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<※魔神任務フォンテーヌ編のネタバレ有>
煌々と期待に輝く瞳が、願いを叶えてもらえる瞬間を今か今かと待ち焦がれている
一人分の期待からは考え付かない程の重圧。それを毎日、比べ物にならない数の人々から寄せられ、応え続けてきた忍耐強さを、まさかその本人から教わる日が来るなんて誰が考え付くだろうか
「フリー、ナ──
………フリーナ、さま」
「むぅ……困った子だな、〇〇は
そんなに僕からのお願いが聞けないっていうのかい?」
シミ一つ見当たらない真っ白でいて、触り心地の良さそうな頬を膨らませ、フリーナは自身のお願いとやらを叶えてはくれない家主に不服を申し立てた
家主である〇〇はというとフリーナからの文句に苦笑を浮かべつつ、内心でそんないきなり様付けなしで呼べるものかと頭をひっそりと抱えていた
水と歌劇、審判を司る正義の国 フォンテーヌの統治者、愛すべき我らが神フリーナ
〇〇も大衆の例に漏れず、同じ敬称を用いて彼女を『フリーナ様』と呼んできた。それをいきなり呼び捨てで呼べと、幾ら本人に言われたとて中々の無茶難題を振られているに等しいのである
フリーナに応えたい気持ちはあれど、そう呼ぶにはまだ時間がかかりそうだと素直に打ち明けてしまおう
──そう口を開きかけた時、何かを察したのか、ソファで隣り合って座るフリーナが不意に肩へと顔を埋めてきた為に意識は必然的に彼女の動向へと注視される
「お願い、どうか"フリーナ"と呼んでおくれ
だって水神だった頃の僕はもう、過去の存在となってしまったのだからね」
「……」
「ここにいる僕はただの人間で、君の良き友人になりたいと願う ただのフリーナだ
……あ、こんなに我儘を押し付けたら、流石の君も困っちゃうよね! ご、ごめん…」
「フリーナ
そう呼ぶだけで貴女が報われると言うのなら、私も応えたい、な」
「それだけで、なんて言わないでよ
今、〇〇に名前を呼ばれただけで、僕はこんなにも満たされてるっていうのに!」
愛する民の幸福を願い、予言を食い止めようと孤独に身を焼かれ続けてきた少女が報われない──そんな最悪な結末を辿った悲劇のヒロインは存在しない
死刑が執行された日、人魚姫のように泡となりかけた彼女は今、ここで用意されたお茶菓子を堪能し、柔らかな午後の日差しの中で穏やかな時を過ごしている。フリーナが語ったように、ただの人間として
「この家はパレ・メルモニアよりも狭くて、窮屈なくらいなのに
温かな日差しが降り注いで、紅茶や焼き菓子の香りが漂って──君を構成するもので溢れた空間にいられる事を、何よりの幸せだって感じるんだ」
「フリーナ……」
「ふふ、元水神がこんなにも小さな出来事を幸せだと捉えるのかって笑われちゃうかな」
「……さっきからそうだけど、狭い家で悪かったですねーだ」
「そ、それは言葉の綾で!そ、その…悪かったよぉ……」
自分の言葉一つ一つに反応し、その都度に表情をコロコロと変えて、喜怒哀楽を示すフリーナの姿に思わず口元も綻んでしまう、愛しいと思ってしまうのだ
どうも君は意地悪だ、と何だかんだ言っていたフリーナだったが、はしゃぎ疲れたのもあってか、〇〇の膝を借りてお昼寝を堪能している。ふわふわと揺れる柔らかな髪をひと撫でしながら、〇〇は独り言へと更ける
「お昼寝を覚えさせたなんて言ったら、ヌヴィレット様に怒られちゃうかな
…ううん、きっと怒らないよね。今までのフリーナを知ってるんだもの」
「ん…んん……ここ、に……いて………〇〇……」
「ちゃんとここにいるよ、だから安心して」
水神、水神。どうか貴女に、安らぎの時があらん事を──。
煌々と期待に輝く瞳が、願いを叶えてもらえる瞬間を今か今かと待ち焦がれている
一人分の期待からは考え付かない程の重圧。それを毎日、比べ物にならない数の人々から寄せられ、応え続けてきた忍耐強さを、まさかその本人から教わる日が来るなんて誰が考え付くだろうか
「フリー、ナ──
………フリーナ、さま」
「むぅ……困った子だな、〇〇は
そんなに僕からのお願いが聞けないっていうのかい?」
シミ一つ見当たらない真っ白でいて、触り心地の良さそうな頬を膨らませ、フリーナは自身のお願いとやらを叶えてはくれない家主に不服を申し立てた
家主である〇〇はというとフリーナからの文句に苦笑を浮かべつつ、内心でそんないきなり様付けなしで呼べるものかと頭をひっそりと抱えていた
水と歌劇、審判を司る正義の国 フォンテーヌの統治者、愛すべき我らが神フリーナ
〇〇も大衆の例に漏れず、同じ敬称を用いて彼女を『フリーナ様』と呼んできた。それをいきなり呼び捨てで呼べと、幾ら本人に言われたとて中々の無茶難題を振られているに等しいのである
フリーナに応えたい気持ちはあれど、そう呼ぶにはまだ時間がかかりそうだと素直に打ち明けてしまおう
──そう口を開きかけた時、何かを察したのか、ソファで隣り合って座るフリーナが不意に肩へと顔を埋めてきた為に意識は必然的に彼女の動向へと注視される
「お願い、どうか"フリーナ"と呼んでおくれ
だって水神だった頃の僕はもう、過去の存在となってしまったのだからね」
「……」
「ここにいる僕はただの人間で、君の良き友人になりたいと願う ただのフリーナだ
……あ、こんなに我儘を押し付けたら、流石の君も困っちゃうよね! ご、ごめん…」
「フリーナ
そう呼ぶだけで貴女が報われると言うのなら、私も応えたい、な」
「それだけで、なんて言わないでよ
今、〇〇に名前を呼ばれただけで、僕はこんなにも満たされてるっていうのに!」
愛する民の幸福を願い、予言を食い止めようと孤独に身を焼かれ続けてきた少女が報われない──そんな最悪な結末を辿った悲劇のヒロインは存在しない
死刑が執行された日、人魚姫のように泡となりかけた彼女は今、ここで用意されたお茶菓子を堪能し、柔らかな午後の日差しの中で穏やかな時を過ごしている。フリーナが語ったように、ただの人間として
「この家はパレ・メルモニアよりも狭くて、窮屈なくらいなのに
温かな日差しが降り注いで、紅茶や焼き菓子の香りが漂って──君を構成するもので溢れた空間にいられる事を、何よりの幸せだって感じるんだ」
「フリーナ……」
「ふふ、元水神がこんなにも小さな出来事を幸せだと捉えるのかって笑われちゃうかな」
「……さっきからそうだけど、狭い家で悪かったですねーだ」
「そ、それは言葉の綾で!そ、その…悪かったよぉ……」
自分の言葉一つ一つに反応し、その都度に表情をコロコロと変えて、喜怒哀楽を示すフリーナの姿に思わず口元も綻んでしまう、愛しいと思ってしまうのだ
どうも君は意地悪だ、と何だかんだ言っていたフリーナだったが、はしゃぎ疲れたのもあってか、〇〇の膝を借りてお昼寝を堪能している。ふわふわと揺れる柔らかな髪をひと撫でしながら、〇〇は独り言へと更ける
「お昼寝を覚えさせたなんて言ったら、ヌヴィレット様に怒られちゃうかな
…ううん、きっと怒らないよね。今までのフリーナを知ってるんだもの」
「ん…んん……ここ、に……いて………〇〇……」
「ちゃんとここにいるよ、だから安心して」
水神、水神。どうか貴女に、安らぎの時があらん事を──。
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