求めてやってくる。

 ある者はペットを、ある者は恋人を、ある者は家族を。

 中国人のオーナーであるD伯爵は、必ずお客が求めるペットを提供してくれます。

 不思議なお香により動物たちは人の姿に変わり、お客を惑わせる。

 時には最愛の娘の姿をしたうさぎを、時には権力を与えてくれる麒麟を、時にはダイエットをサポートしてくれる黒猫を。

 お客の望みに沿ったペットを紹介してくれます。

 しかしD伯爵の店でペットを飼うには必ず守らなければならない、条件があります。

 それを破れば最後、お客には不幸な結末が訪れる……。

 刑事レオンは変死した俳優の死因を探りに、ペットショップへ訪れます。

 その事件をきっかけに、あらゆる事件の傍にはD伯爵の店で売られたペットが関わっているということで、刑事レオンはD伯爵の尻尾を掴もうと、ペットショップに入り浸るようになるのだった。



 D伯爵がすごく好きでした。

 自分だけのペットが人間の姿に見えるなんていいですよね。

 以下は各話の感想。

 1巻の第1話 Dream

 衝撃のスプラッターありの第1話。

 美しい綺麗な歌声で、主人であるアンジェリークを癒してくれる極楽鳥(ストレリチア)のピーちゃん。 

 恋の歌を歌っているとD伯爵から聞き、アンジェリークはピーちゃんにお嫁さんを追加で飼うけれど……。

 ピーちゃんが死ぬ間際まで、主人のアンジェリークを想い歌っていたと思うと、悲しいですね。


 1巻の第2話 Despair

 刑事レオン初登場の回。

 俳優のロビンが変死して、傍らにはペットショップで買われたトカゲも一緒に死んでいたことから、レオンはD伯爵の店に来ます。

 D伯爵はロビンは自分の亡霊に殺されたのだと、推測を話し始めるのだった。

 バジリスク(瞳に相手を映せば殺せる能力がある)である彼女が愛しい人を初めて見た瞬間、彼は息絶えてしまったという事実。

 その現実を瞳に映した彼女は、どれほど悲しかっただろうか。

 バジリスクの彼女の気持ちを思うと可哀想です。


 2巻の第3話 Delicious

 奇跡の歌声を持つ歌手のエヴァが結婚式の当日に、船上から身を投げ自殺をする。

 新郎のイアソンはD伯爵のペットショップで、珍しいペットを紹介される。

 それはエヴァそっくりの姿をした人魚だった……。


 人魚のエヴァが美しいです。

 人魚のエヴァがイアソンに抱きついた時の、ニヤリとした顔が印象的。

 彼女は人魚になることでイアソンの心を独占することが出来た。

 それだけ彼の心が欲しかったんでしょうね……愛して欲しかったんだろうな。



 他にも第1巻の第4話のDreizehnはこんなかっこいいボディーガード欲しいな~と当時は思いましたし、第9巻のDuelはD伯爵の虎が欲しいボスのために、D伯爵の元へ行くシャオファの気持ちを思うと辛いですね。

 シャオファが、ボスのために虎に願った想いと結末が悲しかった。


 なんだか長くなってしまいましたが、他にも伝えきれないほどペットショップオブホラーズは、残酷で美しく、脆く儚い幻想的な物語を見せてくれます。

 D伯爵の傍にいるウサギコウモリのQちゃんや、饕餮(とうてつ)のテッちゃん、3つ首竜の朱香たちなど魅力的な動物たちもたくさん出て来ます。

 ペットショップオブホラーズはコミックス全10巻、文庫版全7巻です。

 今回紹介したのは、第1シリーズの『ペットショップオブホラーズ』で、第2シリーズは『新ペットショップオブホラーズ』となっており、日本の中華街が舞台になっています。

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