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「あは、凄くぷるぷるしてる~」
けらけらと可笑しそうに笑う声が、耳を伝って脳内に直接流れ込む
年頃の少女が憧れるであろうバックハグに心は踊りもせず、ただ腹部に回された両腕が〇〇にとって何よりも恐ろしいものに映った
「ずーっとあまねとばっかりいるんだもん
コロしちゃった後はおれに独り占めされてくれるって約束したのに、忘れちゃった?」
「わ、私、まだ死んでない…です……」
お腹に回されていた腕が不意に〇〇の左手を掬い上げる、ついでとばかりに薬指にやわらかい感触を覚えた。どうやら口づけをされたようだった
ー花子さんと同じ顔をしたつかさという少年にとって、〇〇はただのおもちゃなのだ
じゃれるようにして左手に頬をすり寄る動作は気まぐれな黒猫のよう
出会って数か月の筈なのに、それよりもずっと前から自分に拒否権がない事を骨の髄まで知っていたのも、初めて会ったつかさがどうしてこんなにも己を縛るのかも分からなくて恐怖心を煽る
怖い、怖い、怖くてたまらない──『止めて』という言葉の代わりに溢れたのは大粒の涙だった
「…●●、泣いてるのー?なんで?どーして?」
「っ…つかさ、くん、こわい……」
「ふふっ、おれが怖いの?それだけで泣いてるんだ!かーわいっ!」
ある種で制止を促すよりも強い拒絶の言葉にも、つかさはとても笑顔を深めた
音を立てて背中越しにつかさに抱きしめられてすっぽりと、小柄な〇〇の体はその腕に覆われて真っ白なYシャツに涙が吸い込まれていく
「な、んで私、なの…?」
「え?さっき言ったじゃん!コロした後の●●はあまねのじゃなくておれのなんだよって
ずっと待ってたんだからネ?なのにあまねとばっかりいるんだから、悪いコ」
「ごめ、んなさい?」
どうして謝っているのかも分からない、だってこんなに怖い思いをしているのは彼が理由なのに
顔面蒼白で血の気が失せ、泣きすぎてまともに呼吸機能も働かなくなっていく
「苦しいんでしょ?おれの酸素あげるから、口開けて?」
「…っ……!んむ…!」
元より拒否権のない〇〇に目もくれず、つかさは淡い桜色の唇にかぶりつく
唇と唇が合わさって震えた肩に満足そうに微笑んで、思い出したように時折酸素を与えながら、つかさは口づけという行為を楽しんだ
生理的に発生したのか、既に分からなくなってきた涙を唇で掬ってついでに〇〇の目じりへそれを押し当てる。まともに彼の顔など見れるはずがなかったのに、視界いっぱいに映る笑顔はただただ、楽しそうで、
「あまい匂いするから、涙も甘いのカナーって思ったけどしょっぱい
●●。おれね、我慢するのをやめた人の顔がすきなんだよね」
「…?」
「だ・か・ら、今よりもっともっと…●●はもーっとおれを怖いって思ってね!
おれが怖くて息切れするぐらい泣いて、苦しいのが嫌になって我慢できなくなって縋って、おれの酸素をちょーだいってカワイクおねだりして?」
「────、」
「…あまねのこと、考えてる?おれも!おれもあまねの事がだいすき!
今の●●の顔見せたら、あまね──どんな顔すると思う?」
呆然、その言葉が似合う表情を浮かべる少女の体を抱きしめて少年は嗤った
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