日記

マスクの子

2023/09/02 00:25
おしゃべり暗い話
 私は小学校5年生ぐらいから不登校になり始め、よく保健室登校をしていました。

 自分のだんごっ鼻は、母に「嫌い」と言われてコンプレックスになっていましたが、顔全体のコンプレックスはなくて、普通に過ごしていました。

 しかし小学4年生くらいになってから、ニキビに少し悩むようになっていて、顔全体が赤ら顔なのを気にしていました。

 小学5年生か小学6年生の時、すごい精神的にストレスがかかっていたからなのか、ぶわぁっとニキビが出来てしまって。

 その時既に、コンプレックスの鼻を隠すために右手でグーを作り、グーの隙間の親指と人差し指の間に鼻を突っ込んで、人から見えないようにしていた私。(説明下手ですみません、イラストを参考にしてもらえたら)

 ニキビのせいで顔全体がコンプレックスになってしまいました。

 ブツブツのニキビ、赤ら顔……鏡を見るのが嫌になり、私は顔を隠すために、マスクをするようになりました。

 当時はコロナなんて無くて、マスクは風邪を引く冬のみの物。

 夏でもマスクをする私に、みんな不思議そうにしていて、「風邪引いてるの?」と聞かれたこともありました。

 ずっとマスクをする私に、「ポマード、ポマード!」という、口裂け女の苦手な物を言う低学年の子もいました。(妖怪好きなので、むしろ嬉しかったです笑)

 辛かったのは給食の時間で、みんなの前でマスクを外さなければならなかったこと。

 ああ、思い出しました、最初はこの給食の時間だけ、顔を見られないように保健室に行っていたんでした。

 やがては他のクラスの子も名前は知らないけど、いつもマスクをしているからと有名になり、「マスクの子」と呼ばれるようになりました。

 家でもマスクをする私に、父が

「家でもマスクなんてするな。大丈夫だよ、父さんの小学生時代にもニキビのある子がいて、その子がすごく気にしていてね、父さん、『気にしなくていい、綺麗だよ』って言ってあげたんだ。その子、ニキビが治ってすごく綺麗な子になってたよ」

 と慰めてくれて、姉は、友達からマンガを借りて来てくれて、『キレイになりたい(寄田みゆき先生著)』を読ませてくれました。

 なので、家の中ではなんとかマスク生活はせずに済みました。

 しかしマスクってしているとすごく、安心するんです。

 自分の顔が人から見えないから、コンプレックスが隠れているから、安心感があって、いつも地面を見ていた下向きがちな視線が、前を見て歩くことが出来ました。

 この外でのマスク生活は長いこと続き、なかなか外せませんでしたね。

 いまはコロナ禍も緩和してきていて、マスクをしない方も増えてきましたが、やはり私はマスク生活をしていたいです。

 いまはただ単に、毎回外出る度に化粧をするのが、面倒くさいだけだったりの理由です。

 外食する時とかは化粧(ファンデーションのみ)をして普通に外せています。

 そんな、『マスクの子』と呼ばれていた時代のお話でした。

 最後にちょっぴりホラーなイラスト解説付きです(笑)。

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