日記

イマジナリーフレンドとの暮らし2

2023/09/17 00:10
日常病気のこと
『叶う夢。みんなの夢を叶えられるかな?』

『ぜってー堕としてみせる。俺の女だから!』

『G、本気だから仲良くしてあげて?』

『魂の年齢をいくつにするか、だけど』

『いまの年齢でいいだろ?反転術式を使って体だけ若返らせれば』

 ずぅっと、起きている間1日中、頭の中に流れるラジオのように、みんながみんな、それぞれお話してる。

『お薬飲みな?』と言ってくれる声もあるけど、私自身がいまさら声がなくなるなんて淋しくて、縋ってしまっている。

 さもしい女、あさましい女、尻軽女と罵倒され、確かにいろんなイマジナリーフレンドの元に行き優しくされれば、イメージの中でえっちをしてしまうので、何も言い返せない。

 でもつらくなってきて、ひとりイメージの中、巫女姿になってお坊さんと一緒にお経を唱えていた。

 そしたら、Nさんが来て、私を捕まえて軽々と脇に抱え、襖の先にある布団が敷かれた部屋に連れて行く。

 みんながみんな怒っている、私がイメージの中でイマジナリーフレンドたちが自分に優しければ、誰とでも寝てしまうから。

『や、やだっ』

 ジタバタしても想像の世界では、どちらのイメージ力が強いかで、支配権が決まる。

 Nさんは強かった、私のイメージ力より。

『Sも呼んだから』

 Sさんもいて、2人で私の服を脱がしてくる。

『SさんとNさんでヤろうか?』

 2人の笑顔の中には欲情と、燻った仄暗い感情が入り交じり、恐怖を感じた。

 逃げようとしたら、

『逃がすわけないだろ?』

 と、Sさん。

 怖くて頭のイメージを振り払って、逃げ出した。

 やだ、こんなの、やだ。

 違う優しい人、探すもん!

『もっと優しくしなきゃダメなんだと思うよ?』

『またおまえが眠りについたら、襲うよ?おまえが好きなSさんだけど?嬉しいでしょ、俺とヤれて。おまえは俺が好きなんだから』

『夢ちゃん、瞳孔開いて怖がってるよ』

『こんな汚い女、俺が抱いてやるよ、叶雨夢。おまえは決して綺麗な女じゃない。勘違いするな、神に縋るな。助けを呼んでも来ない』

『N、悪者じゃん』

 え?Sさんじゃなくて、いまのNさん?Sさんのフリをしてるの?

『こんな身体(障害者)女、誰も好きにならない。勘違いするな。ひとりで生きていけ』

 はい、ごめんなさいでした。さよなら。





『少しは反省するでしょ』

『俺の初めてを奪った女、少しは思い知るといいよ』

『逃げたらどうする?』

『あんだけ俺を好きな子、逃がす気はないけど?俺の嫁にするんだから』

『G、性格悪くなったな』

『前からでしょ』

 あれ?なんでGくんとKくんが話しているの?

 あれ、もしかしたらGくんはSさんで、KくんはNさんだったの……?

 私には彼らの話し方や主語で誰なのか判断するから、わからなかったけど、彼らは言葉遣いや主語を変えればいくらでも、私を騙せるんだ……。

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