SS-p3
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
仲間の召喚するペルソナの攻撃が、最後の一体であるシャドウを葬り去る
フロアのスキャン結果を報告する風花曰く 周囲に敵性反応は発見できず。安全を確保できたタイミングでこのまま次の階層へ進むか、一度戻るかを湊と美鶴が審議し始めた
休憩も兼ねた待機時間、先程の戦いでも活躍したコロマルの白い毛並みを労いの意味も籠めて撫でる。心地よく感じているのか揺れる尻尾が何とも愛らしく、お返しとばかりに撫でている星雫の心をも癒してくれた
「……?」
回復も兼ねて一度、エントランスへ降りる事を判断したパーティの後方に従っていた際に変な引っ掛かりに引き留められた
どうやらスカートの裾から伝わってきているらしい引っ掛かりの原因にコロマルが連想されるも、星雫よりも先に二人の後を歩いている為に理由としては除外される。では一体、何が
オブジェクトか何かに裾を引っかけてしまったのだろうか、仲間の姿を本格的に見失う前にと慌てて視線を下へ向けた星雫だったが、”それ”を前に石化してしまった為に結局、湊達から離脱してしまう結果を招いたのであった
「彼女は今、どこに……」
「ごめんなさい、遅くなりました!」
合流を目指す足音が近付くにつれ、ハッキリとした輪郭が薄闇より浮き彫りになる
仲間の一人がいないと引き返そうとした矢先のこと。孤立した所を襲われた様子もない無事の姿に安堵したのもつかの間、星雫の抱えて来た問題がまたひと波乱を起こそうとしていた──
「これは……問題はないのか?」
「…………」
「一応、星雫ちゃん達に何かしらの異常が発生している様子はないので、多分…?」
エントランスまで降りて来た先行組の何とも言えぬ表情に訝しんでいた待機組も、”それ”を前に同じ混乱を発生させていた
取り囲むゆかり達の顔を、星雫の腕の中から不思議そうに見上げる氷結属性のペルソナ。湊が所有する複数の内が一体 ジャックフロストが宿主の意志と反する形で、ここに顕現していたのである
しかも星雫から引き剥がそうとすれば 反抗するといった、まさにお手上げ状態。腕にいる間は大人しいので抱き上げておくしかないのが唯一の対抗策となっている
『ヒホ?』
「~~~~~~~~ッ!」
「わあ……星雫が見た事ないくらいに悶えてる…」
「み、見てください、この愛らしさを…!」
「星雫さんは愛らしいものが好き…なるほどなー」
女性陣がジャックフロストを中心として和気藹々な空間を形成している一方、異なる気温差に支配されているのが男性陣である
幾らもう一人の自分とはいえ、意中の人間にちやほやされているのを見るのは気に食わないのか 召喚器の撃鉄を一心不乱に引き続ける湊
彼が羅列する所有ペルソナの名前が段々と危険度を有したものになっていく口ぶりは、流石の天田をも恐怖に震えあがらせ、コロマルに縋らせるきっかけを与えていた
とにもかくにも早く星雫と密着する己のペルソナをどうにかしたい、けれど彼女の珍しい姿を捉える事が出来たので無下にするのも野暮か
────表情には一切出さないものの、この場の誰よりも湊が現状に混乱を極めている事が良く表わした心の二分化である
「有里くん、ごめんなさい
あなたのペルソナなのに、自分のもののように扱ってしまいました…」
「それは、大丈夫」
「名残惜しい気もしますが、お返ししますね」
『ヒホ?!』
「有里くんが召喚してくれる場に私がいれば、また会えますから、ね?」
承諾していない部分での取引に声をあげるジャックフロストに言い聞かせる文言からにじみ出る雰囲気の通り、星雫は幼い子供のように湊のペルソナを見てきたようだ
先程までは手元に戻ってきたら、有無を言わさずに合体素材にする事を画策していたとは口が裂けても言えない雰囲気
無事に湊の心の内側へと戻ったのを事態収拾と安堵する仲間に対し、星雫は重さの取り除かれた腕を惜しんでいる様子だった
「枢さんとしてはもう少し、あのままの方が良かった?」
「……少し名残惜しかったのは事実です、とても懐いてくれていたので…」
「そう。……でも枢さん、ある事を忘れてない?」
「ある事、ですか?」
ある事とは何だろうと星雫は、湊の提示する言葉に首を傾げる
彼が自分に思い出させたいことというのが思いつかない星雫の耳元にそっと寄せられる唇。ふっと微笑んだ拍子に漏れた吐息が、耳朶を柔らかく揺らした
「──ペルソナは”もう一人の自分”
それに倣うとさっきまで君が抱き上げていたものは、僕の側面でもあったってこと」
「……?!」
つまりは何も知らなかったとはいえ、湊をずっと抱き締めていたのだと他ならぬ彼自身の言葉による指摘
ぬいぐるみのような愛らしさに目を眩ませ、懐いてくれる無邪気さに自制も何も利かずにぎゅうぎゅうと、君は僕を抱き締めていたのだと。羞恥心を煽る事にのみ、特化した小さな声が星雫に微笑みかける
少女の羞恥心に火をつける為に狙ってやったのだと熱に浸食されゆく姿を前に、満足げに浮かべた微笑が言い逃れを許さない。だが羞恥心に囚われた少女は悲しきかな、全くその事実に気付きもしなかった
「まだ名残惜しさがあるなら、僕で良ければ代わりになるけど」
「え、え、えええ遠慮しておきます…っ!」
.
12/30ページ