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上層階にあがるにつれて広がるフロア面積と構造
今までのように四人で一塊に動いているだけでは探索もままならない──時間は有限である、影時間も例外ではない
仲間へ落ちあう時刻、場所を告げ、湊自身も次のフロアへ続く階段を見つける為に散策行動へ向かった
単独で無数のシャドウが生息するタルタロス内を探索するリスクは仲間と共にする行動時とはまた違う緊張感を、彼へ背負わせた
『敵襲です!』
「山岸、」
『はい!救援要請、急ぎますね!』
幸いにも遠距離から湊目掛けて魔法が飛んでくる事態はこの間には見当たらず、直線的な物理攻撃だけが続く
シャドウにとって相対するのは自分のみ、後は攻撃の瞬間を見逃す事さえなければ、何とか回避できるレベル。けれど敵も敵で、物理攻撃が効かないと見るや否や攻撃パターンを魔法へと移行してくるまでそう時間はかからず
今、装備しているペルソナの仮面に対する弱点に着弾する攻撃、比例してよろける体、好機と雪崩れ込む攻撃と湊の合間へと強引にねじ込んできた影から流れる髪色に瞬間、目を奪われた
「枢さん…!」
「ヒーロー見参…って星雫っち、大丈夫か?!」
「う、うぅん……」
「ふ、風花!星雫、どうしちゃったの…?!」
『星雫ちゃん、こ、混乱しちゃってます!』
「っ……!」
「どわあーっつ?!それは洒落にならねーってぇ!」
絶体絶命であった自分を助けてくれた星雫は今や塵となったシャドウの攻撃により混乱状態へと陥ってしまっているらしい
彼女を案じる順平へ振るわれるバルディッシュ、毎回の事だがあの細い腕のどこからあんな力が……と今はどうでもいい議論だと結論を以て湊は思考を閉ざす
空気を斬るバルディッシュの五月雨切りに物怖じしない姿勢、自らが傷付く事を厭わない足取りは彼なら星雫を鎮めてくれるという期待を育ませる
「枢さん」
「っ、ぁ…こ、来ないで……」
「大丈夫、君に酷い事なんてしないから安心して」
混乱状態である星雫も湊を前に怖気づいてしまっているようだ、バルディッシュを振り回す余念すらなくなったのは状況がいい方向へ進んでいる証と言っていい
やはりこの青年なら何とかしてくれるという信頼、星雫もすぐに落ち着きを取り戻すことだろう。やれめでたし、今夜の散策はこの辺りで────
──なんてのほほんと湊と星雫の動向を見守っていた特別課外活動部だったが、湊が震え上がっている星雫を抱き締め始めた所に誰もが疑問を抱き始める。
落ち着かせるにしても距離が近くないか?寧ろ何故抱きしめた?あれ、これ何かおかしくね?と
「星雫さんと僕は恋人なんだから、優しくはしても酷い事なんてする筈がないだろ?」
「なに混乱中に、しかもどさくさ紛れに事実と異なる話を星雫に吹き込もうとしてんの?!」
「…有里くんと私が、恋人……?そう、だっけ……そうだった、ような…………」
「ほら、星雫さんもこう言ってる」
「サ、サイテー!」
「いいから早く星雫っちの混乱解けよ!いくじなし!へたれ!ぎゃー?!」
「余計なことを星雫さんに聞かせるな」
精神攻撃で混乱中なのをいい事に星雫へ刷り込みを行おうとする湊、普段の頼りになるリーダー像はどこへやら
彼にとってかっこよく見せたいのは星雫と決まっているので彼女がこうなっている今、そんなの関係ねぇとばかりの好き放題っぷりである
もしや星雫が湊へ怯え始めたのも防衛本能からではないか。意中の少女を囲った湊の目を潜り抜け、精神状態回復用のアイテムをいつ星雫へ与えたものか、ゆかりの判断力が今、試されようとしていた。
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