SS-fgo(2)
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「霊基に生じた異常、原因も分かっているので後は時が解決してくれる筈です
……なのでそんなに気落ちしないでほしいですよ、シャルル」
「そう、ここはどうにか立ち上がって、事件解決の為に動く!っていうのが最高にカッコいい
なんだけどなぁ……まさかサーヴァントになった後にも風邪で動けなくなることになるとは……!」
「こればっかりは仕方ないのです、あなただけが寝込んでる訳でもないので」
マイルームのベッドへ寝かされたシャルルマーニュのいつもよりも掠れがちな声で発せられる嘆きに耳を傾けつつ、ブリジットは彼の看病に勤しむ
彼女が今、シャルルマーニュを宥める言葉に選んだように彼と同じ状態になったサーヴァントで今日のカルデアは大忙しとなっていた
過去、クリスマスに猛威を振るったシュメル熱の亜種のようなものだろう、と言ったのは自身も床に伏せる直前なカルデアの技術顧問の見解である
「んー?さっきよりは熱、下がったです?どうでしょう、シャルル」
「…マスターの手、冷たいな」
「使う魔術に影響が及んだように、眠っていた所の環境が私の体に作用しているのかも?」
「そっか、ひんやりしていて気持ちがいい…」
「でもやっぱりそう簡単に熱は引かないですね……空調の温度をもう少し落とすですよ」
あまり室温を下げない方がいいとは思ったものの、引かぬ汗と熱に浮かされるシャルルマーニュを見ていると少しでも涼しさを提供してあげたいとブリジットの中の献身が先人の残した知恵を上回ったのだ
熱を測る為に沿えた手が残した冷たさが一瞬で蒸発する。そこに少しの寂しさを感じながら、自分の為に空調パネルを弄る少女の背中を見つめるスカイブルーの瞳から、シャルルマーニュの脳内にて遠い記憶が呼び起こされた
『──騎士さま、早く元気になってくださいね
苦しそうな騎士さまを見るのは、私も苦しくなってしまいますから』
──遠い、現在よりも遥か遠くとなってしまった穏やかで春の温かさに満ちた記憶
それでも忘れられなかった、同じように高熱に浮かされる自分を励ます冷たい手、看病の為に彼女が作ってくれた料理の数々。これだけは決して、
「……あの時は、ああするのが一番だって思ったんだ」
「シャルル?」
「少しだけ……そう、昔の事を思い出したことによる独り言ってやつ
昔もこうして看病してもらった事があってさ、つい懐かしくなっちまった」
熱に浮かされるがままにこぼれた言葉に引き寄せられた丸っこい、群青混じりの紫音の瞳が不思議そうに瞬いているのが愛らしくて、これまた笑みが自然とシャルルマーニュからこぼれる
「##NAME2##は今、幸せか?」
「えっと……大変な事になってはいますが、満たされた毎日を送ってるですよ」
「満たされてるって君が笑う毎日にこうして一緒にいれて、俺はそれだけで、
……あ、っと悪い悪い。ちょっと記憶がごちゃごちゃになって変な事、口走ったっぽい」
「シャルルがいるから、満たされた日を私は送れてるです
だからあなたも私と同じ気持ちでいてくれて嬉しい。もっと色んな事を口走って、色んなシャルルの事、教えてほしいですよ」
「……敵わないよなぁ」
今も昔も、姿形、名前が変わったとしても変わらぬ魂の少女にきっと自分は永遠に敵わないままなのだろう
セピア色に色褪せていく記憶に寂しさを感じつつ、新たに紡がれていく思い出が冒険への出発前に抱く時のような期待を騎士の胸に到来させるのであった。