SS-fgo(2)
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「……よし、いねーですね」
施設内を行き交いするスタッフの視線が「なんだなんだ」と問いかけるように、死角から通路の様子を伺うブリジットを見守っていた
聞くに誰かと鉢合わせない為の隠密行動らしく、スタッフでありマスターでもある彼女の特権として知り得た、人通りが少なくなるこの時間を移動時間に当てたのも、会いたくない誰かとの遭遇の確率を引き下げる為だと予想される
「(悪いことをしてるとは分かっているです
でも、でもあんなのを見せられたら……)」
「おーい、マスター!」
「ひゃう?!あ、アストルフォさん…?」
「シャルルマーニュ十二勇士、アストルフォ参上!すぐに見つかって良かったっ」
「私に何かご用、です?」
「ちょっと次のレイシフトで再確認したいことがあるんだって!」
この時に彼がどこより現れ、彼ではない誰かが次のレイシフトで確認したいことがある為にアストルフォを寄越したのだとヒントが散らばっている事が判明している
だがそれに気付けなかった時点でブリジットの退路は絶たれていたのである。待ち構えていたシャルルマーニュに気付き、逃げようとした所を本人によって強引に引き寄せられたことがそれを物語っている
「み゛!」
「突然の頼みながら良くぞやってくれた、アストルフォ」
「いーえ!ごめんね、マスター。後はごゆっくりー!」
巻き込まれただけのアストルフォは何も悪くない、彼は聖騎士として主である王の命令に従っただけなのだから
ここに来て逃げようとしている居たたまれなさはブリジットの自業自得。さて、といつもよりも低く響く声にびくりと肩を揺らしてしまうのも身から出た錆というやつだ
「この数日間、避けられていた理由を聞いてもいいかな?我がマスターよ」
「あ、うー…お、怒って……」
「怒るのも当然だとは思わないか?」
「へ、”陛下”のせい、じゃないですよ?」
「……"陛下"?」
ブリジットからは聞き慣れない呼び名に今は黄金と白銀の鎧を纏い、王としての風格を宿し、少女の腕を離すまいとしていた手から動揺が漏れ出す
それっきり黙り込んでしまったシャルルマーニュを心配に思い、再度陛下と呼び掛けるブリジットに落ちる影。暗い色に落ち込んだシャルルマーニュの瞳が、顔がすぐ近くにまで迫っていた
「シャルルともう呼びたくない程なのか?
俺は一体、##NAME2##に何をして嫌われたのか分からない。挽回の余地も与えたくない、そういうこと、なのか?」
「え、え?そんなこと、言ってない、ですよ?」
「聖騎士としても、ブリジットのサーヴァントとしても俺は用済みと…」
「ちげーです!……から、」
「今、なんと」
「その姿のシャルルが、王様としてかっこよくて、慣れてなくて避けてただけ、だと言ったです!」
初めて今の風貌の彼に出会った時と同じ速さで、心臓がブリジットの胸を突き破ろうとしている
見慣れない、聞き慣れない王としてのシャルルマーニュが怖くて、かっこよくて──避けてしまった、陛下と呼ばざるを得なくなってしまったとブリジットは白状した
彼を避けていた事実に良心を痛めていたブリジットは今の言葉で漸く罪悪感を消化し、シャルルマーニュと向き直ることが出来そうだ
「シャル…ッ?!」
「もう一度、聞かせてほしい
俺はちゃんと君の瞳にかっこよく写っているのかどうかを」
「……そんなの、言われなくたって、ずっと──ずっとシャルルはかっこいい!ですっ」
「~~っはぁ!良かったぁ!」
自分の知らない風貌、王となったシャルルマーニュが遠くにいってしまったと勝手に思っていた
だが遠ざけようとしていたのは寧ろ自分自身で、嬉しさのあまりに自分を抱き上げて屈託なく笑う面差しに自分が良く知るシャルルマーニュをブリジットは見つけたのであった。