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サードステージに名を連ねるZGMF-X43S『コキュートス』内のコックピットで、機体の専属パイロットであるその少女は膝を抱えていた
「この癖、暫くは続くのかなぁ……」
例えば考え事をする時だったり、仲間の喧騒から離れたい時──不思議とティアは自らの機体に潜ってしまう。母親を求める子供のように、安らぎを求める
自分と同じく赤服を纏う同性として仲のいいルナマリアが呆れ顔を浮かべ、内心で思ったようにティア自身もこの癖を改めなければならないと思っている
考えてはいるのだが、もたれる背もたれの固さを手放せないでいるのも事実だった
「っ…?」
システムが立ち上がっていない為、一つとして灯りのない薄暗いコックピット内へと不意に光が差し込んだせいで眼が眩む
暗闇に慣れていない瞳がゆっくりと光を受け入れると次第に光の先に誰かがいる事にティアは気付く、徐々に明らかになるシルエット、考えるより先に唇が名前を呼ぶ
「シン……?」
「ルナに聞いたんだ、いつもみたいにあの子ならコックピットにいるって」
「…そっか」
「俺、戦闘以外でもこんな狭い場所にティアを押し込めてたの知らなくて……ごめん」
「……私、また暫くは何か悩みごとがあるときっとここに来ちゃうと思う
あのね、その時にシンは迎えに来てくれる…?」
「そうなる前に話しかけてくれたら嬉しいんだけどな…」
苦虫を噛むような表情で虚空を見たかと思えば、次の瞬間には困ったように眉を寄せ、シンは不安げな表情を浮かべるティアへ笑う
戦争が終わり、少しずつ亡くしたものを受け入れていきつつある彼の笑顔は憑き物が失せたように穏やかで。彼の笑顔を眺める自分も変わっていきたいとこんなにも奮い立たせてくれる
「戻ろう、ティア」
「…うんっ」
大切な人より差し伸ばされた手を取る愛しさに笑いながら、コックピットを後にする
──冷たい棺に感情と共に押し込まれ、外に出る事もままならずに泣いていたお姫様の話は待ち焦がれた王子の到着でピリオドが打たれたのだった。