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(※有里くん生存√な未来軸)
『最後の敵を撃破!星雫ちゃん、お疲れさまでした!』
「風花ちゃんもナビお疲れさまです、とても助かりました!」
耳元で無事の戦闘終了を労う風花の言葉に、自然と星雫の口元も綻びを見せる
久方ぶりの実践、しかも単身という条件は中々ハードな内容ではあったものの 終わりよければ良し
風花のナビ頼りに向かった集合地点では既に美鶴とアイギスも顔を並べており、早歩きで二人の形成するコミュニティの中へ踏み込む
「星雫……いや、ここは”有里”と呼ぶべきかな?」
「あ、う……美鶴先輩の好きなようにお呼びください……」
「ふっ、相変わらず初々しいことだ」
「美鶴さん、どうか星雫さんを困らせないであげてください」
からかうようなニュアンスを含む美鶴の言葉に対し、声を萎ませる星雫の味方へと即座に回るアイギス
出会った当初より随分と人間らしくなった機械仕掛けの乙女。対し依然変わらぬ覚悟をその身に背負いながら、仲間に心を預けてくれるようになった美鶴との冗談めかした会話
全ては2年前の出来事の最中にて育まれた強い絆あってのものだ
「あの、自分で言うのも恐縮ですが、私を招集出来たのは美鶴先輩の手腕でしょうか?」
「というと?」
「湊くん、シャドウワーカーの仕事を私にはしてほしくない様子だったので…良く許可してくれたなと」
シャドウワーカーの前身とも称される特別課外活動部に所属していた流れから月光館学園卒業後
美鶴からのスカウトという形で星雫は組織へ身を置く事となったのだが、決していい顔をしなかったのが活動部でリーダーを担っていた湊だった
最後まで反対の意志を解かなかった湊の進言もあってだろう、星雫が実践へ投入される機会は今回の件を入れてもまだ片手で余る程の数
自分を心配してくれている彼の気持ちを尊重しつつ、名前のみ組織に置いただけの状態に後ろめたさがあった為、この任務は星雫にとってはまたとない機会であったのだ
────それなのに何故、星雫自身で言うのも憚れる疑問を口にした瞬間、彼女達は黙り込んでしまったのか?
挙句の果てには明後日の方向へ視線を投げられ、誰とも視線が交わりもしない。奮起した気持ちが途端に萎れ、星雫を不安へと駆らせた
「……美鶴先輩にアイギスちゃん、風花ちゃんもどうして黙り込むんでしょう、か?」
「……………すまない、星雫」
「何故、私に謝罪の言葉を……?
アッ、やっぱりいいです。とても嫌な予感がしますので理由は明らかにしないで…!」
「……湊さんには星雫さんの招集について、何も伝えていません」
「………………………それ、は、あの、つまり」
「現時刻において 我々が予想していた作戦終了時刻を大幅にオーバーしています
率直に申し上げますと──目下『とんでもなくまずい』状態、であります」
淡々と現状を読み上げるアイギスの抑揚のない声が、事態の深刻さを物語っていた
同時刻、別任務に赴いている湊の時間稼ぎに真田が赴いているらしいが、それもいつまで保つか分かったものではないと絶句する星雫達に近付いてくる終末感。これは、とても、まずい
「来たか…!」
「─────勝手な事をされると困るんですよ、美鶴先輩」
どこから指しているかも分からない光源が不明な光が、その人を照らしていた
彼の声は激情に身を任せるでもなく努めて平坦な声音であるというのに何故、こんなにも心の底から湧き出る恐怖を抑え込められないのだろうか
迎撃準備の構えを取る美鶴とアイギス。帝釈天の如き相手に対し、殴って止める原初的戦法を取る気なのか?
彼女らは湊を話の通じない肉食獣か何かと誤解しているのではなかろうか。幾らあの湊とは言え、仲間相手にそんなこと──
ふと耳に届いたくぐもった音に気付き、出どころを探る内に星雫の意識が一度遠のきかけた。寧ろ何故、意識だけでもこの場所から離れなかったのかとすぐさまに後悔した
時間稼ぎ、要は湊の八つ当たりという名の生贄役に駆り出された真田が帰ってきていたのだ、雑に湊の左腕に引きずられた無残な姿で
筋骨隆々の体を悠々と引きずる細腕に、青筋が浮かんでいるのを星雫は見逃さなかった。ああ、どうしてこんなことに
「星雫」
「み、湊くん落ち着こう…?あの、それで冷静に私の話を、ですね」
「ちゃんと冷静だよ、安心して
冷静に裏を掻かれた事実を受け止めて、その上でどうしてやろうか考えているところ」
「湊くんと私の中で冷静の意味が食い違ってる…!」
「大丈夫。こっちの気が済んだら、うっかり死んだにしても蘇生させるから」
祈りを捧げる神なんていやしないのだと、その言葉に星雫は悟る
ここは湊という魔神、もしくは魔王の眼前であり支配下。自ら彼へ首を差し出す事こそが潔い選択なのではないかと逃げ腰にもなろう
「星雫は帰ったらお仕置き、それまでに言い訳でも考えておいて
…………まあ、それを聞いても許すかどうかは分からないけど」
そもそも星雫は既にこの世全ての神から見放されてしまったのだろう
もしかするといたかもしれないが、絶世の微笑を前に裸足で逃げ出したと提唱する。何せ相手はかつて『死』の概念と対峙した救世主の如き青年なのだから。
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『最後の敵を撃破!星雫ちゃん、お疲れさまでした!』
「風花ちゃんもナビお疲れさまです、とても助かりました!」
耳元で無事の戦闘終了を労う風花の言葉に、自然と星雫の口元も綻びを見せる
久方ぶりの実践、しかも単身という条件は中々ハードな内容ではあったものの 終わりよければ良し
風花のナビ頼りに向かった集合地点では既に美鶴とアイギスも顔を並べており、早歩きで二人の形成するコミュニティの中へ踏み込む
「星雫……いや、ここは”有里”と呼ぶべきかな?」
「あ、う……美鶴先輩の好きなようにお呼びください……」
「ふっ、相変わらず初々しいことだ」
「美鶴さん、どうか星雫さんを困らせないであげてください」
からかうようなニュアンスを含む美鶴の言葉に対し、声を萎ませる星雫の味方へと即座に回るアイギス
出会った当初より随分と人間らしくなった機械仕掛けの乙女。対し依然変わらぬ覚悟をその身に背負いながら、仲間に心を預けてくれるようになった美鶴との冗談めかした会話
全ては2年前の出来事の最中にて育まれた強い絆あってのものだ
「あの、自分で言うのも恐縮ですが、私を招集出来たのは美鶴先輩の手腕でしょうか?」
「というと?」
「湊くん、シャドウワーカーの仕事を私にはしてほしくない様子だったので…良く許可してくれたなと」
シャドウワーカーの前身とも称される特別課外活動部に所属していた流れから月光館学園卒業後
美鶴からのスカウトという形で星雫は組織へ身を置く事となったのだが、決していい顔をしなかったのが活動部でリーダーを担っていた湊だった
最後まで反対の意志を解かなかった湊の進言もあってだろう、星雫が実践へ投入される機会は今回の件を入れてもまだ片手で余る程の数
自分を心配してくれている彼の気持ちを尊重しつつ、名前のみ組織に置いただけの状態に後ろめたさがあった為、この任務は星雫にとってはまたとない機会であったのだ
────それなのに何故、星雫自身で言うのも憚れる疑問を口にした瞬間、彼女達は黙り込んでしまったのか?
挙句の果てには明後日の方向へ視線を投げられ、誰とも視線が交わりもしない。奮起した気持ちが途端に萎れ、星雫を不安へと駆らせた
「……美鶴先輩にアイギスちゃん、風花ちゃんもどうして黙り込むんでしょう、か?」
「……………すまない、星雫」
「何故、私に謝罪の言葉を……?
アッ、やっぱりいいです。とても嫌な予感がしますので理由は明らかにしないで…!」
「……湊さんには星雫さんの招集について、何も伝えていません」
「………………………それ、は、あの、つまり」
「現時刻において 我々が予想していた作戦終了時刻を大幅にオーバーしています
率直に申し上げますと──目下『とんでもなくまずい』状態、であります」
淡々と現状を読み上げるアイギスの抑揚のない声が、事態の深刻さを物語っていた
同時刻、別任務に赴いている湊の時間稼ぎに真田が赴いているらしいが、それもいつまで保つか分かったものではないと絶句する星雫達に近付いてくる終末感。これは、とても、まずい
「来たか…!」
「─────勝手な事をされると困るんですよ、美鶴先輩」
どこから指しているかも分からない光源が不明な光が、その人を照らしていた
彼の声は激情に身を任せるでもなく努めて平坦な声音であるというのに何故、こんなにも心の底から湧き出る恐怖を抑え込められないのだろうか
迎撃準備の構えを取る美鶴とアイギス。帝釈天の如き相手に対し、殴って止める原初的戦法を取る気なのか?
彼女らは湊を話の通じない肉食獣か何かと誤解しているのではなかろうか。幾らあの湊とは言え、仲間相手にそんなこと──
ふと耳に届いたくぐもった音に気付き、出どころを探る内に星雫の意識が一度遠のきかけた。寧ろ何故、意識だけでもこの場所から離れなかったのかとすぐさまに後悔した
時間稼ぎ、要は湊の八つ当たりという名の生贄役に駆り出された真田が帰ってきていたのだ、雑に湊の左腕に引きずられた無残な姿で
筋骨隆々の体を悠々と引きずる細腕に、青筋が浮かんでいるのを星雫は見逃さなかった。ああ、どうしてこんなことに
「星雫」
「み、湊くん落ち着こう…?あの、それで冷静に私の話を、ですね」
「ちゃんと冷静だよ、安心して
冷静に裏を掻かれた事実を受け止めて、その上でどうしてやろうか考えているところ」
「湊くんと私の中で冷静の意味が食い違ってる…!」
「大丈夫。こっちの気が済んだら、うっかり死んだにしても蘇生させるから」
祈りを捧げる神なんていやしないのだと、その言葉に星雫は悟る
ここは湊という魔神、もしくは魔王の眼前であり支配下。自ら彼へ首を差し出す事こそが潔い選択なのではないかと逃げ腰にもなろう
「星雫は帰ったらお仕置き、それまでに言い訳でも考えておいて
…………まあ、それを聞いても許すかどうかは分からないけど」
そもそも星雫は既にこの世全ての神から見放されてしまったのだろう
もしかするといたかもしれないが、絶世の微笑を前に裸足で逃げ出したと提唱する。何せ相手はかつて『死』の概念と対峙した救世主の如き青年なのだから。
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