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——その夜、巴は困り果てていた
「主、聞いてるのかぁ〜?」
「聞いてる聞いてる」
今日は新しい刀剣男士の顕現を祝う祝賀会を催し、食事時までそこにいた巴だが後の飲み会と化した大広間から初期刀の加州の手によって撤退された
彼女は未成年だ、そこに文句はないし当然だと思っている。だがこの腰に抱きつき、頭をぐりぐりと押しつけて来る酔っぱらいをどうすればいいというのか
ときめきもしない。厨にまだいるであろう燭台切に助けを求めようにも、この状態では席を立つ事もままならない。ここは我慢するしかないのだろう
「なんで、途中でいなくなるんだ…随分と探したんだぞ…」
「しょうがないでしょ、私は未成年なんだから」
「ああ…そうか…でも!酒を注いでもらうことくらい、してほしかったぞ…」
「はいはい、それはごめんなさいね」
「心がこもってない…」
彼がここまで酔っ払った姿はこの本丸に鶴丸が顕現してから初めて見た、たまに縁側で酒を飲んでいたは夜中に起きる事があったので知っているが、その時はこんな風ではなかった
そんなに今夜の酒は美味しかったのだろうか。——否、そんな理由で彼がここまで酒に飲まれた事ではない事くらい、巴も分かっていた
「あなたも嬉しいとハメがはずれるのね」
鶴丸国永という刀はこの本丸が出来てから、比較的早くに顕現された存在だ。その頃に比べると刀剣男士達も増えた、それは彼と共に戦う仲間も増えたということ
こんな風に酔っ払っても、仲間や主である巴がいるから大丈夫だろうという安心感を持ったのだろう
逆を返すと今までは酒に飲まれても、後がどうなるか分からない為にセーブしてきたという推測が立てられる
「まったく…変な所で気を使うんだから」
巴が自分をまともに構ってくれないと気付き、敷いていた布団の上で眠っていた鶴丸の頭をいつも彼が自分にしてくれる様に撫でる。起きないようにどこまでも優しい手付きで
例え彼が今日の様に酔っても、誰も嫌な気分にはならないというのに。普段から古株としても高い錬度からも頼りにされる彼、それは宴会でも変わらない事だろう
いつも飄々として本心を掴ませないのだから、たまには酒でも飲んで、本心をぶちまければいいのだ
まあ、毎日これでは困るんだけどね、とさっきと同じ様に言葉のわりには優しさを滲ませ、巴は鶴丸を彼の部屋に運ばせる手伝いをしてもらう為、まだ起きている刀を呼びに部屋を出た