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※コレの続きです
※夢主は寝てるだけ
「湊!オイしっかりしろ!」
「……!」
はっと順平からの言葉によって、湊は意識を引き戻された。一体 自分はどれ程の時間を現実逃避に充てていたのか──
例え湊が意識を数分前の出来事に置いてけぼりにしたままであっても、状況は改善されない
「星雫っちを無事に連れて帰るにも、お前の判断が必要なの!
その為にもぼーっとすんなよ、”リーダー”!」
「……ありがとう、順平」
おかげで目が覚めたと感謝すると同時、星雫が重傷を負う要因を生み出した目の前の対象を憎らしく思った。はらわたが煮えくり返るとはまさにこのことだ
先程まではこの強大な敵に対し、逃げの一手ばかりを考えていたが予定変更。どうにかこうにか一発をいれなければ、気が済まない。この激情の落としどころを完全に失ってしまう
「オルフェウス……ッ!」
▽▲▽
窓から差し込む穏やかな日差し、朝の到来と共に目覚めた街のざわめきに引かれるようにして湊も目を覚ます
未だ寝静まったままの寮の気配、まだ仲間が寝ているならと彼も二度寝を決め込もうとする──が、それを阻む窮屈感に睡眠が阻害される。こんなにもベッドは狭かっただろうかという湊の疑念を、眼下の存在が解消した
「…星雫さ、」
胸の内だけでせき止められなかった呼びかけを慌てて呑み込み、そろりと隣に寝転ぶ少女の顔を覗き込んだ
今の声に起こしてしまったのではないかと心配する湊の想いを他所に、星雫は穏やかな寝息を立てながら、未だ安眠を貪っている。ほっと安心した為か、この状況を生み出すまでの経緯が徐々に脳内で再生を始める
昨夜、突如として『死神』の強襲を受け、当時の探索メンバーとして行動を共にしていた彼女が致命傷を負った
幸いにして、その場に治癒に長けるゆかりがいた為に星雫は死なずに済んだものの、ゆかりまでも戦線から抜けるとなると戦えるのは自然と湊と順平の二人だけとなる。救援に急ぐ美鶴達が間に合うかどうかの瀬戸際、湊は弾けた
意中の少女を傷つけた『死神』の殺意も、こちらを殺す事だけに特化した戦闘力も知ったこっちゃねえとばかりの猛攻。まだ全書に登録さえしていない筈のペルソナをも召喚しながら、『死神』を完膚なきまでに捻りつぶしたのである
最早、一撃どころで収まらず、対象を世界から消滅させねば気が済まないジェノサイドっぷり。これには思わず焚き付けた側である仲間の順平すらも「お前マジか…」とドン引くキレっぷりであった
「……人を好きになるって、怖いな」
傷付いてほしくない、失う事への恐怖を覚えた
代わりに大切な人を守る為に強くありたいという向上心が芽生えた、全部キミに出会って教えられた事だと湊は星雫が眠っているのをいいことに華奢な体を抱き締める
目いっぱいに吸い込む事で胸を満たす柔らかな香り、触れた箇所から伝播する体温が心地良くて、もっと欲しいと強欲が顔を出す。このまま一つに溶け合うまで、欲に尽きる日は訪れないだろう
「夢の中で会おうね、星雫さん」
星雫の体温や香りを感じながら、全てを彼女のもので構成された部屋で湊も再び眠りにつく
思わず目を覚ましてしまう程の窮屈な中で味わう心音が、星雫の生きている証が耳朶を柔らかく擽った。
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