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(東卍軸)
「どーよ、俺の愛機!」
「かっこいいと思いますよ、とくにこの卍の部分とか」
「へへ、だろー?〇〇ちん、見る眼あるじゃん」
「それで私に何かご用ですか?」
「どっか走りにいこうよ、後ろ乗せたげる」
休日という名の土曜日登校からの帰宅中、脳内で立てていた〇〇の予定は誇らしげに己の愛機を語る佐野万次郎によって破られ、こうして彼を総長とするチームの集会場に拉致されている
せめての労いなのか、立ち上がった先で愛機のバックシートを叩く動作。きっと、否、言葉通りなら確実に二人乗りを誘っている。無敵と名高い彼からの誘い、よほどの事がない限り、断る人間などこの世にはいないだろう
「え?普通にないですよ」
────間
たっぷりと時間を取る静寂の中、ある意味で空気を読まずに立ち上がる〇〇
じゃあお疲れさまでした、なんてわざとらしい他人行儀を取られ、途端に我に帰った万次郎から上擦った声で制止がかかる
「なんで?!」
「なんでって…普通にそうでしょう?
佐野さんがちゃんとバイクの免許を取って、その時に忘れてなかったらまた誘ってください」
ここまでがつい二日前の土曜日にあった〇〇との出来事である
あれから幾ら考えても〇〇の言い分に納得がいかない万次郎からの話を最後まで聞き、彼の右腕である龍宮寺があー、と歯切れ悪そうにしながらもジャッジを下す
「そりゃ〇〇ちゃんが正論だワ」
「はー?!ケンちん、俺を裏切るわけ?!」
「いいか、マイキー。裏切るとかそういうんじゃない
あの子は俺達とは違う、基準ってモンが違うんだよ。軽蔑とかされず、愛機がかっこいいって言われただけでも良かったと思え」
「……遠出出来たら、ぜってー楽しいって言わせる自信があったのに」
海沿いを走ろうと意気込んでいたのだ、安全の為にとメンテナンスもいつも以上に気を使った
あの日はとても天気が良かったから、海面に反射する光や穏やかな波の音を彼女に贈る事が出来た筈だった。きっと喜んでくれると、笑ってくれると思っていたのに──
「…オイ、その〇〇ちゃんが変な奴に絡まれてっけどいいのかよ、マイキー」
呼びかけによって浮上した意識を、動く視界と同時にそちらへ傾ける
何を言うでもなく、二人揃って路地裏へと歩みを進めた
「お前、マイキーの嫁なんだろ?ちょっと呼び出してくんない?」
「似たような事をしてこっぴどくやられた人、紹介しま……あ、」
「ねえ俺が、なに?」
「よう、女相手にこんな大勢連れ込んで恥ずかしくねーの?」
まずは〇〇があげた声に、後ろを振り向いてきた輩へ合わせて一発をお見舞い
準備もなしにやってきた二人から先手必勝とばかりに放たれた拳、相手側のモチベーションを下げるには十分すぎたのである
遠くから徐々に距離を詰めてくるサイレンの音に気付いた龍宮寺が、拳を収めたことで万次郎の攻撃の手にもストップがかかった
「マイキー、サツだ!」
「〇〇、逃げンぞ!」
「こ、この人達は?!」
「んなモン、ほっといていいから!」
無謀にも東京卍會の総長と副長へ未遂とは言え、喧嘩を売り、伸びて倒れた相手を気遣う〇〇の手を取って、サイレンの音にはやし立てられるようにしてその場を後にする
──とっくの昔に喧嘩の現場に警察が到着しているであろう頃
万次郎は愛機に跨り、上機嫌に鼻歌なんて流していた。喧嘩で苛立ちを発散できたのもあるだろうが、〇〇を成り行き上、こうして後ろへ乗せる事に成功した事が彼の機嫌を上昇させ続けていた
「っ~ああ、もう!本当に佐野さんといるとロクなことがない…!」
「これで〇〇ちんも悪い子の仲間入りな!」
「こ、これは成り行き上で今回だけですから…ッ!」
「ちゃんと引っ付いてないと振り落としちゃうぞ~」
まあ、そんなことしないけどな、なんて言葉は〇〇が慌てて腰にやる手に更に力をいれ、すぐに万次郎から返ってきたものだ
後ろに彼の妹でもあるエマを乗せてきた事もある。それなのに〇〇だけはエマ以上に怖がらせたくないと思ってしまう、自分の好きなものを嫌いにならないでほしい、なんて不思議と慎重にさせる
「(このまんま連れ去ったら怒られっかな)」
あるかも分からないけれど、それこそ世界の果てとやらまで一緒に。
「どーよ、俺の愛機!」
「かっこいいと思いますよ、とくにこの卍の部分とか」
「へへ、だろー?〇〇ちん、見る眼あるじゃん」
「それで私に何かご用ですか?」
「どっか走りにいこうよ、後ろ乗せたげる」
休日という名の土曜日登校からの帰宅中、脳内で立てていた〇〇の予定は誇らしげに己の愛機を語る佐野万次郎によって破られ、こうして彼を総長とするチームの集会場に拉致されている
せめての労いなのか、立ち上がった先で愛機のバックシートを叩く動作。きっと、否、言葉通りなら確実に二人乗りを誘っている。無敵と名高い彼からの誘い、よほどの事がない限り、断る人間などこの世にはいないだろう
「え?普通にないですよ」
────間
たっぷりと時間を取る静寂の中、ある意味で空気を読まずに立ち上がる〇〇
じゃあお疲れさまでした、なんてわざとらしい他人行儀を取られ、途端に我に帰った万次郎から上擦った声で制止がかかる
「なんで?!」
「なんでって…普通にそうでしょう?
佐野さんがちゃんとバイクの免許を取って、その時に忘れてなかったらまた誘ってください」
ここまでがつい二日前の土曜日にあった〇〇との出来事である
あれから幾ら考えても〇〇の言い分に納得がいかない万次郎からの話を最後まで聞き、彼の右腕である龍宮寺があー、と歯切れ悪そうにしながらもジャッジを下す
「そりゃ〇〇ちゃんが正論だワ」
「はー?!ケンちん、俺を裏切るわけ?!」
「いいか、マイキー。裏切るとかそういうんじゃない
あの子は俺達とは違う、基準ってモンが違うんだよ。軽蔑とかされず、愛機がかっこいいって言われただけでも良かったと思え」
「……遠出出来たら、ぜってー楽しいって言わせる自信があったのに」
海沿いを走ろうと意気込んでいたのだ、安全の為にとメンテナンスもいつも以上に気を使った
あの日はとても天気が良かったから、海面に反射する光や穏やかな波の音を彼女に贈る事が出来た筈だった。きっと喜んでくれると、笑ってくれると思っていたのに──
「…オイ、その〇〇ちゃんが変な奴に絡まれてっけどいいのかよ、マイキー」
呼びかけによって浮上した意識を、動く視界と同時にそちらへ傾ける
何を言うでもなく、二人揃って路地裏へと歩みを進めた
「お前、マイキーの嫁なんだろ?ちょっと呼び出してくんない?」
「似たような事をしてこっぴどくやられた人、紹介しま……あ、」
「ねえ俺が、なに?」
「よう、女相手にこんな大勢連れ込んで恥ずかしくねーの?」
まずは〇〇があげた声に、後ろを振り向いてきた輩へ合わせて一発をお見舞い
準備もなしにやってきた二人から先手必勝とばかりに放たれた拳、相手側のモチベーションを下げるには十分すぎたのである
遠くから徐々に距離を詰めてくるサイレンの音に気付いた龍宮寺が、拳を収めたことで万次郎の攻撃の手にもストップがかかった
「マイキー、サツだ!」
「〇〇、逃げンぞ!」
「こ、この人達は?!」
「んなモン、ほっといていいから!」
無謀にも東京卍會の総長と副長へ未遂とは言え、喧嘩を売り、伸びて倒れた相手を気遣う〇〇の手を取って、サイレンの音にはやし立てられるようにしてその場を後にする
──とっくの昔に喧嘩の現場に警察が到着しているであろう頃
万次郎は愛機に跨り、上機嫌に鼻歌なんて流していた。喧嘩で苛立ちを発散できたのもあるだろうが、〇〇を成り行き上、こうして後ろへ乗せる事に成功した事が彼の機嫌を上昇させ続けていた
「っ~ああ、もう!本当に佐野さんといるとロクなことがない…!」
「これで〇〇ちんも悪い子の仲間入りな!」
「こ、これは成り行き上で今回だけですから…ッ!」
「ちゃんと引っ付いてないと振り落としちゃうぞ~」
まあ、そんなことしないけどな、なんて言葉は〇〇が慌てて腰にやる手に更に力をいれ、すぐに万次郎から返ってきたものだ
後ろに彼の妹でもあるエマを乗せてきた事もある。それなのに〇〇だけはエマ以上に怖がらせたくないと思ってしまう、自分の好きなものを嫌いにならないでほしい、なんて不思議と慎重にさせる
「(このまんま連れ去ったら怒られっかな)」
あるかも分からないけれど、それこそ世界の果てとやらまで一緒に。
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