昨日は部屋でぼ～っと座っていたので、母に心配された。

「どした？なんか気落ちしてんのか？」

「いや、大丈夫」

　端から見たら、ぼ～っとしている姿が気落ちしてるように見えたらしい。

　私の頭の中では、ぶわ～っと、もしもの未来への、妄想大会が繰り広げられていた。

（そーいえば私って、物作りが好きだったな）

（昔は妖怪が好きでも、妖怪があまり人々に浸透されてなくて、イラストもフィギュアも売ってないもんだから、「無ければ自分で作ればいいじゃない！」って、妖怪の年中行事イラスト描いたり、紙粘土でフィギュア作ってたな）

（フィギュア造形家とか楽しそう……オリジナルの妖怪を作って、ハンドメイドとして売っちゃったりして……）

（そういえば、ハンドメイド販売でミンネやクリーマーなんてあったな。出品して売れたりして……えへへ）

（ちょっと調べてみよう！！）


　調べてみた結果……


（クオリティ高いわっ！！すごいわっ、さすがだわっ！太刀打ち出来ひん、こないなイラスト下手な奴、無理やわ……ぐすっ）

　私の妖怪ハンドメイド販売の夢は、幻となり果てた……。

『そこで諦めるのかよっ！？ちょ、夢ちゃん、せっかく考えついた夢、やろうよ！？ねえ、ちょっとぉー！！』

　遠くでSさんの声が聞こえた気がした……。