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(中学×梵天軸)
必要最低限の家具しか存在しない為、広々とした室内
加えて壁紙、天井にも白をあしらわれているせいで、実際の広さよりも広く感じてしまう
「慣れってこわい」
…気が付くと12年後の未来にいて、混乱している間にあれやこれよと居合わせた顔見知りに拾われ、現在に至る
正直、この状況は彼が作り出したのではないかと思う程に鮮やかな手さばきだった
中学生の〇〇を拾った未来の彼はまず誰の目にも届かない部屋を用意した。あんな短時間に部屋は用意できるものなのか、なんて感心したものの薄暗い理由が潜んでいそうで追及は出来なかった
その次に彼は〇〇へ衣食住を与えた。と言っても服は過去、彼が着ていたものばかりで見知った香りに包まれ、少しばかり落ち着かない
けれど他に服はない為、今日も今日とて〇〇は彼の服に腕を通す。今日選んだのは白のオフショルダーに黒のタンクトップだ
幾ら子供であるとしてもここまでの至れり尽くせりは恐縮するもので
日中は家事に勤しむものの、短時間で済んでしまう有様、洗濯も然り。しかも自分のものしかないので恩返しにもなっていない
何か出来る事はないか、そう尋ねた〇〇に対し、彼が望んだのは〇〇が傍にいる状況だけで頭を抱えるしかなかった
「…結局寝るしかないんですね、それくらい暇なんだよぉ……」
テレビもなく、所持していた携帯はこの現代では使用不可能、事実上の詰みである
今が何時なのかも分からない中、〇〇はキングサイズのベッドに身を任せ、娯楽が存在しないのが悪い、それを昼寝の言い訳にしてやがて深い眠りに落ちていく
「───」
ふと頬を撫でる細さに気付き、意識が覚醒状態へ移行していく
窓は開けていないので風の仕業でもない、ならば”これ”は何だろう?ふわふわとした意識の中、与えられる感覚を頼りに”それ”を掴む
開いた視界に写り込んだ真っ白な髪、相反するように暗く塗りつぶされた真っ黒な瞳
日ごろ、感情の読み取りにくい瞳は驚いたように見開かれ、頬を撫でていた細い”それ”は彼の骨ばった指で、指を掴んでいるのは。掴んで、いるのは──
「──うっわあ?!」
「おはよ、〇〇」
「お、おはようございます、佐野さ…」
「万次郎」
「……万次郎さん」
「ん、いい子」
驚いて飛び起きた〇〇の様子さえも慈しむように、素直に名前を口にした唇の傍を撫でる。甘さを含んだ声のせいでか撫でられた箇所から溶けてしまいそうだな、なんて思う
窓から差し込んでいた光は消え去り、代わりに部屋の照明がつく程にはとっぷり暮れた空。何時間寝ていたのか、そしてこの人は何時間、こうしていたのだろう
眠っていたベッドの縁に座る万次郎が〇〇からの視線に首を傾げている、視線を下にずらせば、真新しい血液が付着した服が目に入る。
これが初めてでもないので驚く事はないが、心配するなと言われるのは難しい
「〇〇?」
「…怪我してませんね、良かっうわ」
「好き」
服の上から傷の有無を確認しようと接近したのが悪かったようで、瞬く間に万次郎の腕の中へ仕舞いこまれた
短くもストレートに殴ってくる好意の言葉に息が詰まり、じわじわと浸食されていく。抱き締めている間にも首筋に顔を埋められている為、吐息がかかってくすぐったくて、仕方ない
「あの、この服着ても良かったんですか?さ、…万次郎さんの私服でしたよね」
「いいよ、俺の古着の方が安心するから。…スカートは制服の?」
「元々ブカブカでワンピースになってたんですけど、一応履いておくべきなので」
「……」
「どこ触ってるんですか、ロリコン犯罪者になりますよ」
「元から犯罪者だけど」
「っ、だから…!」
スカートの裾から上へ伸びてくる手を振り払おうとする〇〇の手は目的を達成するよりも先に、彼の手によってシーツの海へ縫い留められていた
反転した世界で見る真っ白な天井は昼間と変わらない筈なのに、どこか怖くて。覆いかぶさっている男の指が服の構造上、露わになっている肩を撫でたせいで震えてしまう
「イケナイこと、教えてほしい?」
細い体のどこから発揮しているのか、注いだ言葉とは裏腹に〇〇からの否定を許さない力で手首が軋む
まだまだ子供だと自覚するのがこんな瞬間だなんて、知らない間に12年の時を過ごした万次郎から見れば、〇〇が考えるような脱走劇はそれこそ子供の茶番なのだろう。
必要最低限の家具しか存在しない為、広々とした室内
加えて壁紙、天井にも白をあしらわれているせいで、実際の広さよりも広く感じてしまう
「慣れってこわい」
…気が付くと12年後の未来にいて、混乱している間にあれやこれよと居合わせた顔見知りに拾われ、現在に至る
正直、この状況は彼が作り出したのではないかと思う程に鮮やかな手さばきだった
中学生の〇〇を拾った未来の彼はまず誰の目にも届かない部屋を用意した。あんな短時間に部屋は用意できるものなのか、なんて感心したものの薄暗い理由が潜んでいそうで追及は出来なかった
その次に彼は〇〇へ衣食住を与えた。と言っても服は過去、彼が着ていたものばかりで見知った香りに包まれ、少しばかり落ち着かない
けれど他に服はない為、今日も今日とて〇〇は彼の服に腕を通す。今日選んだのは白のオフショルダーに黒のタンクトップだ
幾ら子供であるとしてもここまでの至れり尽くせりは恐縮するもので
日中は家事に勤しむものの、短時間で済んでしまう有様、洗濯も然り。しかも自分のものしかないので恩返しにもなっていない
何か出来る事はないか、そう尋ねた〇〇に対し、彼が望んだのは〇〇が傍にいる状況だけで頭を抱えるしかなかった
「…結局寝るしかないんですね、それくらい暇なんだよぉ……」
テレビもなく、所持していた携帯はこの現代では使用不可能、事実上の詰みである
今が何時なのかも分からない中、〇〇はキングサイズのベッドに身を任せ、娯楽が存在しないのが悪い、それを昼寝の言い訳にしてやがて深い眠りに落ちていく
「───」
ふと頬を撫でる細さに気付き、意識が覚醒状態へ移行していく
窓は開けていないので風の仕業でもない、ならば”これ”は何だろう?ふわふわとした意識の中、与えられる感覚を頼りに”それ”を掴む
開いた視界に写り込んだ真っ白な髪、相反するように暗く塗りつぶされた真っ黒な瞳
日ごろ、感情の読み取りにくい瞳は驚いたように見開かれ、頬を撫でていた細い”それ”は彼の骨ばった指で、指を掴んでいるのは。掴んで、いるのは──
「──うっわあ?!」
「おはよ、〇〇」
「お、おはようございます、佐野さ…」
「万次郎」
「……万次郎さん」
「ん、いい子」
驚いて飛び起きた〇〇の様子さえも慈しむように、素直に名前を口にした唇の傍を撫でる。甘さを含んだ声のせいでか撫でられた箇所から溶けてしまいそうだな、なんて思う
窓から差し込んでいた光は消え去り、代わりに部屋の照明がつく程にはとっぷり暮れた空。何時間寝ていたのか、そしてこの人は何時間、こうしていたのだろう
眠っていたベッドの縁に座る万次郎が〇〇からの視線に首を傾げている、視線を下にずらせば、真新しい血液が付着した服が目に入る。
これが初めてでもないので驚く事はないが、心配するなと言われるのは難しい
「〇〇?」
「…怪我してませんね、良かっうわ」
「好き」
服の上から傷の有無を確認しようと接近したのが悪かったようで、瞬く間に万次郎の腕の中へ仕舞いこまれた
短くもストレートに殴ってくる好意の言葉に息が詰まり、じわじわと浸食されていく。抱き締めている間にも首筋に顔を埋められている為、吐息がかかってくすぐったくて、仕方ない
「あの、この服着ても良かったんですか?さ、…万次郎さんの私服でしたよね」
「いいよ、俺の古着の方が安心するから。…スカートは制服の?」
「元々ブカブカでワンピースになってたんですけど、一応履いておくべきなので」
「……」
「どこ触ってるんですか、ロリコン犯罪者になりますよ」
「元から犯罪者だけど」
「っ、だから…!」
スカートの裾から上へ伸びてくる手を振り払おうとする〇〇の手は目的を達成するよりも先に、彼の手によってシーツの海へ縫い留められていた
反転した世界で見る真っ白な天井は昼間と変わらない筈なのに、どこか怖くて。覆いかぶさっている男の指が服の構造上、露わになっている肩を撫でたせいで震えてしまう
「イケナイこと、教えてほしい?」
細い体のどこから発揮しているのか、注いだ言葉とは裏腹に〇〇からの否定を許さない力で手首が軋む
まだまだ子供だと自覚するのがこんな瞬間だなんて、知らない間に12年の時を過ごした万次郎から見れば、〇〇が考えるような脱走劇はそれこそ子供の茶番なのだろう。
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