SS-enst(2)
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びゅう、と鋭い音と共に落ち葉を巻き込んで、突風が学校帰りの詩乃と凛月の間を吹き抜けていく
目を開けられず、たまらず閉じた視界。風に顔を叩かれたと思えば、次の瞬間には冬の訪れを感じさせる冷気が直撃してくるもので詩乃の肩も思わず震え上がってしまう
「うぅ…夕方になったらもっと寒い……!」
「俺までもっと寒く感じちゃうから言うのやめてよ、詩乃……」
「ご、ごめん…だけど……」
言わずにはいられない寒さを感じているのは詩乃だけではない
体質故に昼間の学校生活においても睡眠へ時を費やし、そのまま学校へ泊まり込む事もザラにある凛月がこうして詩乃と素直に家への帰路についている事が冷え込みの厳しさを物語っていた
学校用の制服とコート、マフラーなどでは温かさが足りないらしい詩乃を暫く眺め、しょうがないなぁという一言をこぼすと彼は詩乃の左手を指と指とで絡め合わせ、自分の服のポケットへと招き入れるのであった
「ふふ、手を繋いでるだけでも結構違うでしょ?」
「りっちゃん…えへへ、ありがとう」
「どういたしまして……で終わってあげたい所だけど、そうもいかないよねぇ」
「え、なに?どういうこと?」
「帰ってからのお楽しみだから、今は教えてあげなーい」
何故か上機嫌になった凛月の雰囲気と言葉に、その時 詩乃は嫌な予感を覚えた
例えるならば、そう──自分から地雷原に飛び込んだ、そんな予兆だった
「うんうん、サイズもぴったりだねぇ。流石は俺ってところかな」
「うぐぐ、りっちゃんの策士…!」
「『Knights』の参謀だし、褒めてもらってるようにしか聞こえないけど?
それにしても……はあ、子供体温な詩乃にこのパジャマ、寝るのが捗っちゃうね」
「私もおかげであったかいけど……」
帰路の中で詩乃が抱いた予兆は彼女を裏切る事なく、その予兆を現実のものとした
一度家に帰り、いわゆる顔パスで詩乃の家へ泊まりに来た凛月が持ってきたのはいわゆる着ぐるみパジャマ
手触りの良い素材で出来たそれを詩乃へ着せ、後ろから抱きかかえて暖を取る所までをあの時、想像していたからこその機嫌の良さだったのだと点と点が繋がった
「久しぶりにオフが重なったんだし、俺はもう少し夜更かしするけど詩乃はどうする?」
「……その言い方、意地悪だよ。答えは分かってるんでしょ?」
「ふふ、ごめんね。詩乃があんまりにも可愛いから意地悪したくなっちゃった」
後ろへ傾けた拍子、前髪が落ちて露わになった詩乃の額に凛月の唇が押し付けられる
わざわざリップ音を立て、その行動に及んだテリトリー内──すなわち夜の内で彼に勝てる人なんていない、少なからず身を委ねるしか出来ないと詩乃はここでも悟りを開くのであった。
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