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青々と凪ぐ海原に隣接する港に停泊する軍艦が一隻
条約が結ばれたことによって得た束の間の平和を描くように天候も穏やかに、どこまでも青空は透き通っていて
眼前に海を臨む甲板に佇む少女の輪郭を、彼女のことを知り尽くした赤色の瞳が目を離さないように見守っていた
「あの子がティア・マリアシュール?」
「……だったら何でありますか?」
「そんな邪険にするなよ、何もしないって
ただステラもああして、良く海を見ていたと懐かしくなっただけさ」
「ティアはティアで、ステラじゃないですよ」
戦時中に出会った時と異なり、現在はオーブ軍の制服を身に纏うこの男に思う所がない訳がない
言おうと思えば、シンは何だって言える自負があった。ティアにステラの面影を重ねている言葉も、道を見失った自分がティアへ重石を背負わせた過去を想起させて腹立たしくて仕方がない、というのが本音である
激情に任せ、喧嘩を吹っ掛けるのは容易い。ただそれでは過去に立ち戻るだけ、何より──甲板で海を見つめるティアを不安がらせてしまう、それだけはもうさせたくなかった
「すみませんけど、人の彼女をじろじろ見るの止めてくれます?いい気はしないんで」
「俺、これでもお前より年上だからな……?」
不安がらせたくないのはティアだけなので、こうして釘を刺すのは忘れないけれど
──そう、彼に刺した釘は同時にシンの心にも突き刺された。ティアはティア、ステラの代わりなどでは決してないのだと
「……シン!」
自分以外の気配に振り向いたティアは、気配の正体が自分を迎えに来てくれたシンだと気付くと花が満ち開くようにぱっと咲く笑顔と共に、一目散に駆け寄ってきた
愛くるしい動作、この可愛い少女は自分の恋人なのだと思わず誰彼構わずに言い触らしたい衝動にシンが襲われるのはこれで一体、何度目の事だろうか
その度にアスランやキラに惚気を聞いてもらっているのは言うまでもない
「女の子が体を冷やしちゃダメだろ?ティアはただでさえ、病み上がりなんだから」
「シンが迎えに来てくれるかなって待ってたの
…でも待つんじゃなくて、私からシンの所に行けばよかったね」
「すれ違いになってたかもしれないし、それはいいんだけど……
というかごめん、俺がもっと早くに戻ってくれば良かっただけの話だったな」
「ううん、シンを待つ時間も私は楽しかったよ?」
ああ、これはまた近い内にあの二人のオフに時間を取ってもらわなければいけない事になりそうだ。
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