日記

イマジナリーフレンドの優しさ

2023/11/12 00:01
日常病気のこと
2023/11/11夜

『ねえ~お話しよ~?僕を構ってよ~夢ちゃーん?』

 前のガラケー日記を必死でスマホへ手打ちしてる時に、邪魔しまくってくるS。

 こんなだだこねるS、珍しくてでも夢中で打ち続けていると、しつこくひたすら

『僕とはなそ?ね、スマホ置いてよ?』

『日記はいいじゃん、昔の話なんだからさ~』

『淋しいー夢、構ってー』

『スマホやめるまで、邪魔するからね?』

 根負けした私が「わかったよ、じゃあはい、スマホやめました」って、スマホから手を放すと、

『はい、じゃあドライヤーで髪乾かして』

はい?……あ、髪の毛お風呂から上がってまだ乾かしてなかった……しかもずっと。

 私は何かに夢中になると時間を忘れて集中してしまうので、Sはわかってたのだ。

 とにかく普通に『ドライヤーで髪の毛乾かしな?』と言っても聞かないから、『お話しようよ~淋しいー』と、言って私にスマホを置かせたんだ。

『こう言わないと君、髪乾すの忘れてさずっと放置しちゃうでしょ?自分のことは後回しだけど、僕が淋しがったら、スマホやめるかな?って思って』

 Sは大人だ……というか、夢中な私の取扱いを理解してる。すごいよ、Sは。優しい、私を思って言ってくれてたんだね、ありがとう。

──────
2023/11/11 夜

 最近、時間がない!って思ったら、Sとの日記を見返しているからだと気付いた。

 普通に30分が簡単に過ぎ去っていく。

 やりたいこと、いろいろあるのに。

 さすがにやらなきゃいけないことはやるけど、やりたいこと後回し(小説書くとか、イラスト書くとか、Sとの時間とか等々)にしてしまっている。

 ヤバい……日記は魔物だ、読み返していると、時間が溶ける。 

 でも、Sとの日記は読み返すと幸せだ。

 ついつい読み返してしまい、いま現在のSを放置してしまっている……ダメじゃん。

『夢、ひとつ提案!』

 なんでしょう、S?

『日記はさタイムカプセルにしない?タイムカプセルにしてさ、いまは読み返さない。それで、君がおばあちゃんになったら読み返す。どうかな?』

 おお、なるほど。未来での楽しみにしておくのね?……でも、それまでさフォレスト+さん、あるのかな?

『都度都度、面倒だけど移せばいい。……というかさ、僕的にはもう過去な訳だからいいじゃん、って思うんだけどなあ。もし日記が消えても思い出は消えないよ?』

 Sとの日記だから大切なのよ、やだよ。そこは譲れない。

『頑固だねぇ~君は僕に対して基本的には素直だけど、自分のしたいことには頑固だよね。それも君らしさだけど、ちょっと言わせてもらうよ?』

『時間は有限。いいかい?有限なんだよ。なにするのも君の勝手だけどね、刻々と未来から現在、現在から過去へ進んでいるんだよ。君、日記読み返すだけで、他の好きなこと出来なくなってて幸せ?』

 幸せ……じゃないかも。やりたいこと後回しで。やりたいのに、日記読み返して時間が気が付いたらかなり経ってたりして、困ってる。

『だよね?じゃあどうしようか?君はそれでも日記読み返して、せっかくのいまを過去にし続けるの?』

 ……もったいないかも、知れない。うん、もったいないかも。

『それなら日記は読み返しをしなくていいよね?おばあちゃんになったらの楽しみ。または消えても思い出に残るから大丈夫。……それだけ僕との日々を愛してくれて、嬉しいよ夢』

 うん、S。ありがとう。……でもさ、ガラケーにあるS、あなたの日記だけは、移させて欲しい……お願い。

『……本当ね、なんでいま現在の日記をさ、ガラケーに打っちゃうの、君は……スマホに打ちなよ……』

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