SS-enst(3)
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コズミックプロダクション事務所内の一角に設けられた談話室
他ならぬ自分を呼び出した相手を視界にいれた瞬間、ほたるは華奢な線で描かれた細腕を胸の前でくみ上げた
威圧的にも見えるポージングであるものの、実際はうっすらと黒い覆いを目に囲った彼を心配しつつ、素直に心配出来ない彼女の性格らしさを良く表している
「…私にはいつもちゃんと寝ろ、徹夜するなって言うのに実はこはくの方がちゃんと寝てないんだ」
「こ、今回だけやて。いつもはちゃんと寝てるわ」
「そんなんだから『専用衣装』のデザイン候補を練る為に私を呼んだ訳ね、納得」
「それだけやなくて、服の事ならはたてはんやってわしの頭にあるからなぁ」
堪忍な、なんてその後に続けるこはくの苦笑に軽くため息をつく
…ため息をつきながら、ほたるの本音は彼に頼られた事実が嬉しくてにやけないように表情を繕うので精一杯な所にある
「でも今日はというか、今はだめ
まずこはくは仮眠、『専用衣装』のデザインを考えるのは起きてからね」
「は?!いや、それやと時間が…!」
「ごちゃごちゃ言わない、そして服飾舐めすぎ
そんな回ってない頭で考えたデザインがこはくの『専用衣装』だなんて中途半端、私が一番許さないんだから」
睨みも利いた強い言葉
他の者であれば、表面上の冷たさばかりが目立って厳しいものと受け取りがちであるが、彼女の事を良く知るこはくだけは言葉の裏に存在する本音を汲み取る事が出来た
確かに存在する労りと服飾職人としての誇り、その二つが合わさって真剣に自分の『専用衣装』を思ってくれるほたるの優しさに安心したのか、ここに来てこはくを睡魔が覆いかぶさった
「ならちぃっとばかし、寝かせてもらうわ」
「ん、分かればよろしい」
ソファのひざ掛けを枕代わりに横たわる桜の花
未だ蕾のそれが吹雪となる未来よりも先に、『おやすみ』だなんて言葉が先に降り注ぐ
「…すぐに頼ってくれれば、こはくの似合うデザインなんて何枚だって描きあげるのに」
それは自分が一番、桜河こはくという人物を知っているという強い自負がこれでもかと詰め込まれた一節、願い
「……」
そろり、とこはくが起きないよう、細心の注意を払いながら、手に握ったスマホでシャッターを切る
一瞬、シャッター音でうぅんと潜まれる眉に起きてしまったかと構えるが、彼が起きる様子はない
ほっとした所でアルバム機能に保存された寝顔の写真に、人気が自分達以外にいないという事でほたるの唇からは嬉しそうな音が漏れた
「…怒るかしら」
──でもこれだって、
「(私だけが知ってる、こはくの顔だもの。許してよね)」
スマホで口元を隠し、これ以上音を立てないようにするほたる
「(はたてはん、何やわしなんかにスマホ向けて…まあ嬉しそうならええけど)」
とっくの昔に起きて、狸寝入りをしていたこはくには全て筒抜けだったなんて彼女が知る由もないのだ。
他ならぬ自分を呼び出した相手を視界にいれた瞬間、ほたるは華奢な線で描かれた細腕を胸の前でくみ上げた
威圧的にも見えるポージングであるものの、実際はうっすらと黒い覆いを目に囲った彼を心配しつつ、素直に心配出来ない彼女の性格らしさを良く表している
「…私にはいつもちゃんと寝ろ、徹夜するなって言うのに実はこはくの方がちゃんと寝てないんだ」
「こ、今回だけやて。いつもはちゃんと寝てるわ」
「そんなんだから『専用衣装』のデザイン候補を練る為に私を呼んだ訳ね、納得」
「それだけやなくて、服の事ならはたてはんやってわしの頭にあるからなぁ」
堪忍な、なんてその後に続けるこはくの苦笑に軽くため息をつく
…ため息をつきながら、ほたるの本音は彼に頼られた事実が嬉しくてにやけないように表情を繕うので精一杯な所にある
「でも今日はというか、今はだめ
まずこはくは仮眠、『専用衣装』のデザインを考えるのは起きてからね」
「は?!いや、それやと時間が…!」
「ごちゃごちゃ言わない、そして服飾舐めすぎ
そんな回ってない頭で考えたデザインがこはくの『専用衣装』だなんて中途半端、私が一番許さないんだから」
睨みも利いた強い言葉
他の者であれば、表面上の冷たさばかりが目立って厳しいものと受け取りがちであるが、彼女の事を良く知るこはくだけは言葉の裏に存在する本音を汲み取る事が出来た
確かに存在する労りと服飾職人としての誇り、その二つが合わさって真剣に自分の『専用衣装』を思ってくれるほたるの優しさに安心したのか、ここに来てこはくを睡魔が覆いかぶさった
「ならちぃっとばかし、寝かせてもらうわ」
「ん、分かればよろしい」
ソファのひざ掛けを枕代わりに横たわる桜の花
未だ蕾のそれが吹雪となる未来よりも先に、『おやすみ』だなんて言葉が先に降り注ぐ
「…すぐに頼ってくれれば、こはくの似合うデザインなんて何枚だって描きあげるのに」
それは自分が一番、桜河こはくという人物を知っているという強い自負がこれでもかと詰め込まれた一節、願い
「……」
そろり、とこはくが起きないよう、細心の注意を払いながら、手に握ったスマホでシャッターを切る
一瞬、シャッター音でうぅんと潜まれる眉に起きてしまったかと構えるが、彼が起きる様子はない
ほっとした所でアルバム機能に保存された寝顔の写真に、人気が自分達以外にいないという事でほたるの唇からは嬉しそうな音が漏れた
「…怒るかしら」
──でもこれだって、
「(私だけが知ってる、こはくの顔だもの。許してよね)」
スマホで口元を隠し、これ以上音を立てないようにするほたる
「(はたてはん、何やわしなんかにスマホ向けて…まあ嬉しそうならええけど)」
とっくの昔に起きて、狸寝入りをしていたこはくには全て筒抜けだったなんて彼女が知る由もないのだ。
さくら想ひ、乞ひて
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