SS-enst(4)
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雨雲の隙間から射す陽光が、雨どいからこぼれる雪解け水の中で反射する
都会にしては珍しく雪が積もる程の寒さ、本格的な冬の到来に天城燐音が寒ィなんて白い吐息交じりに愚痴を吐いていた
「──本日は今季一番の冷え込みとなるそうですよ」
「それ、毎日言ってねェ?今年は一体、何回更新することになるか賭けてみっか?」
「未成年である故、賭け事は遠慮いたしまする」
「普通に話してるけどよ、壬景チャンはどこから出て来たんだよ…」
確かに先程までは人っ子一人いなかったというのに、どこからともなく現れた壬景に表情を崩す事はないものの、心臓に悪い事には変わりない
ESのアイドルはいずれも曲者揃いだが、壬景もその枠にいれても可笑しくない人間だろう。神出鬼没、まさに言葉通りの彼女は自らが発した言葉通り、厚手のコートにマフラーで防寒対策に余念がない様子を現していた
「流石!壬景チャンは寒さ対策も万全だな、感心感心」
「我らが『故郷』に比べれば、都会の寒さはまだ温かな方ですが、用心に越した事はないかと」
「確かにそうだな、あ~…だけどマフラーくらい持ってくりゃあ良かったぜ……」
こんなにも冷え込む日は北風も元気に乗り込んできているようで、無防備にさらけ出されている燐音の首に直撃して温かさを急速に奪い去っていく
耐え切れない様子で首をすぼめ、少しでも風に当たる面積を狭めようと身を縮める。目の前に壬景の雰囲気を感じていると首を囲う温度
燐音の予想を裏付けるように目の端を彩るターコイズブルーのマフラーは先程まで壬景の首に巻かれていたものだ
「そういう事じゃなくって…」
「はい、あれは燐音坊ちゃんの寒さへの独り言
そしてこの行動は壬景が、坊ちゃんにして差し上げたいと思った事にありますれば」
「…お前が寒いだろ」
「いいえ、服とタイツはヒート●ック仕様
更に首と名の付く場所付近には貼るカイロを仕込んでいる故、寒くありません」
「じゃあさ、ポケットのカイロを貸してくんねェ?」
「?」
そこまで防寒対策を徹底しているのであれば、という燐音の予想は今度こそ的中
やはりポケットにも忍ばせていたカイロを受け取った手で壬景の手を掴み、そのまま自らのジャケットのポケットへ招待すれば、壬景が僅かに息を呑んだのを空気の震えから察する
「…あ、」
「これで俺っちも壬景チャンも手からぬっくぬくで一石二鳥っしょ」
第三者に出会った時点で繋いだ手も、温もりもどんなに名残惜しくても手放さなければいけない
どうか、どうか──少しでもこの時間が一秒でも長く続きますように。言葉でなく、心情として二人は想いを共有していた。
都会にしては珍しく雪が積もる程の寒さ、本格的な冬の到来に天城燐音が寒ィなんて白い吐息交じりに愚痴を吐いていた
「──本日は今季一番の冷え込みとなるそうですよ」
「それ、毎日言ってねェ?今年は一体、何回更新することになるか賭けてみっか?」
「未成年である故、賭け事は遠慮いたしまする」
「普通に話してるけどよ、壬景チャンはどこから出て来たんだよ…」
確かに先程までは人っ子一人いなかったというのに、どこからともなく現れた壬景に表情を崩す事はないものの、心臓に悪い事には変わりない
ESのアイドルはいずれも曲者揃いだが、壬景もその枠にいれても可笑しくない人間だろう。神出鬼没、まさに言葉通りの彼女は自らが発した言葉通り、厚手のコートにマフラーで防寒対策に余念がない様子を現していた
「流石!壬景チャンは寒さ対策も万全だな、感心感心」
「我らが『故郷』に比べれば、都会の寒さはまだ温かな方ですが、用心に越した事はないかと」
「確かにそうだな、あ~…だけどマフラーくらい持ってくりゃあ良かったぜ……」
こんなにも冷え込む日は北風も元気に乗り込んできているようで、無防備にさらけ出されている燐音の首に直撃して温かさを急速に奪い去っていく
耐え切れない様子で首をすぼめ、少しでも風に当たる面積を狭めようと身を縮める。目の前に壬景の雰囲気を感じていると首を囲う温度
燐音の予想を裏付けるように目の端を彩るターコイズブルーのマフラーは先程まで壬景の首に巻かれていたものだ
「そういう事じゃなくって…」
「はい、あれは燐音坊ちゃんの寒さへの独り言
そしてこの行動は壬景が、坊ちゃんにして差し上げたいと思った事にありますれば」
「…お前が寒いだろ」
「いいえ、服とタイツはヒート●ック仕様
更に首と名の付く場所付近には貼るカイロを仕込んでいる故、寒くありません」
「じゃあさ、ポケットのカイロを貸してくんねェ?」
「?」
そこまで防寒対策を徹底しているのであれば、という燐音の予想は今度こそ的中
やはりポケットにも忍ばせていたカイロを受け取った手で壬景の手を掴み、そのまま自らのジャケットのポケットへ招待すれば、壬景が僅かに息を呑んだのを空気の震えから察する
「…あ、」
「これで俺っちも壬景チャンも手からぬっくぬくで一石二鳥っしょ」
第三者に出会った時点で繋いだ手も、温もりもどんなに名残惜しくても手放さなければいけない
どうか、どうか──少しでもこの時間が一秒でも長く続きますように。言葉でなく、心情として二人は想いを共有していた。
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