#17 Selection and that continues to advance
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「全てを受け入れる寛容さ、正しくペース配分された知識、肉の群れに突っ込む勇気!食べ続ける根気!
それら全てがなければ、完食出来ないだろうスペシャル肉丼!」
「ありがとう、でもどうして?」
「冷めないうちにどうぞ」
「まっ、取り敢えずいただきまーす!」
最初に大喜びで箸を取ったのは三度の飯よりも肉が好きな千枝。彼女の手にかかれば、このスペシャル丼もあっさりと胃袋に収まる事だろうと誰もが思った
…だがそこから20分後、そこには全く減らない肉が構えていた。千枝の丼だけではない、悠達が箸を進める丼までもが同じ状態で下に潜む白米まで誰も辿り着いていなかったのだ
「食っても食っても、ご飯が見えてこねぇ…」
更に40分後、丼を前に悠達の箸は止まっていた
最早、この丼には肉しか入っておらず、白米など存在していないのではないかと錯覚する程の、肉による一点集中攻撃はどのシャドウよりも強敵の存在と思わされた
「肉、肉、脂、脂、そして肉…」
「マジでどうなってんだ、これ…」
「あ、でも最初よりは減ってるよね…?多分」
「つか、マジ多すぎるだろ…丼の底に辿り着ける気がしねぇ」
「でも進み続ければ、いつかは辿り着く…」
目の前の丼を今の捜査隊に見立てる悠。今日発生した事件によって、自分達の推理は振り出しに戻ったかもしれない。けどそこで立ち止まっては今までの行動だって水泡に帰してしまう
進み続ける事に意味がある――それを見出した悠に続き、陽介達も見る見る内に事件にかける熱意と活気を取り戻していく。結局は自分達に出来るのは事件の真相に向かって進む事しかなかったと気付いた
「うん、そうだよね。進んでいけば、いつかは辿り着けるよね!」
「うん。いつかきっと」
「ああ。そッスよ!」
「今は全く見えねぇけど、しょうがねぇか。進むしかねぇもんな…」
先程まで失意の底にあり、捜査隊を解散しても構わなかった仲間達が次々と立ち上がっていったというのに彼と来たら
「本当に全く見えないな…丼の底」
「そっちかよ?!お前、本当変な奴だよな…」
どうやら悠の言葉は高度な比喩などではなく、まんま現状で丼の底が見えない事を言っていたと発覚
心底、悠のボケっぷりに呆れる陽介だが、彼の発言で皆の活気が戻ったのは事実で苦笑に止めておく。事件に関しては立ち止まらず、進む事を選んだが丼を食べ進めるのはここまでの様だった
「得るものの大きい戦いだった…」
「一人、3000円~」
「サービスじゃねぇのかよ?!」
「ちなみにこれ、完食出来た人は…」
あいかのぼったくり台詞に良いシーンが台無しである
恐る恐ると千枝がスペシャル肉丼を完食できた人間がいるかを尋ねる、あの尋常ではない肉の量とそれを食べ続ける根気…それらを備えた人間はこの町にいるのか――
「今の所、いつも一緒にいる1年の子とおばあちゃんたち~」
「1年…まさか、灰音ちゃん?!」
「灰音、意外に大食いだったんだな…」
「いや、ばあちゃん達と食べたんだろ。話聞いてた?」
体よくスペシャル肉丼代 3000円をぼったくられ、財布が軽くなった悠達は愛家からジュネスへ向かう
ジュネスでバイト中の灰音に陽介が連絡をいれたものの、出ずにいた。という事はまだ勤務中と受けとって良いだろう
「モロキンがテレビにいれられたんだとしたら、クマなら何か知ってるかも」
「灰音と合流するにも丁度いいしな」
「そうだね。ペラペラが治ったか、心配だし…」
「ん?あれ、店員さんがいる」
「まさかテレビの事、バレたんじゃ…!」
テレビ売り場の前にいる何やら深刻そうに立ち話を交わす三人の従業員の姿。まさかとは思うが、テレビの事がバレたのかと不安立つ仲間達の為、不穏な雰囲気を臭わせる従業員の元へ陽介は駆け出す
ジュネスの店長の息子という立場を利用して、彼らから事情を聞き出そうというものだろう。店長の息子ならきっと彼らもこの不穏な空気の理由を話してくれる筈だ
「お疲れッス!何かあったんスか?」
「ああ、陽介くん…丁度良かった、熊田さんって方が来てるんだけど…」
「はあ?熊田?」
.